観察月日 2007.4 .20. 晴 20℃
観察場所 新潟県 南魚沼市 六日町
前回の山麓だより「春の使者 コツバメ」の原稿を書いて
いる時、以前坂戸山に登った時の様子が頭に浮かんだ。
それは、ここのところ家に籠り、私の仕事場でもある
「山麓」へ行けない不満から湧き出たのであろう。
その日、紙コップのコーヒーを飲みながら、上越新幹
線の車中にあった。越後湯沢で、北越急行に乗り換え、
六日町で降りた。
ソメイヨシノは満開、遠くに雪をまとった八海山が見え、
近くに坂戸山らしい山並みが望まれた。
城跡を抜け、登山口には紫赤色の花を付けたショウジョウ
バカマの群落が迎えてくれ、階段状の登山道を中年のパーテ
ィーが上って行った。坂戸山はカタクリの花で知られた山、
地元でも人気の高い山だという。私は気楽な一人旅、カタク
リの花に囲まれてのんびりと登る。道の脇の低木は地上を這
うように曲がり、豪雪地帯である事を物語っている。
カタクリの中にアズマイチゲ、エンレイソウ等が顔を出す。
ヤマエンゴサクに続いて、“茎が細く、花もまばらな“初めて見
るエンゴサク、手に取ってみようと斜面を2~3歩登ったと
ころで「ミチノクエンゴサク」と思い出した途端足を滑らせた。
その空気の振動で、小さな枯れ葉が飛んだ、それは想いもよ
らぬ“コツバメ”であった。越後の山で会った“春の使者”おぼつ
かぬ姿勢でカメラを向けた。羽のカーブが円くやさしいメス
であった。しばらく登ると、再び“コツバメ”今度は羽の角度か
ら見て、オスのようであった。
山頂付近からは、オクチョウジザクラ、タムシバの向こうに
六日町の家並みが霞んで見えた。そうだ、来年は越後の山裾を
歩いてみよう!
六日町は桜は満開で
ショウジョウバカマ
カタクリの山で人気
豪雪地帯のあかし
ミチノクエンゴサク
コツバメ羽が回るやさしい
こちらは ♂
タムシバの向こうに 六日町の街並みが。