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「パレード」

2021-02-05 16:17:41 | ミュージカル
めっさ、後味悪っ!

本来なら、ミュージカル形式をとらずストレートプレイで上演されるべき内容だとは思うけど、ミュージカル作品としては本当に後味が悪い結末でした。

ミュージカル=ハッピーエンドではないけど(例:ミス・サイゴン)、あまりにも昨日の花組公演とめちゃ対照的過ぎ!

多少なりとも救いがあれば良いが、「パレード」に関しては全く救いなし!むしろ怒りが湧く!あ、作品に対する怒りではなく、脚本家が見せようとしている世界観がね。あ、脚本が悪いって言ってるんじゃないですよ。

実話だから仕方ないかもしれないけど、あんな結末ありですか!?題材としてありなのか?疑問に感じる結末でした。

ただでなくてもアメリカ嫌いなのに、少しづつ好きになろうとしてるが、この作品を観たら、たとえ過去の話とはいえども十分今現在に通じるものがあり嫌気しかない。

人種差別、ユダヤ人差別、権力闘争、シガラミ…、

今も変わらない。

ましては、このコロナ禍においては日本も変わらない。コロナ差別。

コロナに罹って実名を挙げてコロナに罹った原因を勇気を出して公表したら、文句言われたり差別されたり、意味分からない。

そりゃ実名出したら、店名を出さなくてもお店に迷惑をかけることになるのは必然だけど、お店側も、お客さんは大事だけど感染対策は必須だから、お客を守ることはお店を守ることになるんだから、お客様=お金、ではないことを肝に銘じて感染対策をしないといけないと思う。当たり前ですが、お客様=人間です。

お店=安心、じゃないとお金は回らないと思うよ。

お客側も意識して気をつけないといけないけど、ぶっちゃけ、集団になると意識は遠のくのは事実。皆が皆、私みたいな孤独仕方ない人間じゃないからね。ひとりが寂しい人が大半だからね。ぶっちゃけ私は集団心理が怖い。

は、さておき、

この「パレード」で描かれている世界観は、まさに集団心理の怖さを描かれている。

ひとりで集団と戦うって本当に勇気がいることだと思うし、堀内敬子さん演じるルシールのように夫を愛するが故の行動のようにね。最初は、天然さん?的なキャラから、知事に一人で会いに行ったりと芯が強い女性へと成長していく。夫の無実を晴らそうと頑張っていく。

なのに!なのに!の展開。

不条理もええとこやわ!

いやー、ないわー。事実だから仕方ないし、現実社会においても十分起こりえるから困ったもんだ。

どんなハッピーエンドなんだろうと思ったら、オイオイ!な展開だった。

この作品のテーマは、もちろん夫婦愛だけど、もう1つ、

それは、使命、お役目だと思う。

丸さん演じる夫の台詞にもあるように、神様から命じられた使命(神様は登場しません)こそが、この作品の最大のテーマだと思う。

だからハッピーエンドにしたらダメなんだよ。メッセージがぼやけるから。

ワタクシも、ある種の使命をもってこのブログを書いているとこはあるんですが…。読者数は少ないですが、10年以上書いてるのに読者数は伸びない(汗)←当たり前や!(笑)あ、伸ばす気は全くないので…。

使命といっても、誰かのためというより結果的には自分のためではあるんですがね。自分のブログで癒やされることあり(笑)

もさておき、

そもそもさ、どうでもいい嘘で1人の人間が死刑になろうとしているのに何とも思わない人間の心理。

たった1人の他人の人生より、自分の名誉や出世が大事であったり、

もちろん人種差別もそうだけど、

1人で戦えよ!1人がダメなら仲間を増やせよ!の、個人または集団、この2つのせめぎ合いが厄介。どちらに属すれば良いか迷う。

学校のママカーストもしかり、簡単には逃げられない環境ってあるからね。たしかに1人で戦うのは難しいのも現実。

だからこそ、「パレード」という作品が生まれたんだと想像します。

パレードというタイトルだから何某のハッピーエンドを想像してましたが、

ここでいうパレードは、戦没者追悼記念日。まさに集団心理の象徴的な日。沢山の人がお国のため、家族のために戦争で亡くなった者を悼む日。悼む日でもあれば、闘争心が湧く日でもあるよね。

