雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

髭彦閑話46「ふるさと福島の原発危機」⑧

2011-04-24 22:35:21 | 髭彦閑話

4月14日(木)

(0:01)
相馬野馬追は、会場が避難指示区域にも入っているし、到底ムリだと思っていました。
原発危機の進行状況にもよるでしょうが、開催できればうれしいですね。
祖母のも含めて、姉が聞いた<オーラルヒストリー>はぜひ記録して置いてください。

(0:06)
setuさん。
埴谷島尾記念文学資料館は流されてしまったのですか。
残念です。
長く小高郵便局だった祖母の実家の土蔵も、地震で崩壊してしまったそうです。

(10:48)
元原子力学会会長らのきわめて重要な「建言」(3/30)の全文と、それが出された背景

(19:33)
フクシマの核にまみれしふるさとに今を盛りと花の咲くらむ

フクシマが世界に記憶さるる日の来るぞ悲しきわが故郷よ

                 *

ウワサの斉藤和義「ずっと嘘だった」をやっと聴いて、感動した。
これはホンモノだと思う。
日本の若者よ、斉藤和義に続いてほしい。


4月15日(金)

(15:52)
晶子泣け馨の言ふを聞きて泣け原発推進謝らざると

直ちには顕るるなき災厄も時経るごとに核もたらさむ

(16:45)
今朝の日テレ「スッキリ」という番組で、一昨日の夜ノ森の満開の桜を映していたそうです。
見たかったような、見たくなかったような、複雑な思いです。
菅は「20キロ以内は10年か20年かは人が住めない」という発言をあわてて否定していますが、政府や東電の認識はそうなのでしょう。
それほど、事故と放射能汚染は深刻だということです。
しかも、事故はまだ進行形のまま。
避難している故郷の人たちは、むろん故郷に帰りたいわけですが、もうムリだろうという声も広がっているそうです。

(23:51)
「城南信用金庫が脱原発宣言〜理事長メッセージ」
巨大企業トップ孫正義に続き、中小企業東京<城南信用金庫>トップの感動的な<脱原発>宣言。10日の高円寺15000人の若者中心の<脱原発>デモ。明らかに地殻変動の兆し。

4月16日(土)

(11:25)
原発事故以前の責任もさることながら、事故が起きた直後にあなたがしたさらに愚かで傲慢な言動を反省し、責任を取るというのであれば、当面の道はたった一つしかありません。
もはや、あなたに原発問題を偉そうに発言をする資格などはまったくないのです。
本当に責任を感じて反省しているのであれば、いさぎよく評論活動をすべてやめるか、せめて専門外の原発問題での発言をいっさいやめることしかありません。
あの事故直後にあれだけ傲慢で愚かな発言をしたその舌の根が乾きもしないうちに、「原発事故に関する宣伝責任へのお詫び」だけならともかくも、「脱原発」にもならない「東京電力及び国への公開提案」などを、どうやったら偉そうに「開示」できるのですか。
その傲慢さと愚かさに、ホトホトあきれ果てます。
勝間和代「原発事故に関する宣伝責任へのお詫びと、東京電力及び国への公開提案の開示」(real-japan.org)への投稿>

(16:35)
そう言えば、僕もかつて『世界』1988年5月号の小出裕章論文を読んだのでした。
鋭い警告だとは思いましたが、どこかでまさかそこまで現実に起きるのだろうかという気持ちがあったように思います。
僕も高校時代、物理は苦手中の苦手でしたから。
小出さんたちのようなまじめな専門家・研究者の警告の声が、僕たちのような無知な国民の心に届くには、『世界』のような雑誌だけでなく、一般の新聞・TV・ラジオ・週刊誌などにそうした批判的な警告が常に載っていなければいけなかったのです。
それゆえに、官産学の<原子力ムラ><原子力マフィア>は権力と金で、そうした声が国民に届かぬよう、ありとあらゆる手段を系統的に使って排除し、「安全神話」で国民を洗脳してきたのでしょう。
今回、インターネットがあったからこそ、初めて小出さんたちの批判的分析が僕たちにダイレクトに届き、彼らの警告が悲劇的な現実の前では誇張でもなんでもなかったことが、ようやく広く国民の中に浸透し始めたのです。
政府からは未だに小出さんたちには何の相談もないそうですし、マスコミもNHKやサンケイなどは依然として小出さんたちの批判的分析を報道せず、原発推進派のエセ学者・専門家の分析を垂れ流し続けています。
したがって、高齢者の多くは「直ちに危険はありません」式の報道をまだ真に受けているかもしれませんが、若者たちの間ではそうは行きません。
ネット情報にも極端なものがゴマンとありますが、どういう専門家の分析が信用できるかという、情報リテラシーが若者たちの中に次第に育って来ていると思います。
そこに期待するしかありません。

(16:48)
setuさん。
遅すぎましたが、今こそ「脱原発」の声をためらうことなく、至るところで挙げましょう。
それ以外に、これ以上の取り返しのつかない悲劇が起こるのを防ぐ道はありません。
今回の悲劇を防ぐために何の役割を果たすこともできなかった一国民として、僕はそう思います。

(19:19)
文字とほり小鮒釣りしふるさとのひと絶え果てぬ核に追はれて


4月17日(日)

