観 察 月 日 2017.1.4.晴 12℃
観 察 場 所 清川村 宮が瀬
10m程先に望遠レンズを山の斜面に向けている人が、私を見て手招
きをする。邪魔にならぬよう静かに近寄ると、「あの藪の中に、ベニマシ
コがいます」と指を指し教えてくれた。
昼食をしているとその方に再び出会い、帰路を共にした。鳥の話をしな
がら先程ベニマシコを写した所まで戻って来たその時、舗装された林道
上を私の足元に向かって足早に歩いて来る2cm程の変な虫が視野に入
った。と同時に「ガロアムシだ!」と小声ながら叫んだ。そしてポケットから
オリンパスTG4を取り出し、足早に走るその虫を腰を屈めて追い駆けた。
私の突然の異常な行動を見て、隣人は怪訝な顔をされた。
ところでガロアムシは、昆虫を追っている人でも出会う機会は無であろ
う種類だ。故に私はガロアムシを見た事は無い。名前を口から出した事も
多分ない。全く関係の無い昆虫の筈だ。それが無意識のうちに「ガロアム
シ!」と何の疑いもなく声になってこぼれ出たのが何とも不思議であった。
帰宅してから子供の頃本で見た記憶が何処かに残っていた物かと、
その頃の本を当たって見たが見当たらない。まさかと、原色千種続昆虫図
譜平山修次郎昭和15年15版発行を開いて見たら、1,934.11.11.高尾
山産の標本が載っていた。
ガロアムシの由来は、1915年フランスの外交官ガロアが中禅寺湖湖畔で
発見したもので、和名はガロアに因んで付けられた。
神奈川県を見ると、浜口哲一氏が神奈川県昆虫誌2004の中で、ガロアム
シの県内の記録は、県央西部・愛川町経ヶ岳、丹沢・伊勢原大山、足柄・箱
根町湯元、の3個体で、内、経ヶ岳と大山は幼虫だという。その後の記録は
増えているのだろうか。
「ベニマシコがいますよ!」と。今日は野鳥を撮影に来ているのだ。♂の若鳥の様だ。
野鳥を目的に来ている人が多い。
午前にベニマシコを写したところまで、来たその時!
舗装された林道上を、走って来る2cm程の変な虫が目に入った。その時 とっさに・・・・・・・
「ガロアムシだ!」と叫んだ。♂の成虫。翅を持たない
★ 野鳥を写しに行ったのに、不思議な事があるものです。 隣人は何のことやらビックリ仰天・・・