水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

令和六年一月の詩(明智越)

2023年12月29日 15時43分01秒 | 秋の俳句

              湖北秋暁 F30号(水彩)

 新年あけましておめでとうございます。60歳半ばで始めたブログ「水彩画と俳句の世界」は、とても良い仲間と結社に恵まれ、これまで無事に続けることができました。今年もどうぞよろしくご愛顧を賜りたくお願い申し上げます。

     明智越

秋麗やりすの横切る明智越  惟之

山並へ子らと駆けつこ稲穂波

橡の実をラインで見せて名を問う子

劇団の初舞台なり孫の秋

峠より京一望や花すすき

    誌上句会 兼題「枯木立」

特選

枯立木下を玉川上水路  清次

里山に住み枯木立枯木立  三枝子

眠らない都会の灯り枯木立  東音

枯木立いつも誰かが蘆花の墓  珠子

法灯を守りて比叡の枯木立  靜風

秀句

公園の遊具はきりん枯木立  安恵

現世やわが身と似たり枯木立  泰山

山荘や星を宿せる枯木立  翠

夕映えのl落暉を背に枯木立  鈴子

枯木立ペダルのギアを上げにけり  光央

枯木立吊るす屋台のお品書き  知恵子

となり家の土蔵をしのぐ枯木立  みどり

妖精のオブジェが招く枯木立  洋子

蒜山は遠くに見えて枯木立  由紀子

一羽づつ烏のとまる枯木立  洋子

彼木立見え隠れして黄泉の国  治子

てっぺんに鴉の巣あり枯木立  惟之

寒太郎ひゅうひゅう抜ける枯木立  賀代

我に似し野に一本の枯木立  つとむ

独り言聞ひてゐそう枯木立  敏子

    やまびこ(十一月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

紫蘇もんで生命線の染まりけり  千代

鎖場の鎖のみ込む夏の霧  勝彦

大西日背負いておりる琵琶湖岸  博女

明日といふあてにならぬ日トマト捥ぐ  隆を

八の字にくぐる八十路の茅の輪かな  怜

バス停に手書きのダイヤ夏祭  そよ女

億年を思えば一時蝉も吾も  豊子

大き影ゆらし黒揚羽の無音  史子

よく笑ふ子を真ん中にソーダ水  美幸

故郷へ道ひと筋や青田風  敏子

幸せは自分で見つけ日照草  清子

炎昼や貼りつく家の影  信儀

母からの浴衣今年も袖通す  裕世

   俳誌嵯峨野 一月号(通巻第630号)より

  

 

    

 

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十二月の詩(夕焼)

