夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

中国産冷凍ギョーザは未解決だ

2009年01月06日 | Weblog
 昨年の一番怖かった事件は、とのアンケートで一位になったのが、農薬入りの中国製冷凍ギョーザ事件だった。東京・秋葉原の無差別殺傷事件よりも何よりも、世の人々が恐れたのが、中国製冷凍ギョーザだったのだ。そしてそれは未解決のままになっている。
 そして当時、冷凍食品の売れ行きはガタンと落ちた。私はぎょうざなんて簡単に作れるじゃないか、なんで自分で作ろうとしないのか、とブログに書いた。私は冷凍食品はほとんど使わない。冷凍庫に入っているのはアイスクリームと自分で冷凍したブロッコリーなどわずか。冷凍庫の機能を発揮していないので、もったいない事限りない。
 当時、多くの人々が敬遠した冷凍食品はどうも中国製だけとは限らなかったらしい。確かに便利だが、自分で作る方がずっと安くつくはずだ。そんな事も含めて、冷凍食品に頼るのは問題だ、と思った。主婦が共稼ぎで時間が無い。なぜ共稼ぎになるのか。そうした事を考え直すべき良い機会だと考えた。
 だが、人々は安易な事に飛び付く。あの問題が未解決だと言うのに、もう人々はあの恐怖を忘れたのか。一番怖かった事件だと多くの人々が指摘しているのにも拘わらず、事件後も冷凍食品を使うのをやめなかった人々と再び冷凍食品の使用に戻った人々を足すと、何と6割以上にもなる。
 怖かった、でも今はもう怖くない、と言うその理由は何なのか。
 私は単に忘れっぽいだけだと思っている。「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」のいろはかるたは、過去の物になったのか。

 冷凍食品以外でも、中国製品は嫌われている。スーパーなどでは中国産かどうかを真剣に確かめている主婦の姿を見掛ける。私もきちんと確認して中国製と書いてあれば、絶対に買わない。小豆あんの缶詰や袋詰めが欲しくて近所のスーパーを何軒か回った。だが、ことごとく小豆の原産国が中国となっている。やっと北海道産小豆使用、と書いてある製品が見付かった。
 評判の良い和菓子屋で自家製の粟餅を買った。たまたま買っている客と出会い、ここの粟餅は本当においしい、と言うので買ってみた。その粟餅で「ぜんざい」を作りたいのである。
 ところで、東京では「ぜんざい」は餅にどろりとした餡を掛けた物だが、関西では東京の「田舎汁粉」の事である。関西にはそもそも「汁粉」と言う言葉があるのか無いのか。国語辞典を引くと、非常に面白い事が分かる。数冊調べたのだが、どの辞書もほとんど同じ。「ぜんざい」には「関東では餅にどろりとした餡を掛けた物。関西では餡を溶かした汁に餅を入れた物」と書いてある。
 そして「汁粉」には「餡を溶かした汁に餅を入れた物」と書いてある。つまり、これは関東の汁粉の事だけしか説明をしていない。関西では「ぜんざい=関東の汁粉」なのだから、「汁粉」の言葉は関西には無いのだ、と言うのかも知れない。
 しかし「餡を溶かした汁に餅を入れた物」は、関東では「汁粉」であり、関西では「ぜんざい」なのだから、そうした説明をしなければ片手落ちになる。
 つまり、「汁粉」には「関東では餡を溶かした汁に餅を入れた物だが、関西ではこれを〈ぜんざい〉と呼ぶ」と言うような説明が必要ではないのか。これは関西には「汁粉」と言う言葉が存在するのかしないのかが分からなければ、多分説明が出来ないのかも知れない。
 では、関東で言う「御前汁粉=漉し餡の汁粉」は関西では存在しないのか。存在するなら、それは何と呼ぶのか。私はその答を知っているつもりである。
・関東の御前汁粉=関西の汁粉
・関東での田舎汁粉=関西のぜんざい
・関東でのぜんざい=関西の亀山

 東京では漉し餡の汁粉が一番好きだ、と言う人は少なくない。さらりとした上品さが受けている。そうした食べ物が関西に無いはずは無い。これだけ情報が行き渡っている時代である。おでんは関西にもあるし、たこ焼きは関東にもある。
 この事に関しては、関西の方からの御教示をお待ちしております。