足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1088 ~ Slender な タカサブロウ ~

2012年10月01日 | 植物

田んぼのタカサブロウ

見た目は 昔と変わらない

緑の若い種 と 黒い熟した種

熟した種は触れると パラリと落ちる

種の落下した後

離脱した種

種は2mm程で翼はない

Slenderなタカサブロウ

観 察 月 日  2012.10.1.晴 30℃

観 察 場 所 (伊勢原市 日向新田)

 古い時代、我が国では目の病が流行った様で、その時の薬として

使ったのが、このタカサブロウです。名の由来は人名ではなく、古名

はタタラビで、そこからタタラビソウ、転化してタカサブロウになったよ

うです」 今でも田んぼでの観察会では、よく聞く話である。

 ところが、古来目の薬に使ったと言われているタカサブロウと、形

態が見分けのつき難いもう一つのタカサブロウが、戦後(1948年の

頃)密かに入り込んでいたのである。

 現在ではタカサブロウは、Round変形型と、Slender変形型に

分けられ、植物の外形からは見分けがつき難く、そう果は(R)では

長さ3㎜で翼があり、(S)では2mmと小さく翼が無い事から区別で

きる。

 弥生時代の遺跡からは、(R)型のタカサブロウの種子が出土して

いるので、古来より我が国に成育していた植物と言える。が、台湾

、朝鮮半島、および中国にも分布しているので、史前帰化植物であ

る事も考えられる。

 若い頃に出会った“話の主”Round型タカサブロウに会いたくて、

日向新田のタカサブロウを調べて見たら、(S)型であった。

 今の子供達の体形がSlender に変化している様に、タカサブ

ロウも入れ替わってしまったのであろうか。