shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

白山花紀行(2024年版)

2024-09-15 11:28:22 | 山行・旅行
『白山花紀行』は7~8月に白山の登山道を歩いて、観た花をまとめたものです。
高山帯・亜高山帯の分類は、実際に観た場所の標高によるものです。従ってその区別は正確ではありません。
2024年版では、新たに中宮道で観た植物を加えました。
記載内容に間違いなどがありましたら、お教えいただきますようお願い申し上げます。

1. 高山帯(およそ2100m~)の花
■ 草本
・ゴゼンタチバナ Cornus canadensis(御前橘、ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)
(写真 2019/07/21 平瀬道)


・コイワカガミ Schizocodon soldanelloides var. soldanelloides f. alpinus(小岩鏡、イワウメ科イワカガミ属の多年草)
コイワカガミの葉には両側に鋸歯が8個あるのに対し、イワカガミの葉には両側に鋸歯が十数個あるので区別できる。
(写真 2019/07/21,26 室堂平)


・イワカガミ Shortia soldanelloides(岩鏡、イワウメ科イワカガミ属の多年草)
(写真 2022/07/24 弥陀ヶ原)


・ミヤマキンポウゲ Ranunculus acris var. nipponicus(深山金鳳花、キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草)
(写真 2019/07/21 平瀬道)




・シナノキンバイ Trollius shinanensis (信濃金梅、キンポウゲ科キンバイソウ属の多年草)
(写真 2022/07/23 観光新道)


・ミヤマキンバイ Potentilla matsumurae (深山金梅、バラ科キジムシロ属の多年草)
(写真 2018/08/07 トンビ岩コース)


・ミヤマダイコンソウ Geum calthifolium var. nipponicum (深山大根草、バラ科ダイコンソウ属の多年草)
(写真 2022/07/23 観光新道)




・ハクサンイチゲ Anemone narcissiflora(白山一花、白山一華、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)
(写真 2022/07/24 石徹白道)


・カラマツソウ Thalictrum aquilegiifolium var. intermedium(落葉松草、唐松草、キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草)
(写真 調整中)

・モミジカラマツ Trautvetteria caroliniensis var. japonica(紅葉落葉松草、紅葉唐松、キンポウゲ科モミジカラマツ属の多年草)
(写真 2019/07/21 平瀬道)


・ハクサンコザクラ Primula cuneifolia .var. hakusanensis(白山小桜、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)
(写真 上 2022/07/24 石徹白道、下 2019/07/26 室堂平)




・キバナノコマノツメ Viola biflora (黄花の駒の爪、スミレ科スミレ属の多年草)
(写真 2022/07/24 石徹白道)


・イワオウギ Hedysarum vicioides subsp. japonicum var. japonicum(岩黄蓍、マメ科イワオウギ属の多年草)
(写真 2022/07/23 観光新道)


・ミツバオウレン Coptis trifolia(三つ葉黄連、キンポウゲ科オウレン属の多年草)
ミツバオウレンの花茎は緑色、ミツバノバイカオウレンは赤銅色をしている。
(写真 2022/07/24 石徹白道)


・ミツバノバイカオウレン(コシジオウレン)Coptis trifoliolata (三つ葉梅花黄連、キンポウゲ科オウレン属の多年草)
(写真 2022/07/24 石徹白道)


・ヤマガラシ Barbarea cochlearifolia (山芥子、アブラナ科ヤマガラシ族の多年草)
(写真 2019/07/21 室堂平)


・ハクサンオミナエシ Patrinia triloba var. triloba(白山女郎花、スイカズラ科オミナエシ属の多年草)
(写真 2019/07/27 観光新道)


・ミヤマタンポポ Taraxacum alpicol (深山蒲公英、キク科タンポポ属の多年草)
(写真 2019/07/21 室堂平)


・カンチコウゾリナ Picris hieracioides subsp. kamtschatica(寒地髪剃菜、キク科 コウゾリナ属の多年草)
カンチコウゾリナは葉先が尖り鋸歯が鋭いのに対し、ミヤマコウゾリナは葉先が丸く、下部に大きな葉が付く。頭花の径はカンチコウゾリナが3cm、ミヤマコウゾリナが2cmである。
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・ミヤマコウゾリナ Hieracium japonicum(深山髪剃菜、キク科ヤナギタンポポ属の多年草)
(写真 2022/07/24 エコーライン)


