新たな」四半期入りとなった10月1日の取引で目立ったのは株安だった。欧州のPMI(購買担当者景況指数)の悪化とりわけドイツの悪化でユーロ圏の株式市場は軒並み値さがり。流れはそのままNYに持ち込まれた。結局、報じられたようにNY株もダウの200ドル超を筆頭に軒並み大きく下げた。小型株指数のラッセル2000が、7月初旬の1200ポイントから1日には1085ポイントと約10%の値下がりとなり、調整局面入りの様相を濃くしたのが目についた。日本時間のこれから開いて来る今夜の取引がどうなるか。欧州の景気見通しの悪化に新興国の減速、さらに日本も見通しが不透明な中で世界的な景気失速懸念が浮上していることが、株安につながったと見られる。そこに、米国でエボラ出血熱の患者が発生したことが加わった。
値動きが派手で目立つこともあり、どうしても株式市場に目が行きがちだが1日の市場で目立ったのがユーロ圏、米国共に国債価格の上昇だった。まず1日の米国債(10年債)の値上がり率は4.25%にもなった。逆に利回りは前日の2.491%から2.386%に大きく低下。ドイツ国債(10年債)も価格が4.63%上昇し利回りは0.860%と0.9%を一気に割り込んだ。ドイツ国債は2日の市場でも続伸でさらに利回りは下がっているようだ。それにしても1日の主要国国債の値上がり率は、NYダウに焼き直すと720ドルほどの値動きに相当するもの。株が大きく下がる中で大きく金利を下げている債券市場は、株から債券市場に資金移動が起きていることを表す。春先に債券から株式という流れでグレート・ローテーションという説明がされたが、足元では逆の動きとなっている。
リスクーオフの中で金は多少買われ、一方でプラチナなど産業用メタルは売られた。
金の買い戻しはショートカバー。今夜のドラギ発言がどの程度の緩和策を語るのか・・