足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1338 ~ 丹沢に咲く ヤマユリ ~

2015年07月16日 | 植物

観 察 月 日  2015.7. 12.晴 32℃

観 察 場 所  山北町 玄倉

丹沢湖ビジターセンターの事業として長年続けてきた“自然

観察ガイドウォーク”。閉館されても丹沢の自然は捨てられず、

自主的に集まる。今月は県花のヤマユリ探しに玄倉林道を歩

く。林道は玄倉川の渓谷に沿って造られ、車1台ほどが通る

道幅だ。

 最初のヤマユリは崖上3mに細い茎を伸ばし、その先に大輪

の花を重そうに付けそよ風に揺れていた。普段は農家や施設

の敷地に多くの花を咲かせ茎も高く、逞しいヤマユリを見てい

る。ユリの語源は「揺り」の様で、本来のヤマユリの姿に出会っ

た喜びがあった。

 林道は木陰が多く吹く風は涼しい。黒いアゲハが揺れながら

風に乗って飛んで行く。微かなユリの香りに、遥か50m程先を

見ると、崖に咲く4輪の花が目に入った。急ぎ足で行くとミヤマ

カラスアゲハが私達を追い越して飛ぶ。「アゲハはユリを通り

過ぎたか」と思ったその時、飛行角度を変え翅をはばたきなが

ら細く長い肢で着地しストローを伸ばす。羽を動かす度に雄蕊

の葯は揺れ、赤褐色の花粉に染まる。

 アゲハは、蜜という生きるエネルギーを得て、ヤマユリは受粉

という生命を繋ぐ作業を託す。すばらしい自然の営みを丹沢で

感じ、参加仲間は幸せの気分に満ちて帰路に就いた。

 ところが赤燈点滅のパトカーが停車している。ビジター閉鎖

で駐車場なく、仕方なく路肩へ駐車していた全員の顔は蒼白に

なった。今回は、事情を聞いてもらい助かったが、今後どうする

か悩みの種が出来てしまった。月1回のガイドウォークの時だけ

でも、元ビジターセンターの駐車場を使わせてもらえると助かる

のだが。

そよ風に 揺れる。 ユリの語源は 「揺り」から。

ユリの香りが 渓谷に広がる。

アゲハチョウは、花の香りは 触角で、花の確認は目で。

 

黄色い線模様をたどれば 蜜の場所に到達する。

大きな翅をばたつかすと 揺れる葯の花粉が・・。

他の花の花粉を運び 雌蕊の柱頭に。

ヤマユリの花には 黒いアゲハがよく似合う。

丹沢で自然の営みを感じて 幸せの気分で帰路に・・・・。

 ところが 赤燈点滅が目に飛び込んできた。今までに 無かったことが! 困った!!

 

✿ 最後の ガイド ウォーク   2015.3.8.

★ これで最後かと こんなに沢山の人が集まった。

       丹沢湖 ビジターセンター が閉館しても 丹沢の自然は捨てられない。★