2023年11月29日 14時03分32秒 | 夏の俳句

                                  楽聖 水彩 6F

      夕 焼

夕焼へ尻取りをして母子ゆく  惟之

炎帝や地球沸騰はじまりぬ

繙けば吉祥天や秋涼し

核なき世果たせ果たせとつくつくし

半世紀ぶりの再会星祭

   誌上句会 兼題「彼岸花」

特選

彼岸花ほそぼそ記す農日記  みどり

彼岸花心つもりを子に話す  珠子

今日少し夫に会ひたや彼岸花  京子

彼岸花父母耕しの畦の道  東音

師の句碑に師の師の句碑に彼岸花  清治

子や孫と登る棚田や彼岸花  博光

彼岸花咲いて寂しさ増す野道  桂子

彼岸花かたまり咲くも淋しかり  靜風

五重の塔真向かひにあり彼岸花  紀久子

秩父路の同行二人彼岸花  翠

庭隅にすつと一本彼岸花  鈴子

祖も親も一つ屋に居て彼岸花  泰山

僧房の道は坂道彼岸花  文夫

永らへて今年も出会ふ彼岸花  靖子

檀家寺の入口に生ふ彼岸花  つとむ

曼殊沙華夫と歩調を合わせけり  安恵

彼岸花百年の恋焼き尽くし  治子

沿線の先の先まで彼岸花  光央

燃えて火の色褪せ空し彼岸花  三枝子

手を繋ぐ姉妹の下校彼岸花  知恵子

入選

古民家の裏庭白き曼殊沙華  洋子

句碑面磨かれ映る彼岸花  啓子

曼殊沙華咲くやお春の古刹訪ふ  藤子

畦沿ひの赤き炎や曼殊沙華  まこと

彼岸花開花待たれる昨日今日  祐枝女

河川敷一面占める彼岸花  信義

幼き日彼岸花避けて遠回り  敏子

陽を受けてティアラの如し曼殊沙華  秀輔

赤よりも白が目をひく彼岸花  美代子

彼岸花魔性の赤を愛しめる  廣平

彼岸花田圃アートの片隅に  洋子

彼岸花けふはあがらむ石仏  謙治

ふるさとをわすれぬ畦の彼岸花  秀子

赤赤と畑の守護神曼殊沙華  惟之

八十年在所の寺に彼岸花  稔

泣かないでと言ひつつ飾る彼岸花  博女

   やまびこ(十月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

月下美人月の色してひらきゐる  きぬ

あるがまま生きるは難し濃あぢさゐ  梅子

俎板の音にも夏の来てをりぬ  千代

羽虫すら潰せぬ指よ沖縄忌  佳代

ががんぼや系図に探す我が名前  勝彦

打水の呼ぶ水の風風の神  爽見

薫風を待たせて潜る躙り口  方城

水郷は雨こそよけれ濃紫陽花  みどり

句に学ぶ余生でありぬ蝸牛  みどり

六月の富士海の上雲の中  清次

水無月の有りと老舗や梅雨晴間  啓子

草を取る庭に奥行もどりけり  翠

山里の暮色のけぶる合歓の花  朋子

それぞれに生きて集ひし盆踊  たまき

   俳誌嵯峨野 十二月号(通巻第629号)より 

 

 

 

 

  

 

 

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十一月の詩(千光寺)

