「重役出勤」といったら日本では「定刻より遅れてゆっくり出勤すること」です。マクドナルドなどでの「なんちゃって管理職」に関する裁判がありましたが、判例でも「管理職の定義」の一つが「自分の勤務時間を自分で決定できること」だったはずです(逆に言えば、「重役出勤」をしたら「遅刻だ」と怒られる人は本当の「重役」ではない、ということ)。
しかし、トップダウンで組織を動かす人は「その日組織が何をするべきか」を、皆が出勤する“前”に決定しておく必要があります。もちろん前日とか半年前に決定しておく、でも良いですけれど、瞬発力が要求される業種の場合は「最新情報」に基づいておかないと、組織の仕事がその分遅滞します。情報をアップデートし、その評価と決定を“重役出勤”してきた人に決定してもらわなければならないのですから。だから真の「トップ」が行なう「重役出勤」は、社員が揃う“前”、つまり早朝出勤になるはず、というのが私の推定です。
【ただいま読書中】『一等三角点のすべて ──都道府県別図──』多摩雪雄 編、新ハイキング社、1986年、1600円
地図を作製する場合、まずは平地の基準点を2点決めて(A点とB点)その間の直線距離を正確に求めます。これが基線測量です。次に、その2点からなるべく正三角形に近い一点(C点)を定めて基線の両端からの角度と距離を求めます。これが三角測量。この最初のA・B・Cが一等三角点になります(距離は大体40~45km)。これを繰り返すことで全国を網羅して地図の骨格をつくり、次いで一等の間に二等~四等の三角点を細かく設定していって、最終的には等高線が細かく書かれた地図が完成する、という仕組みです。地図は一度できたら完成、ではありません。地殻変動などをチェックする必要がありますから、三角点は「測量法」で保護されています(壊したら、懲役または罰金です)。
一等三角点は最上部が18cm角高さ82cmの御影石(二等と三等は15cm角、四等は12cm角)で、重さは24貫(90kg)だそうです。山頂に担いで上がった人は大変だったでしょうね。
都道府県で一等三角点が一番たくさんあるのは北海道ですが(ダントツの224箇所)、一番少ないのは大阪の4箇所です。この一等三角点を結ぶと日本列島がきれいに三角形で覆われています。なお、三角点はふつう地面に深く埋めこんであってその先だけが出ているものですが、たまにビルの屋上に設置されている場合もあるそうです。本書には、東大図書館屋上とか、六甲山米軍レーダー基地内とか変わり種がいくつか紹介されています。
各都道府県ごとにその位置が図示されていますが、トップバッターは南千島諸島。今でもちゃんと保存されているんでしょうか?
ぱらぱらめくっていて、やはり気になるのは自分の出身県。地図を見ると、知らない山がやたらと多い、というか、登ったことがあるのは二つだけです。しかも、どちらでも三角点を見た覚えはありません。みなさんも、「三角点」をどのくらい見た経験があります?
「三角点のファン」というものもこの世には存在するそうで、日本中の三角点を尋ねて歩いたりするそうです。知力と体力の両方が要求される“趣味”のようですね。
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