壁際椿事の「あるくみるきく」

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『法格言ア・ラ・カルト』、出口から逆戻り

2011年05月24日 | 読書(文芸、フィクションほか)

『法格言ア・ラ・カルト』(柴田光蔵著)には、「裁判官は物言う法律である」という格言が紹介されています。

以前、ある弁護士の書かれた本で、「裁判は必ずしも正義が勝たない。裁判官は、まず心証で有罪か無罪かを決め、後から法律を当てはめる」ということを知り、驚いたのですが、このことを裏付ける記述がありました。

以下、引用。
「さらに驚きなのは、利益均衡や価値判断の結果である結論(勝訴、敗訴、量刑など)が、まず裁判官の胸中で決められ、その後に結論に対する理由付け(法的理論構成)が工夫されるという点である。(中略)迷路パズルの入口から入らず、出口から逆戻りするような<裁判官の>思考過程に違和感が生まれるのは当然であろう。
裁判官はめったに本心(ホンネ)を言ってくれないけれども、ときには突出する御仁もあって、「裁判は直感、直観だ」、「筋を読みとって裁く」とかの発言も漏れ伝わってくるから(後略)(引用終わり、<ヤマカッコ>は私の注)

「迷路パズルの出口から逆戻りするような思考過程」ですって。興味深い表現だと思います。「はじめに有罪ありき」。これじゃ冤罪が生まれるのもむべなるかな、ですね。


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