2023年10月31日 16時35分41秒 | 夏の俳句

    湖北の百合園 三浦武弘

      千光寺

小倉山みどりに映へて川の音  惟之

葉隠や戸無瀬の滝のほそぼそと

緑蔭や大悲閣道ひと疎ら

保津川の緑蔭上る渡し舟

万緑へ鐘の一打や千光寺

  誌上句会 兼題「星月夜」

特選

アンデスに国境は無し星月夜  光央

信号の無き湯の街や星月夜  惟之

アイガーの北壁くらし星月夜  つとむ

ベドウィンの野営のテント星月夜  清次

無言館鉄扉の重し星月夜  泰山

星月夜自墳の水の音清し  安恵

秀作

星月夜午前二時なる屋根の上  治子

星月夜こころやさしくなりにけり  東音

バレエ教室の十周年や星月夜  加代子

テント場のリュックに座り星月夜  知恵子

老いと言ふ静けさにゐる星月夜  靜風

星月夜ジャズ流れ来る港町  鈴子

星月夜万葉仮名の母の文  翠

待つ人の下駄の音来る星月夜  珠子

蒙古船群がる沖や星月夜  まこと

山小屋に被さってくる星月夜  美代子

手を引かれ逃げる路地裏星月夜  富治

平和なる世なればこその星月夜  靖子

叡山の行者の道や星月夜  敏子

振り仰ぐふるさとの山星月夜  洋子

未だ少しこの世に未練星月夜  廣平

雨あとの山の端まで星月夜  三枝子

沖合の潮目定かや星月夜  藤子

雨戸繰る暫しを亡夫と星月夜  洋子

山小屋を出て一歩より星月夜  博光

入選

星月夜ドビッシイーのこぼれ落つ  ふみ女

両に寝て真夜のしづけさ星月夜  啓子

人影の明るき小路星月夜  信儀

星月夜夢の中でも逢えるかも  みどり

異郷とて母の呼ぶ声星月夜  謙治

表まで送られ仰ぐ星月夜  祐枝女

逝き人の笑顔の写真星月夜  博女

星月夜山に抱かれる盆地かな  文夫

賓客の無き月見楼星月夜  秀輔

親と子の星座探しや星月夜  秀子

小渕沢のペンション二階星月夜  歌蓮

星月夜はらからは南の前線に  三郎

島影の遠近見えて星月夜  紀久子

   やまびこ(九月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

日を水のごとくに湛え柿若葉  爽見

捨てきれぬものに埋もれて更衣  三枝子

百姓のまねして余生茄子を植う  秀子

米粒が星になる朝花南天  美和

まだ人手借りずに過ごし梅雨に入る  海男

万緑や長命といふ贈り物  梅子

母と子の母校は同じ桐の花  近子

源流に滴りといふ力かな  篤子

大声で泣く児の眩し子どもの日  桂子

宵宮や亡き妹とすれつがふ  雄彦

母の日や静かに崩すオムライス  幹男

   俳誌嵯峨野 十一月号(通巻628号)より

 

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美しい絵画作品集(第2集)

2023年10月18日 13時59分01秒 | その他

         湖面に写る海津大崎の桜(2020.4)

 三浦武弘さんの「私の絵画作品集」の第2集です。作品は2021年の増刷版ですが、いずれも光に満ちた三浦さん独自の筆遣いで、秀作ばかり。あとがきに寄れば「雪の金閣寺」「宝泉寺」の二作は、作者の苦楽の想いに筆を止められ、描き上げられたおりには、「有難く、感謝、感謝の人生で有りました。今後は命ある限り、私の大好きな絵画に挑戦し、続けたい。」と述べられています。ここにその作品集を掲示します。  

 夢に見た青いバラ (2019.8) 

  自宅に咲いたカンナ(2019.11)

 文化会館のしだれ桜 葉 (2020.4)

  文化会館のしだれ桜 (2020.4)

 芽吹きを待つメタセコイア並木 (2019.9)

 晩秋の尾瀬が原と至仏山(2020.4)

 西の湖のヨシ焼 (2020.4)     入選作品

 びわ湖のヨシ焼 (2020.5)

 私だけの滝の白糸  (2020.5)

 満月の夜桜  (2020.8)

   森のひざし (2020.10)   入選作品

  すやすやお休みなさい 2020.2

   いつか見た夕焼と菜の花

  竹林と紅葉の宝泉院 大津市美術展覧会 入選  (2020.4)

 満月に輝く雪の金閣寺 (2020.10)

 びわ湖にうろこ雲  (2021.7)

   怒り(薬師寺の仁王像) 草津美術展 入選(2021.9)

 湖北の夕焼け (2021,10)

  小川村の秋景はメルヘンチック 滋賀県美術展覧会 出展 (2021.11)

  迸る湖辺の桜よわが心   惟之  

  夢に見た青きバラとはピカソかな 

        カンナ炎ゆ熱き絵ごころ赤黄桃

  糸桜静かに揺れて子らの声

  芽吹き待つメタセコイアや比良比叡

  晩秋の尾瀬ヶ原なり至仏山

  蒲生野の野焼なりけり比良比叡

  白糸の滝のしぶきや曽我兄弟

  白樺と菜の花よぎり蓼科へ

  満開の桜月夜となりにけり

  緑なす森の日差しや夢うつつ

  夢うつつ愛猫眠る春の昼

  夕焼の空へ映りし大菜畑

  大原や紅葉麗し宝泉院

  満月に耀ふ雪の金閣寺

  うろこ雲広ごる湖や比良比叡

  炎暑かな阿形の口の大きかり

  夕焼に染まりし湖や竹生島

  小川村のメルヘンチック秋の景  

                           以上

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

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美しい絵画作品集(第1集)

2023年10月18日 13時57分24秒 | その他

            雨晴海岸に春が来た  (2019.5)