・ミヤマオトコヨモギ Artemisia pedunculosa (深山男蓬、キク科ヨモギ属の多年草)
(写真 2022/07/23 観光新道)

 
・ヒトツバヨモギ Artemisia viridissima var. japonica (一葉蓬、キク科ヨモギ属の多年草)
(写真 2023/08/08 南竜水平道)


・ヒメクワガタ Veronica stelleri Pall. subsp.nipponica(姫鍬形、ゴマノハグサ科クワガタソウ属の多年草)
(写真 2019/07/21 室堂平)


・ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)Hemerocallis middendorffii var. esculenta (禅庭花、ススキノキ科キスゲ亜科ワスレグサ属の多年草)
(写真 上 2019/07/21 室堂平、下 2020/08/14 加賀禅定道)




・タテヤマウツボグサ Prunella prunelliformis(立山靫草、シソ科ウツボグサ属の多年草)
(写真 上2022/07/24 石徹白道、下2023/08/08 観光新道)




・タカネナデシコ Dianthus superbus var. speciosus(高嶺撫子、ナデシコ科ナデシコ属の多年草)
(写真 2023/08/08 観光新道)


・ハクサンチドリ Dactylorhiza aristata (白山千鳥、ラン科ハクサンチドリ属の多年草)
(写真 2019/07/21 平瀬道)


・テガタチドリ Gymnadenia conopsea (手形千鳥、ラン科テガタチドリ属の多年草)
(写真 上2019/07/26 エコーライン)


・ノビネチドリ Neolindleya camtschatica(延根千鳥、ラン科ノビネチドリ属の多年草)
(写真 2020/07/06 南竜)


・タカネアオヤギソウ Veratrum maackii var. longibracteatum (高嶺青柳草、シュロソウ科シュロソウ属の多年草)
左に咲いている桃色の花はテガタチドリ。
(写真 2022/07/23 観光新道)


・ヨツバシオガマ Pedicularis japonica (四葉塩釜、ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)
(写真 上:2019/07/22 平瀬道、下:2019/07/26 砂防新道)




・エゾシオガマ Pedicularis yezoensis (蝦夷塩釜、ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)
(写真 2022/07/24 石徹白道)


・ハクサンフウロ Geranium yesoense var. nipponicum(白山風露、フウロソウ科フウロソウ属の多年草)
(写真 上:2019/07/27 観光新道、下:2019/07/22 平瀬道)




・ミヤマクロユリ Fritillaria camtschatcensis. var. keisukei (深山黒百合、ユリ科バイモ属の多年草)
(写真 上 2019/07/21 室堂平、下 2022/07/24 室堂平)




・イワオトギリ Hypericum kamtschaticum var. hondoense (岩弟切、オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草)
シナノオトギリは葉の縁に黒点が並び、イワオトギリは葉の全面に黒点が散らばる。
(写真 2019/07/26 砂防新道)


・シナノオトギリ Hypericum kamtschaticum var. senanense(信濃弟切、オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草)
(写真 2022/07/24 エコーライン)


・コバイケイソウ Veratrum stamineum (小梅蕙草、ユリ科シュロソウ属の多年草)
(写真 上 2019/07/26 室堂平、下 2019/07/26 弥陀ヶ原)




・ミヤマアキノキリンソウ Solidago virgaurea subsp. leiocarpa(コガネギク)(深山秋の麒麟草、キク科アキノキリンソウ属の多年草)
(写真 上2019/07/21 室堂平、下2020/08/14 加賀禅定道)




・マルバダケブキ Ligularia dentata (丸葉岳蕗、キク科メタカラコウ属の多年草)
(写真 2022/07/24 石徹白道)


・ハナニガナ Ixeris dentata var. albiflora f. amplifolia (花苦菜、キク科ニガナ属の多年草
(写真 2020/08/14 加賀禅定道)


・ヤマハハコ Anaphalis margaritacea(山母子、キク科ヤマハハコ属の多年草)
(写真 2020/08/14 加賀禅定道)




