亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「中国人民銀行金準備変化なし」

2024年08月08日 22時06分54秒 | 金市場

8月7日のNY金は4営業日ぶりに小幅に反発した。通常取引は前日比0.80ドル高の2432.40ドルで終了。主要な経済指標の発表もなく、手掛かり不足の中で、週初の大幅安から前日は反発した株式市場の値動きが注視された。週初にかけて急落していた後で、短期的な戻りを見込んだ買いが先行したが、昨日も書いたように自律反発の域を出ず、いわばひび割れた形の市場の修復には相応の時間を要するとみられる。

実際に7日のNYダウは午前の時点で480ドル上昇する場面があったものの、午後に入ると急速に伸び悩み、米長期金利が上昇すると下げに転じた。結局、前日比234ドル安で終了した。

米10年債は、この日行われた入札が低調と受け止められたことから、午後に入り売られ利回りは上昇した。週初5日には一時3.669%と23年6月以来の水準まで低下していたが、この日は一時4.00%に接近し、3.954%で終了した。債券市場の値動きも大きくなっており、利回りの変動幅も広くなっている。

それが株式市場にフィードバックされ、上値を抑えている。当然金市場もドル金利上昇により上値を抑えられることになる。

 

金市場の話題としては、中国人民銀行が毎月7日に定例で公表している前月末の外貨準備の内訳で金準備に変化がないことが判明した。

22年11月以来24年4月まで18カ月連続で持ち分を増やしてきたが、5月以降7月まで止まったことになる。現時点の保有量は約2264トンとなっている。公表は国際通貨基金(IMF)への届け出がベースになっている。

一方で、中国はかつて外貨準備の一部を運用に回す政府系ファンド(SWF)を有しているが、その内容については不明で、運用資産に金(ゴールド)が含まれているとみられる。しかし、その実態は明らかではない。

さらに、中国工商銀行はじめ国有4大商業銀行は金(ゴールド)の窓販を行っているが、その販売在庫も広義では持ち分としてみなすこともできるだろう。

したがって、人民銀行の定例発表分に増加が見られないことが、広義の持ち分が増えていないことにつながらないと捉えている。

 

一方、金の国際的調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、金ETFの残高は、7月に48トン増加し、全体で3154トンになったとしている。欧米投資マネーの金市場への流入がどの程度本格化するか。

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