 友人の三浦武弘さんが絵画作品集を発行された。 ご本人の了解を得て、ここに紹介します。 「私の絵画作品集」として令和元年に第1集を創刊。 最初の16ページには絵の勉強にと色鉛筆から始められた2011年からの作品100点ばかりを紹介。 次いで2016年からの水彩画で展覧会に応募されるまでの作品46点。 この中に湖水会展に出展された懐かしい作品もあります。 「色の出し方が個性的で特徴があるといわれますが、私にはわかりません」とコメントされています。 2017年からのページは水墨画もあり、一段と個性的な素晴らしい作品32点。 そして、2019年からの展示会応募作品11点が紹介されています。 ここでは作品集の一部を掲載します。

「私に絵画の楽しみを与え、教えてくれた方々と、私をささえ、はげまし、多くの楽しい時間をくださった友人、家族、社員の皆さんに感謝をこめて・・・」序文より 

 靹の裏 (2015.7)

  小岩井農場の一本桜(2015.6)

  菜の花の咲く法隆寺 (2016.7)

  春の桃畑 (2015.6)

  春の大山 作風を変える (2015.8)

  自宅のカサブランカ (2015.9)

 冬の伊吹山(2015.12)

 雪の白川郷  (2015.12)

   春の磐梯山 (2016.1)

  愛犬豆助(2016.2)

 二匹の子猫(2016.2)

 荒れる東尋坊 (2018.3)

  眠る柴犬豆助(2016.3)

  上高地の絶景(2016.5)

  雄大な千枚田 (2016.4)

 流れ橋(2016.9)

 明神池への山道 (2018.3)

 幼き頃見た風景  (2018.5)

   叉平桜のしだれ桜  (2017.4)

  駒ヶ岳の雪景と桜 (2017.4)

  4色のボケの生け花(2018.12)

 絶景の百合園(2017.9)

 沖縄のハイビスカス(2017.6)

  白髭神社の日の出(2017.10)

 富士山(2017.10)

  堤防に立つ若者(2017.10)

 残雪の白馬連山(2017.11)

 アスパラとバラと赤い実 (2018.4)

  秋の乗鞍高原 まいめ池 (2018.5)

思い出 (2018.7月号)

     日の出の橋杭岩 (2018.9)

  立夏の白馬連山  (2019.4)

  びわ湖大津館(旧琵琶湖ホテル) (2019.5)

   色と光と音のSymphony (2019.5)

    初夏の針江、えり湖岸  (2019.5)

  平成最後の成人の日の風景 (2019.1)

  大津市松ヶ丘公園の菖蒲池  (2019.10)

  田上のたんぼ  (2020.5)

 小岩井の一本桜すがすがし     惟之

 菜の花や鐘鳴り渡る法隆寺

 幾重にも青い山あり桃畑

 父祖の地の伯耆大山さくら咲く

 氷柱垂る雪の白川郷寒し

 豆助も子猫もゐたり秋うらら

 槍ヶ岳登り懐かし上高地

 叉平のしだるる桜瀧ざくら

 秋彼岸湖の鳥居に日が昇る

 黄金満つ富士の麓や鶴わたる

 秋浅き橋杭岩の日の出かな

 蒼天や白馬連山夏に入る    

 田上の空ひろびろと植田かな

                            以上

 

   

        

 

  

                  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

  

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10月の詩(大津絵)