・カライトソウ Sanguisorba hakusanensis (唐糸草、バラ科バラ亜科ワレモコウ属の多年草)
(写真 2022/07/24 石徹白道)


・クルマユリ Lilium medeoloides (車百合、ユリ科ユリ属の多年草)
(写真 2020/08/14 室堂平)


・オンタデ Aconogonon weyrichii var. alpinum (御蓼、タデ科オンタデ属の多年草)
雄花。(写真 2019/07/26 室堂平)


雌花。(写真 2019/08/14 加賀禅定道)


・イワツメクサ Stellaria nipponica (岩爪草、ナデシコ科ハコベ属の多年草)
(写真 2024/08/25 中宮道)


・タカネマツムシソウ Scabiosa japonica var. alpina (高嶺松虫草、マツムシソウ科マツムシソウ属の越年草)
(写真 上 2022/07/23 観光新道、下 2017/08/01 観光新道)




・イワイチョウ Nephrophyllidium crista-galli (岩銀杏、ミツガシワ科イワイチョウ属の多年草)
(写真 2020/08/14 加賀禅定道)


・ハクサンシャジン Adenophora triphylla var.hakusanensis (白山沙参、キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草)
(写真 2018/07/30 観光新道)




・イワギキョウ Campanula lasiocarpa(岩桔梗、キキョウ科ホタルブクロ属の多年草)
(写真 2024/08/25 中宮道)


・ネバリノギラン Aletris foliata (粘芒蘭、ソクシンラン属の多年草)
(写真 2023/08/08 南竜水平道)


・ミヤマリンドウ Gentiana nipponica(深山竜胆、リンドウ科リンドウ属の越年草)
(写真 上 2019/07/26 室堂平、下 2020/08/14 加賀禅定道)




・オヤマリンドウ Gentiana makinoi (御山竜胆、リンドウ科リンドウ属の多年草)
(写真 2023/08/08 南竜ヶ馬場)


・ハクサンボウフウ Peucedanum multivittatum (白山防風、セリ科カワラボウフウ属の多年草)
(写真 2022/07/24 エコーライン)


・ミヤマセンキュウ Conioselinum filicinum (深山川芎、セリ科ミヤマセンキュウ属の多年草)
(写真 2023/08/08 南竜水平道)


・イブキゼリモドキ Tilingia holopetala(伊吹芹擬、セリ科シラネニンジン属の多年草)
(写真 2024/08/25 中宮道)


・ミヤマゼンコ Coelopleurum multisectum(深山前胡、セリ科エゾノシシウド属の多年草)
(写真 2022/07/23 観光新道)


・ミヤマトウキ Angelica acutiloba subsp.iwatensis (深山当帰、セリ科シシウド属の多年草)
(写真 2022/07/23 観光新道)


・ミヤマシシウド Angelica pubescens var. matsumurae(深山猪独活、セリ科シシウド属の多年草)
(写真 2019/07/26 エコーライン)


・ミヤマダイモンジソウ Saxifraga fortunei Hook.f. var. alpina(深山大文字草、ユキノシタ科ダイモンジソウ属の多年草)
(写真 2020/08/14 加賀禅定道)


・イワショウブ Triantha japonica (岩菖蒲、チシマゼキショウ科イワショウブ属の多年草)
(写真 2024/08/25 中宮道)


・イブキトラノオ Bistorta officinalis Delarbre subsp. japonica (伊吹虎の尾、タデ科イブキトラノオ属の多年草)
(写真 2019/07/27 観光新道)


・ハクサンタイゲキ Euphorbia togakusensis (白山大戟、トウダイグサ科トウダイグサ属の多年草)
(写真 2019/07/27 観光新道)




・ミソガワソウ Nepeta subsessilis (味噌川草、シソ科イヌハッカ属の多年草)
(写真 2024/08/26 砂防新道)


・ハクサンアザミ Cirsium matsumurae(白山薊、キク科アザミ属の多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・タテヤマアザミCirsium babanum var. otayae(立山薊、キク科アザミ属の多年草)
(写真 2023/08/08 南竜水平道)


■ 木本
・ハクサンシャクナゲ Rhododendron brachycarpum (白山石楠花、ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)
(写真 2019/07/26 エコーライン)


