水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

日吉大社 牛尾神社

2011年09月27日 18時05分17秒 | 風景
        日吉大社 牛尾神社 F50

湖国の祭として全国的に有名な山王祭は大津市坂本の日吉大社のこの牛尾神社に始まります。以下、神輿上げから一か月半ばかり続く山王祭の神事を示します。

●神輿上げ神事(3月1日)
東西両本宮をはじめ多くの社殿の裏手に当たる八王子山の中腹には黄金の大巌と呼ばれている大きな磐座があり、この磐座が日吉大社発祥の地といわれている。後にその磐座の左右に二社の社殿が建てられ、東側を牛尾神社(大山咋大神の荒魂)・西側を三宮神社(鴨玉依姫大神の荒魂)としてお祀りしている。この両者の神輿は麓の東本宮に近い神輿庫に収蔵されており、3月1日(現在は第一日曜日)に山上へ2基の神輿を揚げる。このことを「神輿あげ」と称し、その夜から、風の日も雨の日も、毎日お山に登って約一ヶ月間もの間、神火を献げる。午の神事までの間、2柱の御夫婦の神様が忌篭られ、荒魂を浄化されるとも、お見合いされるとも言い伝えられている。

●午の神事(4月12日)強訴神事
美しい茜さす日枝の山に、やがて夕闇の迫る頃、若人達は足早に明々と輝く松明とともに急坂を八王子山へと急ぎ、牛尾神社と三宮神社の両社殿に按置された神輿の前で、鈴振りの到着を待っている。鈴振りと神職の打ち鳴らす神鈴の音を合図に、牛尾神社、三宮神社の順に山を降りる。45度の急な石段・急カーブを松明に導かれて、闇の坂道を降りる危険な神事で、京都の葵祭りと違い勇壮な御生神事として知られている。かくして東本宮に入御の神輿は拝殿に安置された後、神輿の後と後をつなぐ、「尻繋ぎの神事」と呼ばれる大山咋大神とその妃鴨玉依姫大神のご結婚の模様を伝えた祭典が開かれる。


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●神輿入れ神事(4月13日)
明けて4月13日午前中に、東本宮と樹下神社の神輿と前八王子山から渡御された両社の神輿と合わせ4基が、次々に宵宮場の大政所へ按置される。これを神輿入れ神事と言う。拝殿の正面には産屋神社といって、大山咋大神と鴨玉依姫大神(下賀茂神社御祭神)との御子神である別雷神(上賀茂神社御祭神)と祀った社がある。

●献茶祭(4月13日)
午前11時、日本最古の茶園と伝えられる日吉茶園で取れたお茶を宵宮場の大政所に按置された4基の神輿に献じる。この祭りの祝詞に「弘仁の御代から茶を献る」とあって、古い時代からお茶が安産にきくとの信仰により献っているとも伝えられている。

●花渡り式(4月13日)
引き続いて地元の各町内の稚児が奉仕する花渡り式があり、御子神のご出産をお祝いして稚児が長い行列を作って参道を歩き、神輿に礼拝した後、西本宮に参拝する。

●未の御供献納祭(4月13日)
次に未の御供を宵宮場の4基の神輿に献じ、続いて西本宮に献上する。この御供は京都の室町仏光寺の日吉神社氏子の人々によって、平安期から現在にいたるまで長く継続されてきた神事で、お供も矢・鏡・筆・人形・造花・菓子などで、平素神社の献っている神饌とは趣を異にして、お生まれになる御子神に奉る品々と伝えられている。 

●宵宮落し神事(4月13日)
夕闇迫る頃から、4基の神輿を按置した宵宮場の周辺は、三千人に余る参拝者でうずまり身動きも出来ない状況を呈する。その頃参道の石鳥居下付近え駕与丁の勢揃い『つどといい(つどいあつまる)の意』が行われ、この勢揃いが終わると若人達は掛声勇ましく400mの参道を一目散に駆け登って宵宮場へと急ぎ、大政所に按置されている各自定められた神輿につき、その神輿を激しくゆさぶる。これは鴨玉依姫大神の陣痛の苦しみを表すと伝えられている。神輿の前の猫足が空高く上がったかと思えば、次は後ろの猫足を上げ、搨(しぎ)という台につくたびにドーンドーンと激しい音が静かな夜陰に包まれた境内や坂本の町内に響き、社務所から500m以上も離れているが、この勇壮な音は手にとるように聞こえ、坂本中を山王祭のるつぼへと入れこむ。9時を過ぎる頃、神輿振りは最高潮に達する。その頃4期の神輿は少しばかり前に進められる。そのとき、神輿の下ではササラの音と共に神楽を奏し、続いて山王祭委員長が祭文を奏上。それが終わるや否や、扇の合図と共に「とび」が一斉に高さ1m余りの大政所から飛び降りる。すかさず、4基の神輿はドッと下に落され(御子神の誕生を表す)担ぐ棒が地につくや否や待ち受けた若人達が重い神輿を軽やかにかついで、近くの鼠社の宮まで先を争う。そこで行列を整え西本宮へと渡御になり、西本宮拝殿に按置される。この時に初めて7基の神輿が一堂に揃う。


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●例祭(4月14日)申の神事(桂の奉幣)
よく14日早朝、東本宮の例祭が行われ午前10時、西本宮で鈴さんが行われる。拝殿には前夜着飾られた山王7社の7基の神輿が、所狭しと置かれ壮観そのものである。祭典は参進・修祓と始められ献撰・宮司祝詞奏上・献幣使、山王祭委員長祭文に続いて、天台座主の読経・宮司の桂奉幣(若葉の薫も豊かな桂の小枝で奉製された桂の幣)を行い、終わって桂の小枝を一本ずつ参拝者に授与。ついで他の桂幣を神輿に奉る。古くからの厄除けのしるしとして貴ばれてきた。やがて玉串奉奠が行われ祭典は終わる。

●神輿渡御(4月14日)(湖上巡幸)
さる4月3日から天孫神社(四宮神社)へ渡御されていた大榊が還幸になると、神輿7基は駕与丁の手によって次々に拝殿から春日岡へと移され、そのうち東西両本宮の神輿と他の2基の神輿は若人達に担がれて参道を下り石鳥居に至り、他の3基の神輿は自動車で下り、下阪本の七本柳乗船所で合流した後、台船に乗せられる。宮司は、膳所より奉納の『粟津の御供』や膳所の神職・氏子達と共に唐崎神社から小船に乗って、湖上を小波に送られて沖合に出る。小舟の上で数々の粟津の御供を、台船に按置されている7基の神輿(大神)に献じ祝詞を奏上。この姿は平安朝の絵巻をくり広げる感に打たれる。祭典了って宮司は台船に乗り移り比叡辻の船着場にて上陸、膳所の人々は唐崎へと帰ってゆく。日は漸く日枝山に傾き夕闇に包まれた境内に7基の神輿は還御になる。


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●酉の神事(4月15日)
古式山王祭のすべてが無事終了したことを感謝し、酉の神事(巡拝)が10時に行われ、西本宮にて、船路の御供の奉納の後、4日間に渡る山王祭は了る。

日吉大社配布資料より抜粋
HP・http://www6.ocn.ne.jp/~hiyoshi3/



                          

            
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