2023年09月30日 13時46分02秒 | 夏の俳句

           滋賀県立図書館 F6 水彩

      大津絵

 流鏑馬や近江神宮風走る  惟之

 初夏や夕陽の落つる厳島

 初夏や出町ふたばに列なして

 川の辺にパン屋オープン沙羅の花

 大津絵の鬼も傘持つ梅雨入かな

     誌上句会 兼題「土用干」

 特選

 土用干床の茶掛けに一礼す  安恵

 思い出の楽譜あれこれ虫払  靖子

 風入る被爆者名簿土用干  藤子

 師の本の赤丸あまたお風入れ  珠子

 戦災を免れし軸土用干  つとむ

 風入れの父の句集の匂ひかな  文夫

 秀作

 土用干の天井絵へと風流る  秀輔

 土用干ザックと並ぶ旅鞄  洋子  

 その中に小さき礼服土用干  美代子

 手際よき祖母の姿よ土用干  鈴子

 青春の匂ひただよふ曝書かな  敏子

 黒靴を黒きスーツを土用干  清次

 川風を入れ菩提寺の土用干  東音

 土用干喜怒の渦巻く文の束  謙治

 若き日の大河小説土用干  信義

 ふとよぎる母の匂ひや土用干  みどり

 風入れのインクの染みる背広かな  京子

 入選

 三尺の物差し動員土用干  啓子

 失恋の手紙しみじみ土用干  泰山

 畳紙に父の筆あと土用干  靜風

 土用干これは大事な父の本  賀代

 風入れは慣れと父は手伝ひに  稔

 姉の写真若きままなり土用干  紀久子 

 虫干や我が青春の黄ばむまま  まこと

 我が心虫干しせんと胸ひらく  惟之

 亡き父の褪せし書き込み土用干  秀子

 まだ籠る我が心身の土用干  翠

 土用干威儀を正して茶を喫す  三枝子

 土用干母の形見のっ古下着  博女

 部屋渡る風のうれしき土用干  洋子

 土用干短き児の世広げをり  廣平

  やまびこ(八月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 春風もまぜて畑のにぎり飯  喜美恵

 亀鳴くや親より永く生きてをり  紀久子

 山笑ふ野仏の手に五円玉  京子

 哲学の道はこべらの安らけし  優江

 亡き妻の香のふとよぎる暮春かな  爽見

 山山にものの芽盛り国動く  方城

 笑むやうに目鼻いれたし春の月  良精

 朝市の竹の子縄にくくられて  節子

 洗われて海の疵もつ桜貝  まこと

 桜しべ降るや千回目の素振り  文香

 水底の村の歴史を知る桜  彩子

   俳誌嵯峨野 十月号(通巻第637号)より  

 

 

 

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第19回湖水会水彩画作品展

2023年09月28日 17時11分06秒 | 展覧会

       エルムの森(北大)6号水彩 伯耆惟之

第19回湖水会水彩画作品展が大津市生涯学習センターで開催され、盛況の中、無事おわりました(9/20-9/24)。ご来場いただきました皆様に厚く御礼申しあげます。ここに出展されました作品を掲示してお礼に替えさせていただきます(順不同)。

   北国のエルムの森や風薫る  惟之

   クロアチア平和を祈る秋の塔

            春浅き午後の湖岸や比良比叡

   立ち並ぶ伊根の船屋や緑射す

   三点の緑の郷や日の光

   秋の夕保津川映えて明智越

   銀杏照る北山通り風流る

   ミシガンと空の滲みや秋の雲

   赤赤と皆を迎える秋桜

   深深と雪の安曇川空と湖

   冬空や白波寄せる針江浜

   枯すすき棚引く湖辺竹生島   

   満開の背割り桜や老桜 

   新緑の図書館描きふたむかし  

   ブランディ一気に飲みて赤ら顔(無季)     

     . 馬籠宿( 岐阜・中津川市) F6  太田厚子

     妻篭宿(岐阜・中津川市) F6  太田厚子

 聖エウファミア教会の鐘楼(クロアチア・ロビー二)F4 北川清房

       曼殊沙華 F4 北川清房

           春浅き午後(守山市)  F9  相根滿誼

  雪の日の船溜り(’大津市・膳所湖岸)      F9     相根滿誼

        静寂(大津・円満院)F6  佐藤 武

      八幡堀の秋(近江八幡) F6  佐藤 武

      船屋(京都・伊根町) F6  佐藤 武

        緑の郷A(守山)  F4   清水ちよ

      緑の郷B(守山)  F4  清水ちよ

           キャラバンシューズ F6  寺西千賀子

   夕映え(亀岡) F8 寺西千賀子

  

