昨日の昼、NHK-BSで映画『ボブという名の猫2』を楽しんだ。映画好きの人たちにとっては何を今頃、というレベルのものだろうが僕は初めてみる映画だ。猛烈なスピードで話が展開するこの頃のアクション映画とは一味違うなんとなく昔を思い出させるゆっくりペースの映画に懐かしさを感じた。それはいいとして、要するに、ストリート・ミュージシャンと彼のペットとなった猫がお互いを支え合って厳しい現実社会を生き抜いていくというお話だ。ペットとの暮らしは単に癒しの範囲にとどまらず人の生活に肯定的影響を与えると言われる。(良いことばかりではもちろんない。病気の治療費やフードもお金がかかる)いろんな世話に追われる一方で、毎日を楽しくし、心穏やかな日が増えた、生活が規則正しくなった、などの効用が指摘される。
僕が子供の頃、我が家では犬も猫も家族の一員だった。彼らを見ながらいろんなことを観察する癖がついたのではないだろうかと思うことすらある。犬は粗野で遠慮なくものを言うが上目遣い。猫は寡黙で上から目線、フラッといなくなって適当に食事時間に帰ってくる。冬には置き炬燵を占領して皆が頭や毛を撫でてその存在を確かめる。犬であれ猫であれ、彼らの”目の力”なるものを感じたのもこの頃だ。言葉は使えないけれど、彼らの目つき、まなざし、が語りかけるのである。まさにこれが「目は口ほどに物を言う」ということなのだろう。「ペットほど優れた精神科医はいない」という言葉もあるのはどこか頷けるような気がする。