日本だって、終戦記念日に、悼むこともあれば、原爆落としやがって!と思うこともあるでしょう。隣国だと慰安婦問題。強制連行…。誰もが、何処の国も傷を負ってるんよ。

「パレード」って、一組の夫婦の物語ではなく社会風刺してる点においても画期的な作品だと思います。何某の爪痕を残す作品と言えると思う。

ということで、久々の丸さんこと石丸幹二さんと堀内敬子さんの元劇団四季の2人の主演作を観てきました。

たまたまだけど、二十年前にこのお二方が出てた「アスペクツ・オブ・ラブ」を東京で観てました。丸さんの相手役は知寿さんですが。

なので、それ以来のお二人の共演の拝見となります。

丸さんも超久々。すみ花と共演した「ライムライト」以来??いやー、相変わらず素敵な歳のとり方をされてます。全然老けない!

丸さんの役は、ホント憐れ。ユダヤ人故の差別というかなんというか、「プラム」にも匹敵する州単位での差別に思わず、はぁ???ってなるね。必ずしも善き夫とは言えない面があるので、ある種、自業自得だったりする。が、やはり不条理すぎる!(怒り💢)でも、ジーザス・クライストみたいな役にも思えた。間違いなくキリストを意識した主人公だと思うよ。

私にとって堀内敬子さんといえば、「美女と野獣」のベルで一世風靡された方ですね。今では、三谷幸喜ファミリーの一員でありますが…。

堀内さんの役は、「レベッカ」の私に匹敵するような役柄であったりして、時とともに逞しくなっていくんですが、ラストは、堀内さん目線で世の中を見てしまうので更に怒りが湧く!

変にハッピーエンドにしなくていいんだよ。ただ、まさか、めでたしめでたし!で終わらないラストに驚きましたが。このまま救われず不完全燃焼で終わっちゃうの?的な。

この作品がジーザス・クライストの物語であるならば、堀内さんの役は、マグダラのマリアと言えるでしょう。

他のキャストが、まぁー超豪華!この豪華さならこのチケット代は致し方ないと思う。盆もあったし。

っていうか、豪華なキャストを超贅沢な配役だったことにビックリ!そんな役にこの方が!?的な。ある種ちょい役ですよ。凄い贅沢、且つ勿体ない。

この作品自体が、台詞より歌が多かったので、しかも歌上手さんばかり集めているので歌の密度、重厚感が高い!

本来は、ドラマシティのような小さな劇場でなくメインホールでするような規模だと思うんだけど、それをドラマシティでしてしまうからもう歌の熱量が半端ない!本当に贅沢限りなしでしたね。

拝見する役者さんが、岡本さん以外は久々の方ばかりなので、しかも、今回は東宝でなくホリプロの作品なので歌で勝負してきたのが良く分かる!

本当に凄いキャスティングだよ!!

物語は後味悪いですが、歌は本当に凄いよ!

あと、演出も!

始終色とりどりの紙吹雪が舞い落ちるんですが、もちろんパレードを祝う紙でもあったり草花の絨毯、または枯葉にも見立てていて凄い演出でした。なんてたって、盆だよ!「オトコフタリ」とは違う電動で回る盆。

贅沢な演出でした!

追記:
ゴールデングローブ賞ノミネート発表なりましたね!

まさか、メリルがノミネートされずで、ジェームズ・コーデンがノミネートされてビックリ!

そしてそして、

ニコールが、ドラマのリミテッドシリーズで主演女優賞ノミネートされました!

ゴールデングローブ賞は、映画作品だけでなくドラマ作品にも賞があるので有り難いですね!

ニコールおめでとう!!

「フレイザー家の秘密」の配信を楽しみにしてます!