    ミシガン(琵琶湖・柳が埼) F4  高橋忠治

  秋の北山通り(京都・松ヶ崎) 高橋忠英

  柏葉あじさい F8 長井房子

  コスモス他 F8 長井房子

  雪の安曇川河口(高島市) F6  中村忠治

  白波寄せる(新旭 針江浜) F6  中村忠治

 きらめく湖面(湖北みずどりステーション)F6 中村忠治

        満開の背割桜(京都・八幡) F6  伯耆惟之

 

    銀秋の頃(八幡彫) F9 相根滿のぶ

       狂気 F4 山崎 清

         変態 F4 山崎 清

        秘める  F4  山崎 清

        新緑の県立図書館 F6 伯耆惟之

         浮見堂 F6 寺西千賀子 

 日本生命ビル(京都・三条通り)F4 高橋忠英

          仰木の里(大津市) F6 太田厚子 

             会場風景

 

  

    

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九月の詩(朧月)

2023年08月31日 16時02分39秒 | 低山ハイキング

       

           

           赤いドック’(家島)水彩 40号  

      朧月

 朧月作者不明のいろは歌  惟之

 朝ドラに映りし孫や花水木

 鐘楼へ一尺伸びて松の芯

 藷植ゑて夢膨らます八十路かな

 薫風や朱の橋渡りあぶり餅

     誌上句会 兼題「蟻」

 特選

 蟻の列シルクロードへ続きをり  美代子

 一匹の蟻出て蟻の道となる  清次

 蟻踏みし子を叱りたる日の憂ひ  治子

 良く晴れて蟻の入り来る野点席  安惠

 札所道しばらく蟻に続きけり  東音

 蟻よ蟻おれの午睡を妨ぐな  博光

 秀作

 蟻つぶし極悪人を自認せり  廣平

 一瞬の迷ひ蟻にも在るらしき  洋子

 一匹の大蟻走る会議室  珠子

 いづくより来しか蟻んこ文机に  靖子

 蔵屋敷土塀に圧して蟻の穴  みどり

 次次と蟻現れる部屋の隅  鈴子

 道すがら芭蕉の句碑あり蟻の道  惟之

 花に水あげて黒蟻流れゆく  文夫

 列逸れて呼ばれし如く蟻走る  和男

 昆虫の亡骸かかげ蟻の列  信義

 木漏れ日の寺門くぐる蟻の列  翠

 蟻逢うて挨拶かはし右左  つとむ

 入選

 蟻の声聞かんと這へど無言かな  秀穂

 日に背を向けて弁当に大蟻来  啓子

 蟻の道乱す一掘土匂ふ  靜風

 拡大鏡持ちて捜すや蟻の道  博女

 隠元豆の花の虜よ今朝の蟻  稔

 パン屑を担ぐ黒蟻夕日影  藤子

 澄んでゐる者みあたらぬ蟻の道  まこと

 放牧期近し山蟻柵昇る  篤子

 山蟻の何処が先やら後ろやら  紀久子

 蟻往き来き何を伝へて何を聞き  三枝子

 玄関の前で遠慮の蟻二匹  謙治

 現生や蟻がひきずる己が影  泰山

 列はずれ二匹の蟻の迷ひけり  敏子

 為政者よ蟻一匹の声いかん  秀子

 朝日さす庭の飛石蟻走る  洋子

 蟻と蟻出会ひて挨拶列乱れ  祐枝女

     やまびこ(七月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 黒髪をゴムで束ねて卒業す  優江

 紙風船言えぬ言葉を吹き入れて  優江

 蛙鳴く私の妻を呼ぶ如く  海男

 老人と老犬と春眠し  隆を

 マフラーの中なら好きと言へるのに  方城

 母逝きし後のしづけさ春の雨  鈴子

 春愁やおもての我とうらのわれ  爽見

 美しき四万十川や上り鮎  海男

 成すことの在りて幸せ豆の花  梅子

 わが名ある植樹の桜十二歳  博女

 未だ持てる冥土の土産春の旅  方城

 池の面の風が舵とる花筏  みどり

 和菓子屋に新作春兆す  邦弘

 それぞれに唱和語るや春炬燵  正弘

 ここからは神の域なり梅真白  真弓

 沓の音夜気に響かせ修二会かな  定慧

 おくれ毛に手をやる舞妓初桜  彩子

    俳誌嵯峨野 九月号(通巻626号)より

 

