宙組「美しき生涯」

2011-05-20 22:12:05 | TAKARAZUKA
昨日、しのぶさんのオールナイトを聴いたらすっかりモヤモヤが消え去り、今日は職場の仲間と飲み会があったのがキャンセルとなり、しかも仕事は休みだったので、元気を取り戻したところで急遽当日券で観てきました。

大劇場公演人生初の初日を鑑賞することになったのですが、とても初日とは思えない完成度の高さに驚きました。

幕開きだけ???だったのですが、祐飛さんがスッポンからセリ上がってからは完全に大石先生×石田先生ワールドにのめり込んでしまいました。

「紫子」がオスカル&アンドレ編なら、「美しき生涯」はフェルゼン&マリー・アントワネット編といっても過言ではないでしょう。なんせ脚本が素晴らしい! さすが「愛と青春の宝塚」の脚本家だけあるわ!と思いました。

伏線の引き方も上手いし、なりより大石先生の言葉の選択が素晴らしい(宝塚にしては生々しい台詞があるのですが、これは石田先生の演出が生々しくさせているんだと思っています)。ル・サンクで脚本が載っていたら絶対買います。

正直、戦国時代の武将って嫌いなんですよ。人殺しじゃないですか?だから戦国武将を英雄だと奉っている人が本当信じられません。ヒットラーを崇拝してるんと変わらんやん!って思ってしまいます。

でも、そんな裏切り、陰謀、殺戮の戦国の世にも、義と愛を貫いた武将がいたかもしれないと思わせるような石田三成像を描いた大石先生の脚本には本当感服しています。

そして石田先生の演出。独特な石田テイストも所々ちりばめられています。お笑いの要素としてヘビメタ的な音楽も使用しているシーンもありますが、全然許せるくらいそれ以外でちゃんと見せ場や見せ所を設けていたので全く文句ありませんでした。

やはり、祐飛&すみ花コンビは素晴らしい!石田三成は祐飛さんにピッタリ!愛と義の間で苦しむ武将像を見事に演じていました。
すみ花さんも、幼少の頃の茶々から大人の淀殿までの成長の過程を上手く演じられていて、この二人が引き起こす化学反応には本当驚くばかりです。これぞ出会うべくして出会った二人と言っても過言ではありません。

星組から異動してきたテル君も美味しい役を頂いていて、期待にちゃんと応えてました。

脇を固めるキャストもよくて、秀吉のマヤさんなんてもうピッタリ!あのやらしさはマヤさんにしか出せません。

おね役の美穂さんもゾフィ並の怖さを醸しだしていて好演でした。

ただ北翔さんがちょっと残念な役柄でしたが良い存在感を出してました。

純矢さんも美味しい役頂いていたし、組長さんもちょこっとだけでしたが存在感は偉大でしたし、秀吉の家臣を演じた面々もいい味出していたし。メインどころではないですが、風莉さんは相変わらず私のツボでした。

歴史に忠実なのかどうかは、日本史オンチの私には正直分かりませんが、史実でないかもしれないけど、史実であって欲しいと思えるくらいロマンチックな面もあればコメディの面もある素敵な作品です。

宝塚の回しものじゃないですが、たくさんの方に観て欲しいです。本当、脚本良いし、演出も良いし、なんせトップ二人が最高に良いです。また観に行きたいです。間違いないなく、すみ花さんが進化していると思うので。

でショーはというと…スミマセン、このショー私は苦手です。単調な展開が苦手です。見せ場はたくさんあるんですけどね…。


今日のまとめ:あ、お芝居の幕開き、家臣たちがせり上がるんですが、祐飛さんだ!と疑わず追いかけていたら、春風さんでした。めちゃ瓜二つ!

今日大劇場に行きし、武庫川の「生」の字が潰れてました。仕方ないか…と思ってましたが、帰りし、何人かの方で修復されているのを見ました。お疲れ様です、そして、ありがとうございます。

二週間しのぶさんの声を聞かないだけで生活が変わるなんて…。美輪さんの「愛の讃歌」を観てもこのモヤモヤは消えないと確信していたのに…。しのぶさんの飾らないトークに笑い共感するだけでモヤモヤが吹き飛ぶなんてね…。しのぶさんの声が清涼剤とリスナーの方が言われた意味を私も実感できました。そりゃそうだ、2月から欠かさず毎週聴いていたもんね。しのぶさんの言葉の力と存在感は本当大きい。