めっちゃ面白かった!
強いて言うなら、ピロティホールみたいなハマグリ型客席じゃなく、もう少しキャパが狭く兵芸のようなスクエア型客席で観たかったな〜。
ピロティホールは2階席がない分客席空間が広いねんな…。
ということで、昼の部の雷神不動北山桜を観た後に、ピロティホールで観てきました。その次がベルばら。ラストが夜の部の連獅子という流れ。
それはさておき、
最初、江口のり子さんと松尾諭さんの関西弁がわざとらしいな〜と思って聞いていたけど、いつの間にか自然な関西弁の会話になっていた。
その関西弁バトルがめちゃくちゃ面白かった!さすがお二人とも地元関西出身!
ちなみに、松尾諭さんは、実は高校の後輩です。必然的に、月亭方正さんも同じ高校です。もちろん2人とも面識ありませんけどね。
もっと書くと、これ書いていいのか分からないけど、もう書いてるけど、堤真一さんは中学校の先輩です。もちろん面識はないです。あ〜堤さんと同じ高校に行きたかった!
同じ西宮内の近くの高校には常盤貴子がいらした。これも書いていいのか分からないけど…。(あ、鳴尾高校だと思ってたら、堤さんと一緒だった!)
地元では超有名なネタ。
っていうか、西宮出身の芸能人、意外と多い。
芦田愛菜ちゃんも!知らなかった。
鶴瓶さんの御子息駿河太郎君も!
藤原紀香さんも!
凄いな、西宮民!
あー、私も加わってるはずやったんやけどな〜。どこで人生設計くるったんやろか〜??←知るかいっ!
(笑)
他に西宮民を調べたら、
鈴木亮平君も!知らなかった。
松下優也君も!知らなかった。
あいみょんは有名だね。ってか、同じ高校やん!?知らなんだ…。
生瀬勝久さんは、名字が西宮の地名。芸名やと思ってた。生瀬出身ではないみたいだけど。
いや、マジすげー、西宮民。
タカラジェンヌやお笑い芸人を含めたらもっと多いけどね。
っていうか、西宮民を公言してたことに驚いた!あ、もちろん「私は西宮民です!」とは言ってないですよ。西宮出身という意味です(汗)
は、さておき、
江口さん演じる富子(とみこ)の理想の恋人?理想の自分?を演じている松岡茉優ちゃんとバーチが、どの役を演じているのか途中から分からなくなってくる展開になっていましたが、
そんなことどうでもいいくらい、松尾諭さん?君?演じる徳人(のりひと)が、江口のり子さん演じる富子(とみこ)に何度も何度もしつこいくらいに訴えかけている言葉が、脚本の横山拓也さんの本心だと思った。
まだ小説は未完なのに、SNSでバズり、本になり…、映画化まで話が進む…となると、さて、未完の小説の結末をどうする?
原作者の思い通りにするか?読者が喜ぶ結末にするのか?がこの作品のテーマではあるんだけど、
読者や演者が喜ぶ本を書くべきか、自分が本当に書きたい本を書くべきか、創作活動家にとっては経済的なことも含め死活問題にもなりかねない、常に自問自答するテーマだと思った。
理想は、自分が描きたい世界観と読者が喜ぶ世界観が同じなのが理想だけど、世の中、そんなに理想通りにことは運ばないのが現実。
を、富子の初恋だった松尾諭さん?君?演じる徳人とは、全く現実の姿とかけ離れた理想の恋人をバーチ演じるリヒトと、
もちろん、江口のり子さんとは似ても似つかないm(__)m松岡茉優ちゃん演じる富子の分身ミコが、主役2人の裏主役として、現実と空想の世界を行き来する設定。
富子と徳人は学生時代から15年間文通し、30歳になってもまだお互い独身だったら結婚しようと約束(富子の思い込み)したが、結局、徳人は別の女性と結婚。
元々小説家を目指していた富子であったが、全然芽が出ない。たまたま15年間文通していた手紙の内容をそのまま、または富子の脚色も加えて手紙のやりとりを小説としてSNSにアップしたら、バズったという展開。
詳しいあらすじは、HPからご覧下さい。
はてさて、このリアルな手紙のやりとりが読者のハートを掴んだのはいいが、小説を書いたのは富子。だが、手紙の相手の徳人がいてこその文通なわけだから、
著作権の問題が出てくるよね〜???という展開になる。
徳人も原作者じゃないの?ってことから始まる富子と徳人のバトル。
映画化が進み、誰が、富子をモデルにしたミコ役を、徳人をモデルにしたリヒト役を演じるのかというサブストーリーに、茉優ちゃん演じる女優とバーチ演じる書道家アーティストが絡んでくる。
だから、茉優ちゃんもバーチも、ミコと女優、リヒトと書道家アーティストの二役を演じることになる。
現実の富子と徳人のバトルだけでなく、茉優ちゃんとバーチの演じ分けもこの作品の面白さとなっている。
富子と徳人は、ガッツリ関西弁なのに、富子の理想のリヒトとミコは標準語なのも面白い。いかにも関東の人間が喋るわざとらしい関西弁もありだったかもしれないね。あ、手紙は標準語やったわ。
せやねん、関西人は、手紙は標準語で書けるねん!?
