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モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

白馬岳花紀行2nd(1993/07/15~17) 5.大雪渓を下る。

2022年01月24日 | 北アルプス

(本頁は「白馬岳花紀行2nd(1993/07/15~17) 4.白馬岳山頂」の続きである。)

【三日目(7月17日)、大雪渓を下る】

三日目、前回(こちら)は白馬山頂から杓子、鑓、不帰キレットを縦走し、唐松岳まで足を伸ばしたが、
今回は日程の関係もあり、大雪渓を一気に滑り降りて行く。天気の方も高曇りで下り坂の様相だ。

大雪渓を見下ろす。



降り口の岩場でちょっと変わった花をみかけた。ヒメカラマツだった。

ヒメカラマツ
 

                                  ミヤマオダマキ。前回は花盛りだったが、今回はまだ蕾。


このような岩場には、地味ながらも珍しい植物がひっそりと咲いていることもあるが、
急ぎの旅なのでじっくり見られなかったのは残念。


下る途中から杓子岳を望む。左の槍のようなピークはその支峰だが、実に鋭い。 




雪渓は、まずは小雪渓を下る。
小雪渓とこれから下る大雪渓の間には、葱平(ねぶかっぴら)と呼ばれるお花畑がある。
今回は雪の量が多く、咲いてる花は疎らだったが、一応報告しておく。

テガタチドリとミヤマカラマツ
 
                                                                                                                          シロウマオウギ


テガタチドリは東北ではあまり見かけないランだ(後で蔵王の不忘山が本州では北限らしい
と知る)
シロウマオウギは白馬岳を含む北アルプス北部、雨飾山、白山、八ヶ岳、南アルプスに分布し、東北には無い。
シロウマの名を冠するのはここで最初に見出されたせいだろう。
その観点で行けば、加賀の白山などはたいへん得をしている。

葱平(ねぶかっぴら)という地名はネギの仲間が多いことに由来するそうだ。

シロウマアサツキ。まだ蕾だ。




このネギ、シロウマアサツキは白馬以外には北海道・夕張岳、本州・朝日連峰、雨飾山などにあると
手持ち本には書いてあるが、私は少し前、鳥海山でも見た。

同じく高山性のタンポポも珍しい。
白馬岳にはミヤマタンポポとシロウマタンポポの二種が有り、写真のものはどちらなのか不明。

高山性タンポポとミヤマキンポウゲ 



キバナノコマノツメ



白馬を訪れる登山者の大多数は大雪渓を登ってやって来る。

私たちは逆に下りに使ったわけだが、おかげで登山者の渋滞にイライラすることもなく、
気持ちよく下界に降りることができた。


葱平から見下ろす大雪渓。




登山者の列は新宿駅から延々と続いてる(嘘)。 

私は降りる方なので、こんな客観的な写真を撮る余裕がある。




来しかたを振り返る。



 

白馬尻の小屋が見えてきた。
今日の天候は悪化の一途だったが、なんとか終点まで持ってくれた。

 



雪渓の終点(登る人にとっては始点)・白馬尻に到着。

山頂までの標高差は約1450m。これから登る皆さん。お疲れ様。 




白馬尻の標高は1500mくらいだが、雪渓の冷気のせいか、ある種の高山植物が豊富だ。

名花オオサクラソウはあいにく見逃してしまったが、キヌガサソウは雪渓の縁にうじゃうじゃ咲いていた。
以前はツクバネソウ属に含められたこともあるが、似た植物が他に無いことから、現在は日本特産一属一種。
主に本州日本海側の高山に分布し、東北では月山、神室山、焼石岳、八幡平などでも見られる。

キヌガサソウの群生 



キヌガサソウのアップ 



サンカヨウ



ニリンソウ



7月の中旬なのに、ここでは春の花、ニリンソウがまだ咲いていた。

ほんとは「今ようやく咲いている」と言った方が正しいのだろう。白馬尻は今、春なのだ。
他にオオバミゾホオズキやタニウツギなど、初夏の花もまだ初々しい状態だった。

オオバミゾホオズキ



タニウツギ(スイカズラ科)
 



これはヒメウツギ(ユキノシタ科⇒アジサイ科)かな。

 



一昨日、昨日、そして今日と三日間、天候に恵まれた山行きだったが、

猿倉からタクシーに乗り込んだ途端にポツリポツリと雨が降り出し、白馬村の中心部に着く頃には土砂降りになった。
我々は村の温泉に飛び込み、三日間の垢と疲れを流し、すっかりいい気分なのだが、

