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筑波嶺の 新桑(にひぐは)繭(まよ)の 衣(きぬ)はあれど
君が御衣(みけし)し あやに着欲しも
=巻14-3350 東歌=
筑波嶺一帯の、新桑を食べさせて育てた繭の着物は、それはそれで素晴らしいけれど、やっぱりあなたのお召し物が無性に着たい。という意味。
桑の新芽をつみながら、いとしい人を想って歌った娘さんの恋の歌という見方をするのが普通だが、
実際はそうではなく、新しい着物がどんなによくても、あなたの着物と交換したい、すなわち身を任せて共寝をしたいという思いが込められているのである。万葉ならではの恋の歌なのである。
古代の人々は、親しい男女間で別れの際に下着を交換するという習慣があったようだ。
筑波嶺(つくはね)」は筑波山。「新桑(にひぐは)」は、桑(くは)の新芽のこと。新桑(にひぐは)で育てた蚕で作られた絹の衣は高級品だった。繭(まよ)は、蚕(かいこ)のまゆのこと。
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この万葉歌碑は茨城県筑西市の宮山ふるさとふれあい公園に建っている。
宮山ふるさとふれあい公園は自然を満喫できるアウトドア施設で、万葉歌碑はキャンプ場入口付近にある。
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