亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金、新値街道節目なし

2024年08月20日 21時49分49秒 | 金市場

週明け8月19日のNY市場の金価格は小幅に3営業日続伸した。

NYコメックスの通常取引は前週末比3.50ドル高の2541.30ドルで終了した。NY時間外のアジア早朝に一時2549.90ドルまで買われ、取引時間中および終値ベース双方で過去最高値を更新。

 

NYの通常取引に入り高値警戒感とみられる売り圧力が高まり、2度にわたり2520ドル台前半まで押し戻されたが、押し目買いも旺盛で終盤には2540ドル台に復帰して取引を終了した。 19日は米国関連の主要指標の発表もなく手掛かり材料がない中で、前日からのドル安傾向が続き、ドル指数(DXY)は昨年末以来8カ月半ぶりの安値水準となる101.886で終了した。10年債利回りも低下し、金市場をサポートした。

 

市場では22日から始まるカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ワイオミング州の開催地から通称)ジャクソンホール会合でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演内容に関心が集まっている。現地時間23日午前10時(日本時間同日23時)に始まる予定となっている。

9月17~18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを示唆するとの見方が大勢を占めている。

インフレの終息に自信を深めたFRBは、このところ労働市場の減速に関心を向けているが、今週は米労働省が雇用統計の年次改定を予定している。市場では過去の雇用者数が下方修正されるとの見方があり、仮にそうなら内容によってはパウエル発言はハト派に傾く可能性がありそうだ。

 

19日はミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙のインタビューで、「9月に利下げする可能性について議論するのは適切だ」と発言。「労働市場が過度に弱まる可能性が高まりつつある」とも述べている。

一方、英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙とのインタビューに答えたサンフランシスコ連銀のデイリー総裁は、最近の一連のデータにて政策金利の調整を検討する時期に来ているとの「確信を深めた」とした。ただし、米経済は「緊急を要する状態にはない」としている。前々週の株価急落後に利下げ幅拡大観測が広がったことに対応した発言と言える。

 

金市場の話題としては、金ETF(上場投資信託)の最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の残高増が、ここに来て目立っている。

この銘柄は主に北米(=米国)マネーの金市場への流入を見る指標的な存在だが、15日から19日までの3営業日で計13.24トンの増加を見ている。先週末のCFTC(米商品先物取引委員会)のデータでは、13日までの1週間で短期筋のファンドがロング(買い建て)を重量換算106トンも増やしており、まさに欧米資金の金市場へ本格参入を思わせる動きと言える。

ちなみに、当欄では7月17日に「欧米投資マネーの流入、NY金2カ月ぶり最高値更新」として、その兆候を取り上げた経緯がある。

 

この時間、心理的節目の2550ドルを突破したが、新値街道節目などないに等しい。

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