 

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八月の詩(豆の花)

2023年07月30日 16時23分56秒 | 春の俳句

  

           エルムの森(北海道大学)六号水彩

      豆の花

乗り過ごしべそをかく子や豆の花  惟之

多羅葉に一文字書けば胡蝶くる

花びらの流るる疏水船溜り

乗船の客の声ゆく花の下

里山の遺跡を囲む花菜かな

    誌上句会 兼題「風薫る」

特選

北国のエルムの森や風薫る  惟之

幼子のよちよち歩き風薫る  まこと

少年の清し一礼顔薫る  廣平

生き延びてまだ風薫る土手にあり  つとむ

母と来し摂津の湯宿風薫る  鈴子

風薫る島へ渡船のいろは丸  京子

秀作

入魂の地鎮の御鍬風薫る  三枝子

風薫る若き家族のユータウン  秀子

薫風や牧場の馬の息かかる  みどり

風薫る北の大地の樺並木  泰山

薫風やマスクはづして存分に  靖子

山並を田の面にうつし風薫る  祐枝女

検査結果よしと言われて風かおる  万智子

風薫る瀬戸の島島遠近に  紀久子

生徒らの手話の賑はし風薫る  珠子

まほろばの奈良の水田や風薫る  治子

薫風に光たちゆく水面かな  東音

薫風や茶筅供養の焔立つ  安恵

風薫るベッドメイクをねんごろに  詔義

通園のラッピングバス風薫る  清次

薫る風開いてもみる日本書記  稔

茶室まで続く飛石風薫る  篤子

風薫る亡夫の旅せし日の遠し  靜風

薫風や石切りさんの大鳥居  知恵子

渾身の祈りは平和風薫る  翠

千体地蔵撫でて降りきし風薫る  博女

入選

風薫る昇仙峡のトテ馬車へ  秀輔

ありがたう下車のひと声風薫る  謙治

父と子の散歩の話風薫る  加代子

風薫る旧街道の酒まんぢゅう  藤子

疏水路に賑わふ鳥語風薫る  洋子

五重の塔上り開扉風薫る  啓子

ヘルメットよりの黒髪風薫る  美代子

風薫る幼今日からトーシューズ  信義

風薫る市電の走る海の街  文夫

風薫る小江戸巡りのレトロバス  和男

風薫る水場のコイン光らせて  洋子

しとやかな巫女の仕草や風薫る  敏子

風薫る雄三通りのカフェテラス  京子

薫風の中の寺町一人旅  博光

風薫る日日好日でありにけり  美智子

風薫る北山杉の参道に  三郎

    やまびこ(六月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

早春の日差しをすくふオールかな  勝彦

菜の花に巨船ゅったり浮き沈み  京子

うちの子になる運命の子猫かな  布美子

薄氷や朝日をのせて岸離れ  東音

光曳く鳥や二月の多摩川原  東音

水取を愛し逝きたる夫弘斎  和子

頑健な奴から逝きぬ梅真白  爽見

年波は通奏低音春を待つ  圧知

物差しでいのち計れず寒明ける  近子

待春の空蹴り上げて逆上がり  篤子

一握りに春光はしる小鮒釣り  みどり

玄関に友のステッキ春を待つ  悦子

節分や隣家も鬼のきてるらし  秀子

夫掻いたあとを少しの雪箒  恒子

    俳誌嵯峨野 八月号(通巻第625号)より

 

 

  

 

 

 

 

 

 

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七月の詩(春一番)