これ、当たり前やと思ってたけど、よく考えたら凄くない??バイリンガルやん!?英語じゃないけど(笑)
なんせ茉優ちゃんが、二役の演じ分けが、まーお見事!
リカちゃん人形とスケバンくらいの違いがあった。
ドラマの茉優ちゃんは強気キャラが多いので、本作の女優役に近かった。
ミコ役は、まーリカちゃん人形。私のイメージがね。
見事なキャラ変だった!
その点、バーチ演じるリヒトと書道家アーティストはどちらもバーチだった。良い意味でね。
お坊っちゃま役(私のイメージ)も根暗役(私のイメージ)もバーチが演じると、どう見ても36歳には見えない年齢不詳故のキュートさがある。
「アメンメット」のバーチはめちゃくちゃ等身大で役と本人の見分けがつかないくらいリアルな人物像を作り上げてた。
今回は、明確なキャラを作らないといけないけど、バーチのキュートさがより際立つ役作りだった。
松尾諭さんに全く似ても似つかない役だけに、松尾諭さんには申し訳ないが、ギャップが最高。バーチの存在は、富子の想像上の恋人リヒトにピッタリ!
江口さんと松尾諭さんは、もうドラマで観るそのまんまのキャラだから、2人の関西弁バトルがリアル過ぎて楽しかった!
演出的には、最初に登場するミコとリヒトは、富子の空想上の登場人物だと思わせておいて、実は女優ちゃんと根暗君が演じていたのではないかという伏線にもなっていたのが面白かった。
ラストは、女優ちゃんと根暗君が演じているミコとリヒトなのか?富子の空想上のミコとリヒトなのか?それとも、どちらでもない、小説の中から飛び出したミコとリヒトなのか?
どちらか分からない見せ方も良かった。
どちらか分からないから、最初のミコとリヒトもどっちのミコとリヒトなのか分からなくなってくる。という見せ方になるので余計面白く思えた。
何度も書きますが、もっと小さな劇場で観たかった。富子と徳人のどちらにももっと共鳴できたはず。あのハマグリ型劇場の空間を支配するには少人数では厳しい。
でも、演じ分けに関しては、他の方も見事なキャラ変だった。存じあげない役者さんだからこそ余計、同じ人物だと思えないくらい見事な演じ分けだった。
今月は、演じ分けがキーワードか!?と思うくらい、映画も舞台もそういう作品が多かった。
バケモノ好きのワタクシには堪らない演じ分けだった。
話題を脚本に戻すと、
創作活動家なら誰でも悩むテーマ、読者や観客が喜ぶ作品を作るべきか?自分が作り上げたい作品を作るべきなのか。どちらを優先にするかは、結局どっちも必要だと思ってる。
ただ、ヒットや有名になる手掛かりをどっちにするかが悩みの種なんよね。
ヒットするまで好きなものを作り続けるのか?市場リサーチして客が好む作品を作ってから自分の好きなものを作るのか?
いずれにせよ、どちらも運だけどね。
でも、どちらを選んでも、その人の人生設計には変わらない。
結果なんか、未来のことも、何がヒットするか、消えていくのか誰も分からない。ま、お金の力があれば話は別だが…。
いずれにせよ、創作活動家には堪らないテーマだったと思う。