(22:57)
“nuke”をば「核」「原子力」と訳し分け洗ひ来りぬ吾らが脳を

(23:18)
“nuclear”を「核」(=軍事利用)と「原子力」(=平和利用)とに訳し分け、僕たちを洗脳してきた者たちがいるのですね。
その連中が国内で「原子力(核)村・マフィア」を形成してきたのでしょうが、その「村・マフィア」の背後にはアメリカをはじめとする国際的な「原子力(核)村・マフィア」もあるはずです。
<チェルノブイリ>に続く<フクシマ>の悲劇は、そうした国内外の「原子力(核)村・マフィア」に対する人類史的な抗議とオルタナティブ選択への、決定的な契機になりうるし、またならなければならないのだと思います。

(23:38)
佐平次さん。
故郷の「夜ノ森」「ヨノモリ」という響きがこれほど切なく響く日が現実に来るとは、正直なところ思っていませんでした。
親戚をはじめとする今現在そこに暮らしてきて、突然故郷の生活すべてを奪われた何千、何万の人々の不安、絶望、怒りなどを思うと、「安全神話」をふりまいてこの事態を招いた政官財学の「原子力村・マフィア」の犯罪を、絶対に許せないという思いの募る日々です。


4月18日(月)

(12:58)
現在、欧米では、日本で言う「核兵器」「核武装」「核テロ」などの「核」と「原発」の「原子力」は、ほぼ“nuclerar”“nuke”に統一されているようです。
日本ではこれが意図的に訳し分けられて来たと、どこかで指摘されていました。
その可能性、大だと思います。
<公式>には最近「東日本大震災」に呼称が統一されましたが、僕は「東日本原発大震災」と呼ぶべきだと思っています。
地震学者の石橋克彦さん(『大地動乱の時代―地震学者は警告する』岩波新書、1994)が「原発震災」という概念をいち早く提唱し、警告を発していたのを受けたものです。

(15:33)
setuさん。
今度こそ、人智を超えた核エネルギーの一切の利用を廃絶しない限りもはや人類の将来はありえないことを、決して忘れないようにしましょう。
ネット情報を通じて若い人たちの中に、そうした覚醒が急速に広がっているように見えます。
マスコミも『毎日』がやっと、「脱原発」と「浜岡原発運転中止」の路線を明確にし始めました。
地震だけでなく、日本社会の深いところでも地殻変動が起こり始めたような気がしています。
唯一の希望をそこに求めたいと思います。
であればこそ、菅首相も自己保身を考え、ようやく原発推進路線の白紙化を言い出したのでしょう。
こういう輩の思惑を超えて、歴史が進んでいくことを願うばかりです。

(15:46)
なみへいさん。
僕も同罪です。
原発推進に賛成したことも共感したことも一度もありませんが、かといってそれを脱するための行動は、社会科の授業で生徒たちに問題提起をして考えるきっかけを多少提供した以外には、何もせず、日常生活においては福島の原発から送られてくる電気で生活をエンジョイしてきたのです。
時に故・高木仁三郎さんの本を読めば、そうだその通りだとは思いつつ、どこかでまさか現実にはなるまいと、やっぱり「安全神話」に洗脳されてしまっていた自分がいました。
遅すぎましたが、もう二度と騙されません。
自分のできる範囲で、『脱核エネルギー』の実現のために努力をし続けたいと思っています。
ありがとうございました。

(15:52)
心から愉しまぬもの胸奥に抱へ訪ひけり古都の春をば


4月19日(火)

(12:31)
をさな児と若き人らの育ちゆくいのちに核の日々に降りつむ

(16:47)
「東電は3月30日、福島第一原発の7、8号機の新設を保安院に申請。保安院に聞くと、11日の事故を考慮していないので、作り直せと指示し、受理しなかったとのこと。事故があってもそのまま書類を出す東電も東電。保安院は作り直せではなく、作るなと言うべき」(社民党福島みずほのtwitter4/15)。
正論でしょう。
東電は度し難いし、保安院も「不」安院と言われるだけの相も変わらぬ応対振りです。

(21:52)
地方を犠牲にした日本の経済発展の最も大きな歪の耕造が、原発立地・行政にあったということですね。
交付金が打ち切られ、固定資産税も激減し、作ったハコモノの維持費で赤字に転落し、そこにつけ込まれて計画されたのが、7・8号機の新設だったはずです。
「大野の病院」と「オフサイトセンター」、「双葉病院」との関係は、ぜひ記録して置いてください。

(22:01)
おおまつさん、こんばんは。
“nuke it.”ですか。
日本だけの問題ではありませんね。
おおまつさんも好きなアーサー・ビナードさんの詩集やエッセイを最近ずいぶん読んでいましたが、ぜひ彼に今度の原発大震災がらみで書いてもらいたいような表現ですね。



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2 コメント

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Unknown (旅人)
2011-05-17 02:02:15
こんばんは。昨日NHK教育テレビで原発から避難した人の生活のドキュメント番組を見ました。
マスコミは今まで、4号機の爆発も報道しませんでしたし、あまり信頼が置けないと感じています。
そんな中で昨日の番組は、極めてまともに避難のつら理不尽さを映していました。

下記は番組の最後でペットの犬を置いてくる飼い主のつらい様子が映っています。
まさか日本でこんなことが起こるなんて・・・

http://www.youtube.com/watch?v=stDYKdPUqtY
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僕も見ました (髭彦)
2011-05-17 21:39:02
この一昨夜のNHK・ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」もそうでしたが、昨日の『毎日新聞』山田孝男編集委員のコラム「風知草:原発に頼らぬ幸福」http://p.tl/j_Cvも、瀕死の日本ジャーナリズムに再生の兆しを感じさせる鋭い内容で、共に感動的でした。
暗澹たる現実ですが、それに立ち向かうための情報として貴重です。
心からのエールを送りたいと思いました。
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