亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金もプラチナも1200ドル割れ

2014年10月06日 19時13分25秒 | 金市場
週末に報じられたように米雇用統計は、労働参加率や平均賃金面で変化(改善)は見られないものの、就業者数は順調に回復していることが判明。これを受けドルは更に上昇、言うまでもなく背景には利上げに向かおうとしている米FRBとこれから超緩和に向かうと見られるECBさらに日銀とのベクトルの向きの違いがある。

NY株は、雇用の改善がやがて個人消費や住宅市場の押し上げにつながるとの見通しの中、一方でインフレが落ち着いた状態にあることが、FRBによる低金利環境が長く続くのではという、いわゆる居心地のいい環境(Goldilocks)の持続を想定して買われた。

興味深いのは債券市場では大きな動きは見られず方向感のつかめぬ状態が見られたこと。過去6年にわたるFRBの介入でいまや適正な金利水準が見えなくなったという発言をBloomberg TVで目にしたが、ナルホドと思った次第。

先週末は、IMFラガルド専務理事が世界経済の見通しに懸念を表明していたが、米国だけ好調という構図が果たして持続可能なのかどうか。好調な米国が世界を牽引という構図は、経済規模が大きくなった今や難しいのではと思われる。また米国の個人消費が、かつてのように世界をけん引するほど借金漬け消費に戻るとも思えない。株式市場については、来週以降の決算発表が注目される。

週明け10月6日のアジアの時間帯の取引では、先週末の地合いを受け継ぐような形で金は1180ドル台後半まで続落となり、プラチナは一時1200ドル割れとなった。週末に発表される注目の経済指標などを材料に買われたり、売られたりした際には、週明けのアジアの時間帯にモメンタムで週末の引け地合い方向に相場が振れるのはよく見られる現象といえる。その後に自律的な逆向きの動きが起きるのもよくあるパターン。

金については1200ドル割れで、需要期に入っているインドさらにここまで様子見に回っている中国の出方に注目が集まる。ここまでショートを膨らませたファンドは、昨年末(12月31日)の取引時間中(ザラバ)の安値1181.40ドルあるいは、上半期末(6月28日の1179.4ドル割れで、雪崩のような下げを見越しているのだろう。主な指標の発表のない今週だが、金をはじめ貴金属には8日に予定されているFOMC議事録の発表がイベントになりそうだ。資産買い取り終了後も低金利を「considerable time(かなりの時間)」 続けるという、文言の取り扱いを巡りどんな意見が交わされていたか。今月のFOMCでの削除、変更が内諾されていた可能性もありそうだ。それに対してドルがどう動くか。ドルの動きに支配される相場展開。





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