我(あ)が面(もて)の 忘れもしだは 筑波嶺を
振り放(さ)け見つつ 妹(いも)は偲(しぬ)はね
=巻20-4367 占部子龍(うらべのをたつ)=
妻よ、私の顔を忘れてしまったら、筑波山を見て私を偲んでおくれ。という意味。
占部子龍、占部という氏姓から、卜占(占い)を業とした部民と考えられる。天平勝宝7歳(755年)2月、防人として筑紫に派遣される。
「忘れもしだ」、「忘れも」は「忘れむ」の東国形。「しだ」は時。「偲(しぬ)はね」、「偲(しぬ)ふ」は「偲(しの)ふ」の訛り。「ね」は希求。(新潮日本古典集成万葉集より)
この万葉歌碑は茨城県つくば市のつくばテクノパーク大穂にある。
広い工業団地の中に万葉集20基、風土記の歌2基、古今和歌集3基、他に2基の、計27基の歌碑が点在している。
この歌碑はつくばテクノパーク大穂のセンター道路の工業団地脇に建てられている。