飛鳥への旅

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万葉歌碑マップ探訪:茨城県つくばテクノパーク大穂 歌碑群

2009年12月05日 | 万葉歌碑マップ 探訪

  (つくばテクノパーク大穂 歌碑配置図:図をクリックすると拡大します)

 「つくばテクノパーク大穂」(つくば市大久保)には、万葉集20基、、風土記の歌2基、古今和歌集3基、他に2基の、計27基の歌碑があるといわれている。
 今回、万葉集2基を除いて、計25基を確認し、おおよその配置図も作成した。
 「つくばテクノパーク大穂」が、大穂という名前から、以前つくば市大穂に行って見たが探しても見つけられず、今回隣のつくば市大久保にこのテクノパークを探し当てた。広い工業団地の中に歌碑が点在しており、歌碑マップなどの案内図もなく、歌碑を探し出すのは大変だった。しかし、その分見つけ出す楽しさを見出し童心に返ったような高揚感を味わうことができた。万葉の筑波にちなんだ歌碑ばかりだが、誰が何のためにこれだけの歌碑を建てたのかは、わからずじまいであった。
 「つくばテクノパーク大穂」探訪のアウトラインは私の別ブログで。


「つくばテクノパーク大穂」入り口


パーク内の景観


<1>                     <2>                   <3>
<1>筑波嶺の嶺より落つるみなの川 恋ぞつもりて淵となりぬる 後撰集(陽成院)
<2>筑波嶺を外のみ見つつありかねて 雪消の道をなづみ来るかも 巻3-383 →万葉アルバムへ
<3>筑波嶺の新桑繭の衣はあれど 君が御衣しあやに着欲しも 巻14-3350 →万葉アルバムへ


<4>                     <5>                   <6>
<4>小筑波の嶺ろに月立し間夜は さはだなりぬをまた寝てむかも 巻14-3395 →万葉アルバムへ
<5>筑波嶺の裾みの田居に秋田刈る 妹がり遣らむ黄葉手折らな 巻9-1758
<6>さ衣の小筑波嶺ろの山の崎 忘ら来ばこそ汝を懸けなはめ 巻14-3394


<7>                     <8>                   <9>
<7>小筑波の茂き木の間よ立つ鳥の 目ゆか汝を見むさ寝ざらなくに 巻14-3396
<8>妹が門いや遠そきぬ筑波山 隠れぬほとに袖は振りてな 巻14-3389 →万葉アルバムへ
<9>筑波嶺の此面彼面に陰はあれど 君が御陰にます陰はなし 古今集


<10>                     <11>                   <12>
<10>筑波嶺のをてもこのもに守部据ゑ 母い守れども魂ぞ合ひにける 巻14-3393 →万葉アルバムへ
<11>筑波嶺の岩もとどろに落つる水 よにもたゆらに我が思はまくに 巻14-3392 →万葉アルバムへ
<12>筑波嶺にそがひに見ゆる葦穂山 悪しかるとがもさね見えなくに 巻14-3391


<13>                     <14>                   <15>
<13>筑波嶺にかか鳴く鷲の音のみをか 泣きわたりなむ逢ふとはなしに 巻14-3390
<14>筑波嶺に雪かも降らる否をかも かなしき児ろが布乾さるかも 巻14-3351 →万葉アルバムへ
<15>筑波嶺の嶺ろに霞居過ぎかてに 息づく君を率寝て遣らさね 巻14-3388


<16>                     <17>                   <18>
<16>筑波嶺いほりて妻なしに 我が寝む夜ろは早やも明けぬかも 常陸風土記
<17>筑波嶺に逢はむといひし子は 誰が言聞けば神嶺遊ばけむ 常陸風土記
<18>今日の日にいかにかしかむ筑波嶺に 昔の人の来けむその日も 巻9-1754


<19>                     <20>                   <21>
<19>筑波嶺に我が行けりせばほととぎす 山彦響め鳴かましやそれ 巻8-1497
<20>天の原雲なき宵にぬばたまの 夜渡る月の入らまく惜しも 巻9-1712 →万葉アルバムへ
<21>小筑波を越ゆ過ぐり来ぬ 帰り来てや誰が恋ひ過るや 小筑波を越ゆ過ぐり来ぬ 古歌謡


<22>                     <23>                   <24>
<22>筑波嶺のさ百合の花の夜床にも 愛しけ妹ぞ昼も愛しけ 巻20-4369 →万葉アルバムへ
<23>我が面の忘れもしだは筑波嶺を 振り放け見つつ妹は偲はね 巻20-4367 →万葉アルバムへ
<24>筑波嶺の峰のもみじ葉落ち積り 知るも知らぬもなべてかなしも 古今集


<25>つくばねの 木のもとごとに 立ちぞ寄る 春のみ山の かげを恋つつ 古今集

 以上が25基が今回確認した歌碑。

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以下の2基は未確認の歌碑である。


<*1>           <*2>
<*1>男神に雲立ち上りしぐれ降り 濡れ通るとも我れ帰らめや 巻9-1760
<*2>橘の下吹く風のかぐはしき 筑波の山を恋ひずあらめかも 巻20-4371

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