・ウラジロナナカマド Sorbus matsumurana(裏白七竃、バラ科ナナカマド属の落葉低木)
(写真 2019/07/21 室堂平)


・チングルマ Geum pentapetalum(珍車、稚児車、バラ科ダイコンソウ属の落葉小低木)
黄色の花はミヤマキンポウゲ。(写真 2019/07/26 エコーライン)




・ハイマツ Pinus pumila (這松、マツ科マツ属の常緑針葉樹)
写真はハイマツの実。(写真 2019/07/26 室堂平)


・オオシラビソ(アオモリトドマツ)Abies mariesii f. hayachinensis(大白檜曽、マツ科モミ属の常緑針葉樹)
写真はオオシラビソの実。 (写真 217/0804 南縦走路)


・アオノツガザクラ Phyllodoce aleutica (青の栂桜、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木)
(写真 2019/07/26 エコーライン)


・ツガザクラ Phyllodoce nipponica (栂桜、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木)
(写真 2022/07/23 南竜)


・クロウスゴ Vaccinium ovalifolium (黒臼子、ツツジ科スノキ属の落葉低木)
(写真 2022/07/23 南竜)


・クロマメノキ Vaccinium uliginosum (黒豆の木、ツツジ科スノキ属の落葉低木)
(写真 2023/08/08 エコーライン)


2. 亜高山帯・山地帯(およそ1200m~2200m)の花
■ 草本
・マイヅルソウ Maianthemum dilatatum (舞鶴草、キジカクシ科スズラン亜科マイヅルソウ属の多年草)
(写真 2020/07/05 砂防新道)


・ヤグルマソウ Rodgersia podophylla (矢車草、ユキノシタ科ヤグルマソウ属の多年草)
(写真 2020/07/06 砂防新道)


・クロクモソウ Micranthes fusca var. kikubuki (黒雲草、ユキノシタ科チシマイワブキ属の多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・ショウジョウバカマ Heloniopsis orientalis(猩々袴、メランチウム科ショウジョウバカマ属の多年草)
垂直分布が広いのが特徴の一つ。雪解け直後の雪田植物に混じって咲いていた。
(写真 2020/07/06 南竜)


・オオバギボウシ Hosta sieboldiana var. sieboldiana(大葉擬宝珠、リュウゼツラン亜科ギボウシ属の多年草)
白山の登山道では山地帯~亜高山帯にかけて観られる。
(写真 2022/07/25 別山市ノ瀬道)




・ソバナ Adenophora remotiflora (岨菜、蕎麦菜、キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・ツルニンジン Codonopsis lanceolata (蔓人参、キキョウ科のつる性多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・ササユリ Lilium japonicum (笹百合、ユリ科ユリ属の球根植物)
慶松平~観光新道の稜線上に多く観られる。
(写真 2019/07/27 観光新道)


・キヌガサソウ Paris japonica (Franch. et Sav.) Franch.(衣笠草、シュロソウ科キヌガサソウ属の多年草)
観光新道の殿ヶ池避難小屋付近でも観られる。
(写真 2019/07/21 平瀬道)


・エンレイソウ Trillium smallii (延齢草、シュロソウ科エンレイソウ属の多年草)
(写真 2020/07/05)


・センジュガンピ Lychnis gracillima(千手岩菲、ナデシコ科センノウ属の多年草)
(写真 2019/07/26 砂防新道)


・ヨツバヒヨドリ Eupatorium chinense var. sachalinense(四葉鵯、キク科ヒヨドリバナ属の多年草)
(写真 2019/07/26 砂防新道)


・オオバミゾホオズキ Mimulus sessilifolius (大葉溝酸漿、ハエドクソウ科ミゾホオズキ属の多年草)
(写真 2019/07/21 平瀬道)


・サラシナショウマ Cimicifuga simplex (晒菜升麻、更科升麻、キンポウゲ科サラシナショウマ属 の多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・ヤマブキショウマ Aruncus dioicus var. kamtschaticus (山吹升麻、バラ科ヤマブキショウマ属の多年草)
(写真 2019/07/26 砂防新道)