この頁の上の方、大雪渓ですれ違った方々はたいへんだろう。
まあ人生、いいこともあれば悪いこともある。
私モウズイカにとって今回の白馬はいいことづくめだった
(少し前に行った焼石や秋田駒は (T_T) ひどかった)。


この白馬岳を最後に一連の私の山歩き(遠征)は終わった。
その後は園芸(ガーデニング)に邁進し、登山は十年以上、休止した。

以上。


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6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
モウズイカさん、こんにちわ! (nemobaba)
2022-01-24 12:00:52
約30年前の白馬岳ですね。
その頃は私も大雪渓を歩いていました。
実はモウズイカさんはお花のことを詳しく書いてくださっているので、ツクモグサに会っていればいいなと期待しながらよみすすめていきました。残念ながらその記載はありませんでしたね。
本州ではツクモグサが咲くのは八ヶ岳・横岳の諏訪側と白馬岳と書かれています。
その花の時期は八ヶ岳は6月中旬までですから、白馬岳の高地、富山側の風衝地は7月になっても残っているのかな・・と。
私もモウズイカさんと同じ時期に何回か登っていたのですが、小中学生にツアーに着いていったので落ち着いて花を探していませんでした。
山歩きについては今回が最後とのこと、たのしませて下さってありがとうございました。
鳥海山は好きな山のひとつで2回登りました。
FDA北海道便の往復で空から眺めて喜んでます。
もう1回花を観に行きたいと思っていますが、80才になりますから里山歩きになるかもしれません。
「nemobabablog」「ねもばあばのはっぴーらいふ」はできるだけ続けようと努力してます。
返信する
Unknown (ミルク)
2022-01-24 12:06:31
こんにちは。
すごい行列にビックリ@@ 
こんなに にぎやかなんですね~。
キヌガサソウは、山で出会って、感動した花です。
八幡平でも、みましたが、小さい池の周辺で、遠くてしっかり見えませんでした。
返信する
Unknown (モウズイカ)
2022-01-24 12:45:55
コメントありがとうございます。
白馬岳のツクモグサについては、
昨年アップした前々作
https://blog.goo.ne.jp/mouura2/e/b77418e74180277de94a3304e669cd4c
で触れております。ご面倒でもどうかお確かめ下さいませ。
>山歩きについては今回が最後とのこと
これは1993年時点でのひとまずの所感です。
その後、2013年頃から再開してますよ。
鳥海山に関しては、コロナ禍の影響も有り、遠出できないため、
近場にある鳥海山には昨年一昨年はよく行きました。
今年も雪が融けたら行くと思います。
話変わり、御嶽海優勝よかったですね。
(´π`;)ワタシも密かなファンなんです。
「nemobabablog」「ねもばあばのはっぴーらいふ」、今後も継続愉しみにしてます。
返信する
ミルクさんへ。 (モウズイカ)
2022-01-24 12:55:55
コメントありがとうございます。
現在はどうなのかよくわかりませんが、
1990年代の白馬岳、特に大雪渓のある側は人が多かったですね。
新宿駅から延々とつながっているのではないかと思ったほどでした。
それでも他のルート、例えば不帰の嶮への縦走路などは閑散としてましたよ。
キヌガサソウの方は、近く「高山植物」カテゴリーでクローズアップ記事を計画しております。
その記事は白馬大雪渓で見たところから、始めようと思ってます。
その意味でも、この大昔の白馬遠征記事を終わらせておかねばならないと思い、
本日のアップとなりました。
返信する
モウズイカさんへ (nemobabab)
2022-01-24 15:12:01
ありがとうございます。
白馬岳のツクモグサを拝見しうれしかったです。
沢山塊を作って逞しい感じですね。白馬の高所でも7月中旬になると花が進んでいるのかもしれません。
八ケ岳では6月第1週に花冠が出るのを待って、人が少ない時期に会いに行くためか黄色がもう少し淡い気がします。もう1週間遅くするとチョウノスケソウとオヤマノエンドウと一緒に撮ることができます。
返信する
nemobabaさんへ。 (モウズイカ)
2022-01-24 15:25:20
報告ありがとうございます。
チョウノスケソウとオヤマノエンドウはツクモグサ同様、
東北では見られない花です。
1990年、白馬に登った際、終わりかけの花をちらりと見ましたが、
新鮮なものや盛りの時の花をいつかしっかりと見たいものです。
生きてるうちに逢えるものやら。
そのためにもコロナ終息を祈るばかりです。
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