今回がお初の文楽観劇。
邦楽の経験があり、文楽も観たことがあるという
母と連れ立って行ってまいりました。
国立文楽劇場のホールに入ると、座席こそ椅子ですが
天井は漆喰と格子のようなデザイン
ぐるりと下がった提灯に燭台。
和風だ~(←当たり前)
ちょうど私達の席のすぐ右手が
大夫・三味線の座る場所になっていまして
ここなら大迫力で聴けそうです。
この浄瑠璃を演奏する場所を「床」と言い
母いわく、忍者屋敷のからくりのように
回転式の盆に乗って大夫・三味線弾きが登場する仕組みということですが
既に座布団が6つくらい敷いてあるのは何故でしょう。
見台(けんだい:床本を置く台)も5つあるし…
浄瑠璃って、大夫・三味線各一名のペアでするのでは?
と思ったら、ぞろぞろぞろと大夫さんが登場。
(三味線の方は1人です。)
拍子木が響き、幕が開き
『とざい、とうざ~い~(東西、東西)』
という黒子さんの前口上で始まった文楽。
『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』の
初段、「小松原の段」です。
登場人物が出てきて、謎が解けました。
久我之助清舟、雛鳥、腰元2人、セリフのある脇役1人。
それぞれに1人ずつの大夫さんなのですね。なるほど~。
登場人物が舞台を去ると、その大夫さんも退いていきます。
オーケストラピットの楽団員みたい。
その後観ていくと、段によっては
登場人物が複数いても、大夫さんは1人でこなしていましたし
楽器も三味線だけではなく、お箏が加わったり
必ずしも、決まったパターンで行うわけではないらしい
という事がわかりました。
ちなみに床の「回り盆」の定員は2名までらしく、その後は
くるりと回転して登場・退場する様子も見られましたよ。
回転する度、見台が壁にひっかかったりしないだろうかと
真剣に心配して見入ってしまいました。
大夫さんの中には、時々見台を引き寄せる方もいらしたので
過去、そういうアクシデントがあった可能性は高いです。