・シモツケソウ Filipendula multijuga (下野草、バラ科シモツケソウ属の多年草)
(写真 2022/07/24 石徹白道)


・オニシモツケ Filipendula camtschatica (鬼下野、バラ科シモツケソウ属の多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・タカネニガナ Ixeris dentata var. alpicola(高嶺苦菜、キク科ニガナ属の多年草)
(写真 2019/07/21 平瀬道)


・ノギラン Metanarthecium luteoviride (芒蘭、キンコウカ科ノギラン属の多年草)
(写真 2022/07/25 別山市ノ瀬道)


・ツルアリドオシ Mitchella undulata (蔓蟻通し、アカネ科ツルアリドオシ属の多年草)
(写真 2018/08/13 加賀禅定道)


・エゾノヨツバムグラ Galium kamtschaticum var. kamtschaticum(蝦夷の四葉葎、アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属の多年草)
(写真 2024/08/25 中宮道)


・ミヤマコゴメグサ Euphrasia insignis subsp. insignis var. insignis(深山小米草、ハマウツボ科コゴメグサ属の一年草 )
(写真 2020/08/13 加賀禅定道)


・トモエシオガマ Pedicularis resupinata var. caespitosa(巴塩竃、ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)
(写真 2024/08/24 中宮道)


・ウメバチソウ Parnassia palustris(梅鉢草、ニシキギ科ウメバチソウ属の多年草)
(写真 2020/08/14 加賀禅定道)


・カニコウモリ Parasenecio adenostyloides(蟹蝙蝠、キク科コウモリソウ属の多年草)
(写真 上 2020/08/13 加賀禅定道、下 2024/08/24 中宮道)




・オオカニコウモリ Parasenecio nikomontanus(大蟹蝙蝠、キク科コウモリソウ属の多年草)
カニコウモリの花は長い総状に、オオカニコウモリの花は頂上に集まって咲く。オオカニコウモリの葉は五角形状で、茎はジグザグである。
(写真 2024/08/24 中宮道)


・アキノキリンソウ Solidago virga-aurea var. asiatica(秋の麒麟草、キク科アキノキリンソウ属の多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・キオン Senecio nemorensis (黄苑、キク科キオン属の多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・タマガワホトトギス Tricyrtis latifolia (玉川杜鵑・玉川杜鵑草、ユリ科ホトトギス属の多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・オオヤマサギソウ Platanthera sachalinensis(大山鷺草、ラン科ツレサギソウ属の多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)




・キツリフネ Impatiens noli-tangere (黄釣船一年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)




・ミヤマトウバナ Clinopodium micranthum var. sachalinense (深山塔花、シソ科トウバナ属の多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・アキギリ Salvia glabrescens (秋桐、シソ科アキギリ属の多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・オオアキギリSalvia glabrescens f. robusta (大秋桐、シソ科アキギリ属の多年草)
オオアキギリはアキギリより全体に大型で葉の形が丸みをおび幅が広い。 アキギリの葉の鋸歯は比較的揃っているが、オオアキギリの鋸歯は不揃いである。
(写真 2024/08/24 中宮道)


・ハクサンカメバヒキオコシ Isodon umbrosus var. hakusanensis (白山亀葉引き起こし、シソ科ヒキオコシ属の多年草)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


・ジャコウソウ Chelonopsis moschata (麝香草、シソ科ジャコウソウ属の多年草)
(写真 2024/08/24 中宮道)


・ギンリョウソウモドキ Monotropa uniflora(銀竜草擬、ツツジ科シャクジョウソウ属の多年草)
(写真 2024/08/24 中宮道)


■ 木本
・ミズキ Cornus controversa var. controversa(水木、ミズキ科ミズキ属の落葉高木)
(写真 2020/07/05 砂防新道 )


・シモツケ Spiraea japonica (下野、バラ科シモツケ属の落葉低木)
観光新道を代表する花の一つ。シモツケソウと並んで咲いているところもある。
(写真 2019/07/27 観光新道)


・ミヤマホツツジ Elliottia bracteata (深山穂躑躅、ツツジ科ホツツジ属の落葉小低木)
(写真 2020/08/13 加賀禅定道)


