夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

新聞は駄洒落よりも真実に真剣になれ

2009年07月27日 | 言葉
 朝のニュースワイドショーで、面白い新聞の見出しを紹介した。東京・銀座のからすに異変が起きていると言う。
 ミツバチ 苦手カァ
 これに対して、漫画家でコメンテーターの石坂啓さんが苦情を述べた。犬なら「なんとかワン」、猫なら「なんとかニャー」などと言うのは動物に対して失礼だと。本当に、あまりにもお手軽でお決まりのジョーク、いや「冗句」としか言えない。「冗」は「冗談」の「冗」ではなく、「冗漫」の「冗」である。
 司会者はそれが記者の見せ所でもある、と言うような事を言った。正確な引用ではないが、私はああ、何と情けない事を、と暗澹たる思いがした。
 確かに新聞は何とかジョークを飛ばそうと真剣になっているような気がする。一瞬、あはは、と笑ってしまうのだが、すぐに馬鹿馬鹿しい、と思ってしまう。これって、人気番組「笑点」の木久扇師匠の駄洒落とどっこいどっこいである。観客からは先に言われて、きのうなどは、司会者がそんなのを褒めるな、と客に文句を言ったりもしていた。

 テレビは常にそうだが、何とか面白おかしく事実を報道しようとする。それと同じ事を新聞もしている。民放テレビは無料だからそれでも良いが、新聞は有料である。我々は真剣に新聞を読もうとしているのに、それを冗談で飾る。何か勘違いをしちゃあいませんか?
 冗談に頭を捻るひまがあるなら、もっと真剣に正しく分かり易い記事を書く事に徹するべきだと思う。私はしつこい性格もあるが、しょっちゅう、分かりにくく曖昧な記事に憤慨をしている。

 石坂啓さんだが、私は彼女の出過ぎない、しかも気取らない意見が好きだ。でもニュースワイドショーその物が好きではないから、あまり見る機会が無い。何で見たのかと言うと、7時53分くらいからの星座占いが好きで見ている。その続きで石坂さんとほんのわずかお会い出来ると言う訳だ。ただ、この占いが日によって時刻が微妙に違う。そんな事が気になるのは、実はその直前は別の局の「きょうのわんこ」を見ているからだ。わずか1分ほどの番組だが、日替わりで毎日楽しい犬が登場する。
 終わると大急ぎで星座占いに変えるのだが、私の生まれ月が終わってしまっている時がしばしばある。こんな物くらい、きちんと時刻を決めて放送出来ないのか、と思う。だらだらと同じ番組を見ている限りは問題が無い。
 そして最後に「わんこ」の局で同じような星座占いを見る。同じような星座占いなのにほとんどの場合、両者は極端に違う。で、星座占いとはこんなもんなんだ、と分かるのだが、馬鹿な私は結構真剣になって見てしまう。

 ニュースワイドショーを好きではないのは、「ショー」だからである。「わんこ」の局は若い女性が対象になっているらしいので問題外だし、それにその司会者の話し方が非常に分かりにくい。抑揚があり過ぎて、分かるのは半分ほどしか無い。どうせたいした事は言っていないのだろうが、それでも聞き取れない話に耳を傾ける気力は私は持っていない。
 新聞記事の紹介をテレビですると言うのも、あまりにも芸が無さ過ぎるんじゃないだろうか。他人のネタの横取りにしか思えない。まあ、新聞を見る時間の無い人へのサービスなのかも知れないが、テレビを見る時間があるなら新聞だって読めるはずだ。それにそんなわずかな時間で得た情報にどれほどの意味があるのだろうか。
 あれあれ、新聞についての話だったはずなのに、いつの間にかテレビになっている。そう、どっちもどっちなのである。新聞とテレビはほとんどの場合に同じ資本系列なのだから当たり前と言えば当たり前か。