足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1636 ~ 不動尻下見に ~

2019年05月05日 | 植物

観察月日  2019.4.13.晴 15℃

観察場所  厚木市 不動尻

今日は、ミドリのトラストの観察会の下見に、山の神川

沿う林道を不動尻まで歩いた。

今年は伊勢原市内で見ているソメイヨシノの開花が遅か

ったが、大山山麓の広沢寺ではそれが4~5分咲で早か

った。それから2週間余り、今日は満開で、その向うに新

緑の鐘ヶ岳が聳えている。以前からこの林道は歩いてい

るが、それは鐘が岳へではなく、大山三峰へ登るか、大

山の唐沢峠からの下山に通っていた。

一つ、二つ・・と数を指で示す様な、ホウノキの開葉の面

白さを横目に、花を付けたニガイチゴは、イングランド風

の庭園を造り、浸み出した泉にはルリシジミが集まって

いる。 

車止めのゲートを過ぎると、今まで目に付かなかったケ

マルバスミレの白い花の群落があり、ルーペで見ると花

の側弁に毛があり、ヒゲケマルバスミレなのだろうか。

トラストの観察会の目玉は、ハルユキノシタの白い花の

大群落に出会う事なので、今日はその状態を確かめよう

と、先を急いだ。

岩陰にカントウミヤマカタバミが白い花を開き、紅紫色の

エイザンスミレが微笑み、そして開花にジャストミートした

ヒナスミレの淡いピンクの花にカメラを向ける。

その時、渓谷から“チッチィ、ピルルル・・・・”と細かく、甲

高い囀りが聞こえた。縄張りを告げる ミソサザイの雄だ。

レンズを向けると、大きく開いた嘴、口の中の赤色が目に

飛び込んで来た。

サクラが 満開だ。その向うに鐘が岳が。

ホウノキの開葉が面白い。

ニガイチゴ。

ケマルバスミレ。

ヒナスミレ。

カントウミヤマカタバミ

ミソサザイ。


No.1635 ~ 石砂山のチョウ ~

2019年05月02日 | 昆虫

観察月日  2019.4.9.晴 15℃

観察場所  相模原市 篠原

石砂山は今までに何回登った事か数えきれない。篠原集落

から登山道を行き、山頂直下は急登だが、いつも楽しく登っ

ていた。暫く振りの今日は、同行した二人の支援で、頂上へ

辿り着いた。

山頂へ跳び出ると、何匹かのギフチョウが舞っていたのは、

昔も今も変わらぬ風景だ。

戦後暫くの間は、東丹沢山麓の何処へ行ってもと言う程、

ギフチョウに出会う事は出来た。それが、人間による急激な

環境への圧力によって神奈川県のギフチョウは急速に滅亡

への一途をたどり、今では、県の天然記念物に指定された

石砂山周辺での存在になってしまった。

広くはない山頂に10数名の人がいるが、ギフチョウはその間

を上下しながら飛び回り、時には地上に降りて止まったりする。

カメラを持つ人は、あるはチョウを追い駆け、あるは止まるの

を待って近づいても、チョウは遠方に飛び去ったりはしない。

中には地上に止まったギフチョウに、スマホを持ってぶつかる

程にまで超接近し、写せて満足な笑顔の人もいて、此処のギ

フチョウは人馴れしているのではないかと勘違いしそうにもな

った。

山頂には、ヒオドシチョウも上がってくる事は、昔も今も変わら

ず懐かしい。このチョウには、山頂領有の習性がある様で、他

のチョウが飛来すると追い払う行動が見られる。そして見張り

をするのに良い場所なのか、よく被った帽子の頂上に止まる。

今日は私の帽子の上に止まった。

下山すると集落の川の畔で、地面に這いカメラを向けている人

がいた。聞くと「スギタニルリシジミが止まっている」と言う。石砂

山には、以前はいなかった種類だ。最近は神奈川県内各所で

記録が増えている。分布が広がっているのだろうか。

石砂山の山頂。

ギフチョウが飛びまわる。

 

 スマホで 超接写 超激写 する人がいた。

タチツボスミレの蜜にきた。

 ヒオドシチョウ。

私の帽子にとまった。

 

何をしている。

スギタニルリシジミか。


No.1634 ~ 石砂山に向かう ~

2019年05月01日 | 昆虫

観察月日  2019.4.9.晴 15℃

観察場所  相模原市 篠原

急に思い立って、篠原の集落から石沙山山頂へ登る事にした。 

篠原集落の家々は昔と変わらず、どの家も静かだ。人影の無い

庭のミツバツツジの花を訪れるギフチョウを眺めている内に、

登山道に入った。

サルビアブルーの小羽を手にしたRさん、斜面に羽が散乱して

いるとUさん、カケスがタカの類に襲われたのだろう。

道が狭い尾根状になった。その道の真ん中にタヌキの糞が、撒

かれた様に積もっている。糞に入っていたミツバアケビの種子

が発芽し、3出複葉が伸び上っている。

ヒトリシズカがあり、子供の声が近付いて来た。以前から、ギ

フチョウ登山をしているのだ。「篠原小学校でしょ」と声を掛け

たら、篠原小学校は無くなって、「バス通学しているよ」と返っ

て来た。

「ミツバツツジが綺麗ですよ」先を行くRさんの声がした。斜面

から伸びた枝々の先に、淡いピンク色の花を付けている。

時折、両側の林からギフチョウが、登山道に舞い込んでくる。

カメラを持った人達が待ち構えていて、それを追うが、ギフチョ

ウは再び林の中へ戻り姿を消した。

性急に追い駆けたりしないで、離れた位置から飛ぶ様を見て

いると、登山道に羽を開いてペタリと止まる。

ギフチョウの羽は、黄色と黒のだんだら模様、そして赤い斑紋、

一見鮮やかで目立つ色彩の持ち主に思えるが、少し離れた位

置から一瞬目を放すと、姿が消える不思議さがある。ギフチョ

ウの羽や体の形や色彩が、落ち葉や小枝や草に融け込んで

しまうのだ。

自然が作る色や形、その不思議さをギフチョウは教えてくれる。

篠原集落を行く。

カケスの羽が。

タヌキの溜め糞。

ヒトリシズカが。

子供たちの 明るい 元気な声が。

ギフチョウの 羽の色と模様が溶け込んで。

自然の不思議さを 教えてくれる。