・ノリウツギ Hydrangea paniculata (糊空木、アジサイ科アジサイ属の落葉低木)
(写真 2022/07/25 別山市ノ瀬道)


・エゾアジサイ Hydrangea serrata var. yesoensis (蝦夷紫陽花、アジサイ科アジサイ属の落葉低木)
(写真 2022/07/25 別山市ノ瀬道)


・クサボタン Clematis stans (草牡丹キンポウゲ科センニンソウ属の半低木)
(写真 2023/08/07 砂防新道)


この他に草本ではオタカラコウ、マルバダケブキ、サンカヨウなどを、木本ではムシカリ、ウラジロヨウラク、コケモモなどを観ましたが、適当な写真がなく載せていません。

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妙義神社

2024-09-14 14:09:49 | 山行・旅行
山岳信仰の中心となり、山に抱かれるように建っている神社は、日本中に数多ある。妙義神社もその一つである。
妙義神社は妙義山信仰と一体であり、今もなお修行の場となっている。妙義山への登山道もここから始まっている。

9月11日に群馬県富岡市にある妙義神社を訪ねた。
クルマを道の駅みょうぎに駐めた。ここから妙義山が眺められた。


県道に面した一の鳥居をくぐり、妙義山へ向けて真っ直ぐな坂道を登っていく。


左右に旅館が建ち並んでいた。途中で4名の山伏とすれ違った。


坂を登ると十数段の石段があり、その上に妙義神社と刻された石柱があった。その奥に立派な枝垂れ桜が見えていた。


さらに先へ進むと総門に至った。朱に塗られた総門は安永2年(1773年)の建立で、国の重要文化財の指定を受けている。


総門の先に札所があり、その先にさらに石段が続く。石段を上がった右手側に社務所と御殿が置かれているが、こちらは帰路に寄ることにして先へ進む。


銅鳥居をくぐる。この鳥居は享保4年(1719年)に建立されている。右手奥には旧御本社の波己曾社(はこそしゃ)が鎮座するが、やはり帰路に寄ることにする。


石造の太鼓橋を渡ると、上部神域へと一直線に延びる165段の石段がある。休まずにいっきに登ったら、汗がにじみ出てきた。


登り切った神域の入り口に随神門があり、左大臣・右大臣が向き合っておられた。
 
さて、いよいよ御本社である。宝暦6年(1756年)に建てられた御本社は、国の重要文化財となっている。各所に金の装飾が施されていてとても立派だ。
御本社は拝殿、幣殿、本殿からなり、御本社拝殿北側に神餞所(しんせんじょ)が附属する。神餞所も国の重要文化財となっている。


参拝を済ませ振り返ると、空には入道雲が、そして旧松井田町(現安中市)付近の街並みが見えていた。


帰路は北門から下った。門を出るとすぐに石灯籠が並んでいた。


その側にシュウカイドウ(シュウカイドウ科シュウカイドウ属の多年草)が咲いていた。中国大陸、マレー半島が原産で、日本には江戸時代に園芸用として渡来している。


北へ向かって真っ直ぐに進む。樹齢数百年と思われる大きなスギが立ち並んでいた。


山側から清らかな水が流れてきていた。小さな祠があり水神社の立て札があった。


スギの樹を見上げる。高さは30メートルを優に超えているように見えた。




北に突き当たる所に2本の柱が建っていて、しめ縄が架けられていた。


近寄って見ると、ここが登山道の起点だった。
柱に「神者依人之敬増威」「人者依神之徳添運」と記されている。神は人の敬によって威を増し、人は神の徳によって運を添うということらしい。
側に置かれた看板に「上級者コース」と赤字で書かれていた。いずれにしても、花を眺めながらのんびり歩く私のスタイルには合わなさそうだ。


振り返って御本社を見た。そして登山口を正面にして右に曲がり、今度は緩やかな石段を下りた。


石段を半分ほど下りたところに、清流が流れていた。触ると冷たかった。付近にミズヒキ(タデ科イヌタデ属の多年草)が咲いていた。


途中に句碑が建っていた。雲に嶮し妙義ひぐらし青の陣は、大正11年生まれで今年102歳となる河野多希女の句である。


石段を下りきると、先ほど登った165段の上り口に出てきた。


ここにも立派なスギの樹が立っていた。


ここから左へ折れて、旧御本社の波己曾社へ向かった。「波己曽」の由来は「いわこそ」であり、大岩信仰が起源と言われている。
社殿は本殿、幣殿、拝殿からなり、旧御本社といい伝えられている。明暦2年(1656年)の建造と考えられており、群馬県指定の重要文化財となっている。


