亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

1月の米国債、海外民間部門は売り越し

2006年03月16日 19時53分48秒 | 金融市場の話題
昨晩(日経CNBC)は最後に赤字分の調達という「フロー」の部分ということで、米財務省の発表する「対米証券投資」のデータを使ったが、番組終了後に1月のデータが公表された。前に昨年後半は1000億ドルを超える月まであったものが、12月に予想外の減少となり(538億ドル)同月の貿易赤字(650億ドル)すら下回ったという話を取り上げた。単月の数値だけではなんとも言えないとしたのだが、昨晩発表された数値は、660億ドル。これは12月の数字を100億ドル以上上回るが、先週発表された1月の米貿易収支は単月で過去最高の685億ドルだったから、2ヵ月連続で赤字の規模を下回ったことになる。これも循環のなかで起こることなので、「まあ、よかろう」ということだが、次回4月17日に発表予定の2月の数字から目が話せなくなってきた。

・・・で、そのデータの中身をさらに見てみると、このところ海外からの米国債の買いは海外政府ではなく海外民間部門が主力となっていることは日経でも紹介されたので知られている話なんだが、1月はこの民間部門がなんと売り越しになっていた。10月250億ドル、11月508億ドル、12月127億ドルの買い越しと来て1月は40億ドルの売り越し。金利上昇観測から手仕舞いしたところがあったんだろうが、ならば2月のこの部門はどうなった?ということも気になりはじめた。昨年はヘッジファンドの買いまで目立っていたので、日銀が量的緩和解除に向けノイズ・レベルを上げ始めたのが2月なので、どうだろうねぇ。巨額の赤字を、外の資金、しかも(流れが直ぐに変わる)投資マネーで賄うことの危うさを書いてきたが、赤字の額が膨らめば膨らむほどファイナンスにも神経を使わねばならなくなってきた。FRBの新議長が赤字の削減を訴えかけるのも、わかるよね。

UAE(アラブ首長国連邦)の中銀総裁が外貨準備のドル比率を下げると語ったとされるが、皆が弱点を認識していて「そんなことして、いいの~?だったらドル(米債)売るよ~?」と脅しの材料にされてる感じ。その面で中国の存在は大きいよね。よもや日本はねぇ・・・そんなことは・・・(2月末外貨準備8500億ドル)。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 重いバトン | トップ | ひさびさGMの話(立て直し... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金融市場の話題」カテゴリの最新記事