観察月日 2020.6.1.雨 20℃
観察場所 丹沢山麓 他
2月末、宮ケ瀬の林道で崖に咲くナガバノスミレサイ
シンの群落を見上げて以来、2か月余り外出は自粛、庭
の小さな野草園と菜園の手入れに明け暮れた。本来は、
山麓を歩くことを日課にしている者にとっては、現在
失業中だ。
ナガバノスミレサイシンに出会った時、つい思い出
した事がある。それは昔自然観察会に参加した時の事
で、ある里山の古い神社のわき道に差し掛かった時、
案内人が立ち止まり、「これが、ナガバノスミレサイ
シンですよ」と話され、参加者は興味深く観察を始め
た。すると案内人はリックの中から図鑑を取り出し
「これは、スミレサイシンと言うスミレです。名前が
似てますね」と。実物がないので参加者の反応は鈍か
った。
その後、案内人が図鑑を出した意味が解からないの
で、先ずは、図鑑のナガバノスミレサイシンのページ
を開いて見た。
そこには、「太平洋側に分布し、葉が長いのが特徴
・・・・」とあった。その中でも「太平洋側に分布」
の記述が気になり、意識して歩くことにした。
丹沢山麓は太平洋側、歩くと各所にある。多くは初
春は日光の入る雑木林、時には杉林、湿り気のある落
ち葉の中から突き出るように花が咲く。その時には、
葉は伸び始めで落ち葉に埋もれている事が多く、そ
の後は、別物かと思う程に伸び、始めて出会った時に
は違う物かと驚いた事があった。
ところで、その当時“スミレサイシン”を見た事がな
かった。
このスミレは、ナガバノスミレサイシンとは対照的
で、日本海側の多雪山地に生え、雪が解けると一斉に
咲きだす種類なのである。
太平洋側に住む私は、積雪の季節には動物撮影に何
度も訪れているが、雪解けの初春には尋ねた事がなか
ったのである。
2月25日 宮ケ瀬の林道で見上げたナガバノスミレサイシン群落。
宮ケ瀬でのナガバノスミレサイシン。
落ち葉の中から突き出たナガバノスミレサイシン。石割山。
ナガバナスミレサイシン 石割山。
花 石割山。
葉も出ているナガバノスミレサイシン。石砂山。
花弁が細目だ。石砂山。