亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

狐につままれる白熱のニッケル相場      

2022年03月08日 21時08分52秒 | 金市場

さて金価格は日本時間の午後14時過ぎあたりから急に上げ足を速めることになった。2000ドルを突破してから、3時間弱で2027.80ドルまで高値を見てそこで一服ということに。現在は2010ドル前後で滞留中となっている。昨日はNY時間の午前の中頃に下押して1964.20まで見て、結局、窓を埋めることになった。そこから終盤に買い戻されて2000ドル台に復帰して時間外取引も2001.80ドルと水準を維持して終了ということに。

最高値更新の日本国内では、現物の換金売りが殺到して店頭は大混雑のようで、どの程度の数量になるのか・・・と。言えるのは日本の売りだけでは、国際金市場に影響を与える規模ではないということ。ちなみに昨年の日本の地金・金貨の需要はネットで100キロ。8月に瞬間タッチでグラム7000円を付けた20年は、年間ベースで9.3トンの売り越しとなっている。それと似たような売りが出ているのだろうか。

そうした中で、主に米国で金ETF(上場投信)の最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールドシェア」の残高は、7日までの2営業日だけで12.48トンの増加が確認されている。年初からだとここまで2カ月半で87.04トンの増加となっている。現物の動きでデイリーに把握できるのはETFのみにつき、世界的にどうなっているかを把握するには時間がかかる。

 

ところでロシアがらみでいくつかの商品が高騰しているが、日本時間の本日夕刻7時前にロンドン金属取引所(LME)がニッケルの取引を中断する事態となっている。ニッケルは週明けに暴騰し7日は前週末比でトンあたり約2万6000ドル高い5万5000ドルを付けて07年5月の最高値を一気に突破していた。それが今日、10万1365ドルと10万ドルを突破したところで取引を中断する事態になっている。国内でも東証にニッケルETFが上場されているが、ストップ高状態のようだ(コード1694)。LMEの取引再開は数日かかるとの話もある。早く再開されると思うが。多くが考えることは同じで、小麦のETFなど(個人的に)これまで見たことのないような出来高になっている。

いずれにしてもコモディティ全般に株式市場から投機マネーが流入しているようで、金市場もその例外ではないが、市場規模からは、一般的にニッケルやパラジウムのようにはならない。これとて金融市場との比較では小さく、比重19.3のゴールドも木の葉に変身しヒラヒラということもあるわけで、狐(某国大統領)に化かされないようにしましょう。

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