金属中毒

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プロポーズ小作戦15

2009-03-31 16:30:03 | コードギアス
プロポーズ小作戦15
さて、時間はまた少しさかのぼる。真に計画性のない入力者である。反省。

ジノ君の家庭教師編 語学の講座
ジノが天子に教えたのはまずはブリタリア古語。単に言葉だけを教えるのではなく、ダンスパーティや詩の朗読会、お茶会などの実際に使う場面を疑似体験させた。大画面の通信を使ってジェレミアやアーニャにも手伝わせている。話しているのは95パーセントまで天子だが、あのアーニャに返答させるだけでもたいしたものである。
ちなみに話題は恋愛である。星刻と出会った頃から、最近電話を止めてみた事まで、それにアーニャは「ふ―ん」とか「そう」とか答える。
そんなおしゃべりの途中でふと天子は訊いた。
「アーニャはジェレミアさんと一緒に暮らしているの?」
「そう」
「二人は運命の相手なの?」
「知らない」
「えっと運命の相手は好きな人のことよ」
「好き、それならそうなる」
「ジェレミアさんとアーニャは年が離れているの?」
「14」
アーニャの言葉は事実だけを淡々と答える。
この場合、その無機質さが天子を喜ばせた。
「私と星刻も11違うわ」
「そう」
「私が子供だからわからないと星刻は思っているのかしら。何も言ってくれないの」
「知らない」
「アーニャはジェレミアさんのことわかるの?」
「知らない」
アーニャが知っているのはジェレミアのわずかな部分だけだ。
「アーニャはジェレミアさんを好きでしょう。知りたくない?」
「記憶はあてにならない。ただ、好き」
アーニャのこの言葉は天子には難しかった。もっともそもそも天子とアーニャの会話は、好きの意味が確定していない時点で成立していない。
天子は考えた。自分は星刻を好きだ。そして星刻が自分に隠し事をしているのを悲しいと思う。でもアーニャはそう思わない?それでも好きと思えるの。アーニャは強いから?私も強くなれば星刻が何かを隠していても好きって言えるの?
そこへ野菜を籠に入れてジェレミアが入ってきた。
「アーニャはジェレミアさんに好きって言ったの?」
「言ってない」
「言うの?」
「言う」
アーニャは通信機の方をむいていたが、いきなり振り返った。
そこにはちょうど野菜を山盛りの籠を抱えたジェレミアがいた。
「ジェレミア、好き」

通信機の画面を野菜が踊った。ジェレミアが籠を落っことしたからだ。後ろで会話を聞いていたジノは叫びたくなった。
策士神楽耶のツンデレ作戦は、意外なところで恋愛フラグを立ち上げた。
中華とブリタニアには時差がある。あちらはもう夜だった。あの二人がオレンジの香りの中でどんな夜を迎えたのか。それはジノの視界の及ぶ範囲ではなかった。