2023年06月30日 13時49分26秒 | 春の俳句

        猿飛佐助のふる里 三雲城址 八畳岩(甲賀市三雲)

         (落ちそうで落ちない受験生のホットスポット)

      春一番

春一番続日本紀の読めぬ文字  惟之

手の平に独楽を廻して梅まつり

子が呉れし御守り札やつくづくし

卒園を祝ふ花束赤白黄

桜咲く疏水に母子地蔵かな

     誌上句会 兼題「シャボン玉」

特選  

人生は短し長しシャボン玉  信義

転校地の小さき庭やシャボン玉  知恵子

シャボン玉とどけ空までも  珠子

犬が逝き猫また逝きてシャボン玉  苗子

子の丈に屈みて吹けるしゃぼん玉  三枝子

大空へ声もはじけてシャボン玉  靖子

秀作

ふはふはと濁世に吹けるシャボン玉  鈴子

シャボン玉幼きままの友思ふ  靜風

清水の舞台で飛ばすシャボン玉  惟之

シャボン玉紅を包みてとばしけり  京子

憂きとばそシャボン玉とばそ空までも  みどり

日を弾き風にはじかるシャボン玉  和男

海の色空の色へとシャボン玉  稔

妹は六歳違ひやシャボン玉  安恵

跳ねる子に歌ふ子泣く子シャボン玉  東音

庭先に猫も加はりシャボン玉  洋子

シャボン玉色極まつて弾けけり  まこと

その中に映る子弾けシャボン玉  洋子

シャボン玉吹いて笑ふ子二歳の子  加代子

しゃぼん玉風に吹く子と駆け出す子  清次

シャボン玉同士がふれて消えにけり  美代子

シャンボン玉小さな願空に向け  美智子

入選

過ぎし日の浮かぶ煌めきシャボン玉  謙治

幼子の顔ふくらんでシャボン玉  文夫

ふつくらと未来託す子シャボン玉  啓子

シャボン玉遠き日のこと父母の顔  肇

シャボン玉飛べ飛べ遠くドローンまで  智代

無患子の水溶液のシャボン玉  秀輔

遠き日や液手つくりのシャボン玉  敏子

大中小どの子も笑顔シャボン玉  秀子

兄ちゃんの吹くシャボン玉追ひかけて  泰山

日盛りのストロー苦しむシャボン玉  博光

一つだけ高くあがつたシャボン玉  佑枝女

しゃぼん玉天に昇りて手を振りぬ  博女

シャボン玉追い駆ける子を母追ひて  紀久子

流れつつ色を変えけりシャボン玉  篤子

いつの日かこの夢宇宙シャボン玉  廣平

道化師の空掬ふ大シャボン玉  三郎

亡き人を偲びひと吹きシャボン玉  恵子

選者

残したるしやぼん玉吹く夕べかな  優江

     やまびこ(五月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

みちのくに不老不死の湯雁供養  怜

一病と和して戦ひ去年今年  爽見

蒼天へ透く蝋梅の香りけり  咲久子

霜柱踏むや地球の窪む音  征子

天井も床も明るき初仕事  優江

恵方へと一歩踏み出す母の杖  鈴枝

参道のこの真つ直ぐな寒さかな  勝彦

初旅の車窓に富士のはみ出しぬ  勢津子

七草や妻の真白き割烹着  怜

実朝の札は取りたき歌歌留多  仙命

獅子舞の口にやさしき目が覗く  清次

冬菊や美しきまま母逝きぬ  鈴子

一病を持ちて息災去年今年  ゆふし

多忙なる日ぞ懐かしき去年今年  秀子

痩せてなお心和ます雪だるま  睦美

くわりんとうみたいな字やね悴むて  節

ゆでたまごつるんと剥けて寒明ける  喜美江

雨音を集むる八つ手春兆す  征子

歌かるた子の指先に魔物ゐて  幸子

    俳誌嵯峨野 七月号(通巻第624号)より

   

 

  

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