今日は、宙組東宝千秋楽ライブビューイングを観てきました。
ぶっちゃけ書くね、音響が悪かったね。これは映画館ではなく音を届ける側に問題があったと思う。
本来ならば、役者の声は音響効果を伴って聞こえてこないといけないのに、生徒の声をそのまま拾うだけだったので、オーケストラの音がBGMにしか聴こえてこなかった。
ずっとライブビューイング用のマイクが音響効果を伴った生徒の声とオーケストラの音をキャッチして映画館に届けてくれているものだと思っていたが、劇場のマイクから直接映画館に届けている感じだった。
残念なことに、コーラスでは口パクなのが丸分かりだった。オーケストラや音響効果で個々の声がかき消されているもんだと思っていたのに、そもそも声を出していなかったとは…。ま、どこかで喉を休めないといけないのは分かるが…。
しかも発声や歌声の乱れも目立つし、何よりオーケストラと歌声が一体になってないので、全く臨場感がなかった。コーラスも全く迫力がなかった。
コーラスの宙組と謳われているが、今日のライブビューイングを観る限りでは、音響さんの努力と言わざるを得ないね。
あと、カメラワークが露骨。っていうかある意味計算し尽くされたカメラワークと言えるかも。誰を映して誰を映さないか劇団の意向が読めるカメラワークだった。ぶっちゃけ、見たい生徒がいたのに見事にフレームアウトしていた。
劇場では、音響効果だけでなく音量を上げたりなど、音響スタッフさんが作品を盛り上げる力になっているのをまざまざと感じるライブビューイングでした。
今回の音響で気付いたのが、留依蒔世君は如何に歌ウマさんなのかもよく分かった。音響効果がなくても全然歌も声もブレない。声量はあるわ聞き取りやすいわでもう完璧だった。
蒔世君の歌を聞いて、カルロッタ、ゾフィ、マダム・ヴォルフ、マダム・テナルディエなど名脇役の名曲が脳内リフレインしまくった。これからも是非ともミュージカル界で高らかに歌い上げて貰いたい!
そして今日は、この10日間で観た作品の感想を手短に書きます。
キンキーブーツ2回目観てきました。今度は1階席で。
いやいやいやいやいやいや、2回目も超ノリノリ!めちゃくちゃ楽しかった!
最高に素晴らしかった!!
1階席だからいかに城田ローラが大きいのかがよく分かる!他のキャストとの身長差のギャップがより作品を高める。
個性は決して弱点ではなく長所であるということ。本来の作品が持つメッセージとは違う日本版ならではのメッセージ性もあって本当に素晴らしい作品だった。
なによりシンディ・ローパーの曲がめちゃくちゃ良い!ロック調からバラードまでセンスが良すぎ!そしてアレンジもね。
笑って泣けるエンターテイメント作品としては、最高のミュージカル作品です!!
これは再演し続けるべき作品です!
そして、帝国劇場でエリザベートも観てきました。
まさか抽選に当たると思っていなかったチャピエリザベート&東京オンリーの育三郎トート!
フランツはもちろん万里生氏!
いやいやいやいやいやいや、こちらも素晴らしかった!
チャピは宝塚でも演じましたが貫禄が違う!
やはり宝塚版はどうしても娘役のエリザベートとして、裏声を駆使した娘役芸に徹してしまうが、東宝版のチャピは地声の低音を活かしていて貫禄もありつつピュアさもある新たなエリザベート像を創りあげてましたね。
お花様は生粋の娘役だったからキーが高く、見た目の可愛さは現役ままではあるが、役作りに関しては深掘りするくらい役作りに徹する方なので、見た目とのギャップがあるエリザベート像で魅了しまくっています。
その点、チャピはまだまだ若いけども(あ、お花様ごめんなさい)度胸があるのでお花様と違う貫禄がありましたね。
育三郎トートは、もうヴィジュアルが美しい!
私が今まで観たトートが野郎系かつ野獣系だったのに対し、育三郎トートはもう宝塚的な中性トートでしたね。
野郎系トートは人間味が溢れまくっていますが、中性系はマジ死神。この世のものでない感がめちゃくちゃ漂っていた。育三郎トートの登場シーンは死後の世界って感じがした。そういう意味でも宝塚的だったと思う。
そしてそして、万里生氏のフランツが素晴らしい!ナイスリー・ナイスリーとのギャップだけでなく、前回観たアグレッシブフランツとは違う丁寧な役作りに感心しまくりでした。
今回は、年代ごとに歌い方や声音を変えていたし、アグレッシブさは抑えられていて代わりにシシィへの熱愛の深さを丁寧にかつ力強く表現されていて、最後の審判の表現が絶妙でした!
フランツはマザコン皇帝と歌詞にありますが、万里生フランツはマザコンではなく親の指示に従っているだけ。もしこれがゾフィでなくて父親だったらファザコンなんですか?と言いたくなるくらい躾や伝統を重んじているフランツ像でした。説得力がある納得のフランツでした。
そうそう、てっきり万里生氏は、フェルセン役に代表されるように優等生かつ育ちの良いお坊っちゃま俳優さんだと思っていたのに、ナイスリー・ナイスリーもそうだけど、自分の我を捨てた徹底した役作りと見せ方に感心しまくりです。今回も素晴らしいフランツさんでした!
全体的には、舞台美術は前回とそのままだけど、演出が前回と変わっているように感じました。最後の審判ね。
宝塚版の演出は変わらないけど、東宝版はまだまだ進化し続けていますね!