亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

潮目の変化、市場とのコミュニケーション

2018年11月30日 17時43分26秒 | 金融市場の話題
発表された11月のFOMC議事録要旨では、12月の利上げの意向が確認されることになった。一方で、利上げの打ち止めの時期をさぐる議論が始まっていることも確認された。複数の参加者は、政策金利が(景気を過熱も冷やしもしない)「中立金利」に迫りつつあるとしていた。内容としては、前日のパウエル議長の発言と整合性のあるもので、目新しさはなかった。したがって、相場への影響は限定的なものとなった。これで12月のF . . . 本文を読む
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利上げの道筋を見直すパウエルFRBにクラリダ副議長の影響

2018年11月29日 22時55分05秒 | 金市場
昨夜はここに予定されていたパウエルFRB議長の講演内容について、「このところ、発言内容に変化があるように思われるので、変化率という点でこちらの方が要注目と思う」とした。結果は、同議長の発言内容には相応の落差があり、市場の材料となった。 報じられているように、同議長は現在の政策金利の水準は、景気を過熱も冷やしもしない「中立金利」の「すぐ下にある」つまり、近づいているとした。利上げサイクルの終盤に位 . . . 本文を読む
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マーケットの波乱を呼ぶ政治

2018年11月28日 21時08分47秒 | 金市場
ドル高というよりユーロ安が、ドル指数(DXY)を押し上げ、金の上値を抑えている。27日は欧州の政治情勢に動きはなく、経済指標の弱さや、その弱さを認めた形の前日の欧州議会でのドラギECB総裁の発言が尾を引く形でユーロは弱含みに推移。EU離脱合意案に対する支持を得るために国内の説得工作に乗り出している英国のメイ首相だが、離脱合意案の議会での採決は12月11日となった。前日までは12日で詰めていた。 . . . 本文を読む
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暴落状態のWTI原油、金に連動性なし

2018年11月26日 20時18分20秒 | 金市場
10月下旬から12営業日続落となるなど暴落状態の原油の下げが止まらない。感謝祭の連休の谷間となった23日の米国市場は、市場横断的に半日立ち会い(半日の短縮取引)の取引日。米国産原油WTIの先物価格は、前営業日比4.21ドル安(7.71%)の(1バレル=約159リットル当たり)50.42ドルで終了となった。約1年1ヵ月ぶりの安値となるが、10月の初めから、わずか2ヵ月弱で33%もの値下がり状態にある . . . 本文を読む
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米利上げサイクル終了の前倒し?

2018年11月22日 21時53分31秒 | 金市場
今週は、サンクスギビング(感謝祭)の休日を前に連休とする市場参加者も多く、必然商いは落ちている。昨日は、欧州時間にマーケット・ニュース・インターナショナル(MNI)という規模の小さいメディアが、匿名のFRB高官の話として、米金融当局は段階的な金融引き締め(利上げ)について少なくとも休止する検討を開始しつつあり、来年春にも利上げサイクルを終わらせる可能性がある、と伝えた。このニュースにドルは売られた . . . 本文を読む
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サンクス・ギビング休暇前の攻防

2018年11月20日 23時33分00秒 | 金融市場の話題
今週は言わずと知れたサンクス・ギビング休暇週。22日が休みで実質明日の午後辺りから休みという市場参加者も多く、そのまま連休という形が多い。そんな週の早々にハイテク株を中心に米国株が大きく下げ、市場センチメントは急収縮。リスク回避姿勢が高まり米国債も買われ長期金利のみならずFRBの利上げ見通しに敏感に反応する2年債金利も急低下。10年債の利回りは6営業日続落となった(つまり、価格は6日続伸)。ドルは . . . 本文を読む
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FRB副議長のハト派的発言に政治リスクの高まり、金は続伸

2018年11月19日 13時16分47秒 | 金市場
週末11月16日のNY市場の金価格は、続伸となった。米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長がこの日シンポジウム出席の際に米CNBCテレビのインタビューで、米国の利上げサイクルが終盤に来ている旨の発言をするとともに、「世界経済が減速している証拠はある」と発言。米長期金利が大幅に低下、ドルも全面安状態となり金市場はNYの時間帯午前を中心に買いを集めることになった。また英国の欧州連合(EU)離脱を巡 . . . 本文を読む
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好調な米経済指標も過去のもの?

2018年11月15日 23時32分13秒 | 金融市場の話題
14日発表された10月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%上昇し、9ヵ月ぶりの伸びを示したものの、市場予想に沿ったもので為替市場、金市場共に反応は鈍かった。このところ好調な経済指標に対する市場の反応が鈍いのは、10月下旬から11月にかけての企業の決算発表に被る側面がある。内容の良さは、すでに過去のものであって、問題は先行きがどうかという点に関心が注がれる。企業の場合は、トランプ政権が仕掛け . . . 本文を読む
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国際交易の根幹を揺るがす“ガラガラポン” の先を読みかねる株式市場

2018年11月13日 22時35分18秒 | 金融市場の話題
昨日もここで書いたように、米国優位のドル高が先週の連邦公開市場委員会(FOMC)以降に鮮明になっており、スイスフランや円も対ドルで弱含み、金も売られという伝統的なヘッジ先が総すくみ状態となっている。こうした中で、NY市場の金も12日アジアの午後の時間帯からロンドンそしてNYと時間の経過とともに水準を切り下げながら進行することになった。しかし、12日NY引け後の時間外で1200割れを試したものの、な . . . 本文を読む
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再び「米国優位を映すドル高」の波が到来

2018年11月12日 20時08分20秒 | 金市場
先週末9日は、中国の経済指標が減速傾向を示したことが、前日の欧州委員会による2019年のユーロ圏の実質経済成長見通しの下方修正と相まって、世界経済の減速懸念を増幅し銅をはじめ産業用メタルから貴金属まで幅広く売られることになった。米WTI原油先物相場が10営業日続落と1984年7月以来約34年ぶりの急落状態となっていることも、商品市況全般のセンチメントの悪化を増幅させ、さらに米国株の売り材料にもなっ . . . 本文を読む
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