足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1731 ~ しばらく振りの玄倉 ~

2021年03月21日 | 昆虫

観察月日  2021.3. 14.晴 12℃

観察場所  山北町 玄倉

 「3月だと言うのに、クリアーだわ」とRさん。フロントガ

ラス越しに見える青空に、白い富士が抜け出て見える。

北風が強いのだろう。山頂に立つ雪雲が南に流れて

いる。

 西丹沢玄倉に立つと、足元からチョウが飛び立った。

一か月振りの時が流れると、景色も変わる。チョウを目

で追うと、枯れ野の一隅に止まった。長かった冬を成

虫で越した“テングチョウ”だ。羽をいっ杯に開き太陽から

来るエネルギーを吸収しているのだ。一瞬飛び立ち、今

度は路面に着地した。太陽光を蓄積したぬくもりを感じ

たのだろうか。

 林道に出ると、足元を目まぐるしく飛び回るシジミチョウ

に出会った。撮影出来なかったが、春先、年1回発生する

“コツバメ”のようだ。小さな地味な色のチョウだが、毎年

出会うと胸がドキドキする。

 坂が続く林道を登り切ると、今年も“タゴガエル”に出会

う事が出来た。春先、丹沢山中を始め山麓を歩いている

と、このカエルの産卵場所によく出会う。崖地の水の湧き

出す場所だが、グッ、グッ・・・を中心に変化のある声で,

オスは盛んに鳴くが姿が見えない。岩の割れ目や崖地の

穴の中に潜んでいる。卵は3㎜程、産卵数は100個程で、

幼生は卵黄だけで変態するという。学名は「田子氏のア

カガエル」の意味。両生類学者、田子勝弥氏に献名した

もの。

3月なのに、クリアーだ!

季節ごよみの1ページそのもの。

コンクリートのぬくもりが 欲しいのか。

コツバメ (20.3.25.宮が瀬林道で撮影。地面に止まると体を傾けるのが特徴)

タゴガエルの産卵場所。

タゴガエル 。

卵塊