夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

高速の料金値下げで騙されるな

2009年07月05日 | 社会問題
 高速道路の料金値下げで瀬戸内のフェリーが苦境に立っているとの報道は少し前にあった。それを東京新聞が今日の「こちら特報部」で採り上げた。
 大見出しが「政治の犠牲になった」。
 三つの中見出しが、
 高速1000円じゃ、経費いくら削っても赤字。
 車に乗らない高齢者「なきゃ困る」。
 橋の代替ルート 防災面からも必要。

 これで現状はよく分かる。
 そもそも高速料金の引き下げは景気回復が目的だったはず。そしてその値下げによる減収分は5千億円の国費で補填される。それは我々の税金だ。
 太刀打ち出来なくなったフェリー会社への国の支援はわずか45億円だ。高速料金への支援のわずかに0・9%に過ぎない。記事は「すずめの涙」と書いているが、すずめの涙でももう少しましだ。
 先には定額給付金と言う小手先の技で国民を騙した。あれも我々の税金である。取り上げた税金をほんのわずか、みみずの涙ほど返して政権の人気取りを図った。同じ事を今度は高速料金の引き下げでやろうとした。こちらは明確に犠牲者が出ている。
 東京では大震災に遭った場合、職場から家まで歩いて帰れるようにと考えた。そうした企画も行われた。基本は我々の手足である。車でどこでも好きな所に行けるのは大変素晴らしい事だ。だが、それは車に乗れない人や車を持てない人にきちんとその対策を図った上でやる事ではないのか。
 新聞がトヨタが新車の販売で予約が間に合わないほどの人気だとか、車産業に光が戻ったかのような報道をしているが、そんな馬鹿げた報道をして何になるのだろうか。車を手放す人が増えてやれやれと思っているのに、またぞろ車社会の復活かよ。
 JRは採算が悪い路線は平気で廃止する。あるいは市町村に押し付ける。だから車に頼らざるを得なくもなる。国が率先して弱い者いじめをしている。JRは黒字でウハウハ、政府は人気取りでウロウロ。

 こんな国嫌だー、と言ったって、日本語が通じて楽に暮らせる外国なんかありゃしない。アメリカ人はアメリカが嫌になったらカナダに移住すると言う事が出来る。イギリスに行ったっていい。あるいはオーストラリアやニュージーランドと言う選択肢もあるだろう。
 我々は日本でしか暮らせないんだから、その日本を良くする権利と義務がある。人の痛みなど分からない連中がのさばっているから、いつまで経っても良くはならない。高速道路の料金値下げとその補填は多分、道路族にも配慮しているだろう。今度の衆議院議員選挙では、是非とも庶民の痛みを分かる人だけを選出したいものだ。そうなると、与党も野党もがらっと顔ぶれが変わるはずだ。汚い、カネだけが目的の政治屋は要らない。