(現在「ないない島通信」から昔の記事を移している最中です。「ないない島通信」は休刊しました。今回は2018年2月11日の記事を紹介します。)
Amazonプライムで何気なく見た映画「トライアングル」が面白かったので紹介します。
(クリストファー・スミス監督 2009年)
どちらかというとB級ホラー&サスペンスの類なのだけど、これが実によく練られたストーリーで、中盤あたりからもう目が離せなくなります。
6人の男女がヨットでセーリングに出るのですが途中嵐にあい、ヨットは転覆。ひっくり返ったヨットの上で彼らは救助を待ちます。
するとそこへ豪華客船が現れ、やれやれ助かったと彼らは船に乗り込むのですが、この船には人の影が全くない。
しかも、どんどん不気味な様相を呈してくるあたり、本当に怖い。
どうやら、船には殺人鬼がいるらしい。
銃声が聞こえ、一人ずつ殺されていき・・
というのが大体のストーリーなのですが、
いろんな伏線や暗喩がちりばめられていて、どうやら主人公の女性ジェスの不安定な心理がストーリー全体に投影されているらしいことに気づき始めます。
この話はリアルなのか、それとも彼女の妄想なのか・・
そして、最後に、物語の全体像が見えてきたとき、彼女の哀しい現実と驚愕の事実が語られる、という仕掛け。
よくこんなの考えたよね、というのが私の率直な感想です。
しかも、見終えて心にずしりと残るものがある。実に見事です。
これは、母親になった女性には必ず心当たりのある感覚で、
ジェスの哀れさが涙を誘います。
ちなみに、このジェス役の女優は、「イン・トリートメント」のシーズン1でローラを演じた人(メリッサ・ジョージ)でした。なんか見たことあるなあと思っていたら、そうか、ローラだったのね、と思いあたりました。
こういう発見も楽しいです。
B級だけど見応えある映画でした。ホラー&サスペンスが好きな方はぜひ。