「臭い」と「臭い」
同じ言葉じゃないか、と言っては駄目です。これは「におい」と「くさい」と読みます。もちろん、「くさい」と「におい」でも良いのですが。
どちらも同じでは混乱するので、常用漢字では「臭い=くさい」だけが認められていて、「におい」は仮名書きになっている。でもそれなら、「脅かす」と「脅かす」はどうなんだ、と文句の一つも言いたくなるが、言ってもどうにもならない。これは「おどかす」「おびやかす」である。せめて「脅やかす」とでもすれば良いのに、と思う。どっちにしろ、日本人が勝手に付けた訓読みなんだから。
「臭い」が「くさい」でも「におい」でもある事からも分かるように、この「におい」はどうも悪臭である。そこで、良い「におい」の場合は「匂い」の文字を日本人が作り出した。でも、「におい」などと言わずに「かおり」と言えば良いのである。「変なにおいがする」「良いかおりがする」と言うように。
常用では認められていない「臭い=におい」だが、「自」は鼻である。では「大」は何か。実は何の意味も無い。本当は「大」ではなく「犬」なのだから。それを馬鹿な役人が「犬」を「大」と変えてしまった。たったの点一つ節約して何の得があるか。
「臭」は犬の鼻だからこそ、成り立っている。犬は人間の1万倍もの臭覚を持っていると言う。それは警察犬の活躍などでお馴染みになっている。我が家でも本当に手を焼いている。犬の好きそうな物だからと、高い、犬には見えない所に隠してあるのに、背伸びをして取ろうとする。跳び上がってまで取る。
そんな鋭敏な犬の臭覚を使って「臭い=くさい」とするのは、私にははなはだ不本意なのだが、仮名書きよりは分かり易いので使うしかない。世の中には仮名書きの大好きな人間が大勢いるが、どうして分かりにくくしてまで仮名書きにこだわるのか、不思議で仕方がない。
母親が娘に言った。
「お前、だいぶ使ったね」
弟が聞いた。
「お母さん、姉さん、大仏買ったの?」
これは笑い話だが、仮名書きにしたらこうなる。そうした事を仮名書き論者はまるで考えようともしない。馬鹿の一つ覚えみたいに、和語は仮名書きにせよ、と主張する。この話は長くなるので、また別の時に続きを展開する。
「犬の鼻」だが、私は犬の体の中で、この鼻が一番好きなのだ。ただし、冷たく濡れている場合に限るが。その冷たい濡れた鼻をこすりつけられると、もう、本当に「カイカン!」と叫びたくなるほどにうっとりとしてしまう。だから触る時にもどうしても鼻になってしまう。人によっては肉球が大好きだ、と言うが、肉球はどんどん硬くなってしまうから、柔らかく気持が良いのは子犬の時に限られてしまう。
その点、鼻はいつまでも変わらない。でもあまり触るのは避けている。と言うのは、犬の鼻が濡れているのは、それでにおいに敏感になれる、と読んだからだ。乾いていると臭覚が落ちるらしい。で、あまり触って乾いてしまっては可哀想だから、ほどほどにしているのである。
ああっ、駄目だ、冷たい鼻で足をくすぐるのは。
同じ言葉じゃないか、と言っては駄目です。これは「におい」と「くさい」と読みます。もちろん、「くさい」と「におい」でも良いのですが。
どちらも同じでは混乱するので、常用漢字では「臭い=くさい」だけが認められていて、「におい」は仮名書きになっている。でもそれなら、「脅かす」と「脅かす」はどうなんだ、と文句の一つも言いたくなるが、言ってもどうにもならない。これは「おどかす」「おびやかす」である。せめて「脅やかす」とでもすれば良いのに、と思う。どっちにしろ、日本人が勝手に付けた訓読みなんだから。
「臭い」が「くさい」でも「におい」でもある事からも分かるように、この「におい」はどうも悪臭である。そこで、良い「におい」の場合は「匂い」の文字を日本人が作り出した。でも、「におい」などと言わずに「かおり」と言えば良いのである。「変なにおいがする」「良いかおりがする」と言うように。
常用では認められていない「臭い=におい」だが、「自」は鼻である。では「大」は何か。実は何の意味も無い。本当は「大」ではなく「犬」なのだから。それを馬鹿な役人が「犬」を「大」と変えてしまった。たったの点一つ節約して何の得があるか。
「臭」は犬の鼻だからこそ、成り立っている。犬は人間の1万倍もの臭覚を持っていると言う。それは警察犬の活躍などでお馴染みになっている。我が家でも本当に手を焼いている。犬の好きそうな物だからと、高い、犬には見えない所に隠してあるのに、背伸びをして取ろうとする。跳び上がってまで取る。
そんな鋭敏な犬の臭覚を使って「臭い=くさい」とするのは、私にははなはだ不本意なのだが、仮名書きよりは分かり易いので使うしかない。世の中には仮名書きの大好きな人間が大勢いるが、どうして分かりにくくしてまで仮名書きにこだわるのか、不思議で仕方がない。
母親が娘に言った。
「お前、だいぶ使ったね」
弟が聞いた。
「お母さん、姉さん、大仏買ったの?」
これは笑い話だが、仮名書きにしたらこうなる。そうした事を仮名書き論者はまるで考えようともしない。馬鹿の一つ覚えみたいに、和語は仮名書きにせよ、と主張する。この話は長くなるので、また別の時に続きを展開する。
「犬の鼻」だが、私は犬の体の中で、この鼻が一番好きなのだ。ただし、冷たく濡れている場合に限るが。その冷たい濡れた鼻をこすりつけられると、もう、本当に「カイカン!」と叫びたくなるほどにうっとりとしてしまう。だから触る時にもどうしても鼻になってしまう。人によっては肉球が大好きだ、と言うが、肉球はどんどん硬くなってしまうから、柔らかく気持が良いのは子犬の時に限られてしまう。
その点、鼻はいつまでも変わらない。でもあまり触るのは避けている。と言うのは、犬の鼻が濡れているのは、それでにおいに敏感になれる、と読んだからだ。乾いていると臭覚が落ちるらしい。で、あまり触って乾いてしまっては可哀想だから、ほどほどにしているのである。
ああっ、駄目だ、冷たい鼻で足をくすぐるのは。