一顆明珠~住職の記録~

尽十方世界一顆明珠。日々これ修行です。いち住職の気ままなブログ。ときどき真面目です。

良寛さまの詩歌 1

2006年01月22日 | 禅・仏教
昨日、就寝前に30分坐禅をした後、習慣となっているベッドでの読書の時間に、良寛さまの漢詩を読みました(参照:サングラハ心理学研究所ブックレット№4「良寛の四季」岡野守也著)。

千峰凍雲合 せんぽう とううんがっし

万径人跡絶 ばんけい じんせきたゆ

毎日只面壁 まいにち ただ めんぺき

時聞灑窗雪 ときにきく まどにそそぐゆき


静まりかえった雪国(越後)の情景が凛とした冷気を伴って、ありありと思い浮かばれます。

良寛さまの暮らした越後を含め、北陸などの日本海側の冬景色は、山々にかかる雲さえ凍りついて感じられるほどの冷気に包まれています。

私の修行した永平寺でも、冬の間は、骨まで凍りつくような寒さと、気が滅入ってしまうほど暗い雲が垂れ込めた曇り空が続きます。

しかし、この詩には、冬に対する嫌気のようなものは微塵も感じられません。

そこには厳しい冬の情景と一如になっている良寛さまの姿があります。

雪深い越後では、昔のことですから今のように除雪車もなく、完全に雪によって道はふさがれ、人の行き来が絶たれてしまうことは当たり前のことだったのでしょう。
五合庵でひとり暮らしの良寛さまは孤独です。

ですが、この詩には孤独の寂しさや感傷は感じられません。
訪れる人もなく、毎日、只、面壁して坐禅をする良寛さまの姿が、凛とした冬の孤独と一つになって浮かび上がってきます。

そして同時に、時折聞かれる窓に灑がれた雪が、静まりかえった冬の沈黙をより一層際立たせているように感じます。

良寛さまの身心と冬の情景がピッタリ一つになっている。

この詩から、「冬(景色)は冬(自己・良寛)」としか言えないような境涯を感じました。

論理的な日本語になってませんが・・・

坐禅をした後だったせいか、ジンワリ心に沁みました。

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2 コメント

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Unknown (type1974)
2006-01-24 01:10:01
良寛さんの詩、とても凛としていて静かで、いい感じですね。

それはそうと坐禅がんばっておられますね!

私もがんばります~

返信する
type1974さん、コメント有り難うございます (りょう)
2006-01-25 15:15:18
>type1974さん

サングラハのプレゼント的冊子「良寛の四季」。

なにげに読めば読むほどに味わいの出るプレゼントですね。主幹も味なことをやってくださいます(笑)

坐禅は一進一退ですが、それたら戻るを基本に頑張ってます!

頑張りましょ~
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