【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

アメリカン・ドリーム

2015-05-13 07:50:44 | Weblog

 アメリカン・ドリームはまれにしか成功しないから多くの人にとっての「ドリーム」です。奇跡がまれにしか起きないから奇跡であるのと同様に。

【ただいま読書中】『メガ! ──巨大技術の現場へ、ゴー』成毛眞 著、新潮社、2015年、1400円(税別)

 著者が訪れる「現場」は、首都高の地下トンネル、新幹線総合指令所、大型LNG船を建造している造船所、東京ガスの世界最大のガスタンク、国家石油備蓄基地、などなど。そうそう、以前ここで読書した『紙つなげ!』の舞台の日本製紙石巻工場も登場します。
 面白いのは「巨大」と「精密」が同居していること。首都高の地下トンネルは、8.4km掘って誤差は数ミリです。新幹線のダイヤは15秒刻み。「巨大」は「アバウト」ではなくて「細部の積み重ね」で構成されているんですね。言われてみれば当然ですが。
 それと著者は「実際に自分の目で見ること」を勧めています。ネットが普及したから、自分の身の回り2.5mの範囲内でこの世のすべてがわかると思うのではなくて、実際に現場で「でかいもの」を体験すること、それは自分にとっても“大きい”と言うのです。この場合には、「百聞は一見にしかず」ではなくて「(モニターでの)百見は(実際の)一見にしかず」となるのでしょうか。