詳しいことは分からないが、拝殿内部はとても豪華だった。


波己曾社を後にして次に御殿に向かった。
途中に見えた御神木の樹齢は400年、幹回りが4メートル、高さは50メートルあるそうだ。御神木にはしめ縄が巻かれていた。


境内はどこを歩いても樹木が多かった。


下界は35℃にもなろうとしていたが、お陰様で境内は涼しく感じた。


御殿に向かう。


御殿は寛永6年(1629年)の建立で、富岡市指定の重要文化財となっている。俗に宮様御殿といわれ、寛永13年から江戸東叡山寛永寺の座主輪王寺宮の隠居所となっていた。


戻る途中に波己曾社の背後が見えていた。


30分余りをかけて妙義神社の境内を歩いてきた。境内を出ると灼熱の太陽に照らされ、いっきに汗が出てきた。


撮影:2024/09/11

妙義神社(完)
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植物クロスワード(51)『晩夏から秋の季語』の答え

2024-09-12 05:30:00 | クロスワードパズル


タテのカギ
1 表皮がまだ緑色のミカン。三秋の季語。芭蕉の句に、『行く秋のなお頼もしや――』がある。
2 つる性の果実野菜。からみつく性質を利用し、支柱を立てて栽培する。晩夏の季語。大江丸に句に、『――いでて市四五日のみどりかな』がある。大江丸は江戸時代中期の俳人。
3 筆者のポリシーの一つに、『――者は追わず来る者は拒まず』がある。
4 日本三名瀑は、和歌山県の『那智の滝』、茨城県の『袋田の滝』と、栃木県の『――』と言われている。
5 周囲が進化している中では、現状――は衰退に等しい。
6 親方の家に住みこんで商工業の技術を見習う少年。
7 学校行事としては、一般的には秋に行う事が多い。春に行う学校もある。三秋の季語。
10 ――の花は初秋の季語。今年は令和の米騒動のなか、台風による長雨の影響が心配。一茶の句に、『――の花大の男の隠れけり』がある。
15 一つのメロディを、複数のパートが追いかけるように演奏していく演奏様式。パッヘルベルの――が有名。
17 野球で無死か一死の時に、打者がアウトになりながら攻撃に貢献する打撃。犠牲フライと犠牲バントがある。
18 明治時代に日本に来た西洋人が住んだ洋風の住宅や商館。神戸市北野町に建ち並ぶものが有名。
19 東京の北の玄関口とも言われる、東北本線や常磐線などの始発駅がある地名。
20 百人一首でお馴染みの山部赤人の歌。『――ゆうち出でてみれば真白にぞ 富士の高嶺に雪は降りける』。
21 「むしご」「むしこ」とも読む。三秋の季語。原石鼎の句に、『――に朱の二筋や昼の窓』がある。原石鼎は高浜虚子に師事した俳人。
23 機器に定格負荷以上の負荷がかかっている状態で、故障の原因になる。
24 ――は1000年、八千代は8000年。
26 試合の前の予備的な演技。トライアル。同じ発音の鳥がいる。
27 小型の銃や銃砲のこと。同じ発音の鳥がいる。

ヨコのカギ
1 山野に自生する秋の草の総称。三秋の季語。中村汀女の句に、『朝早や誰ぞ――をとりもどる』がある。 中村汀女は高浜虚子に師事した俳人。
4 ヒユ科の一年草で、ニワトリのとさかのような真っ赤な細かい花をつける。三秋の季語。芭蕉の句に、『――や雁の来る時尚あかし』がある。
8 HOT WATER。
9 筆者がブログを書く際にお世話になっている辞典の一つ。筆者はこれで語彙力不足を補っている。
11 マグロの水揚げで有名な三崎漁港は――半島の南端にある。
12 地球が太陽の周囲を1周する時間。
13 赤道と平行に南北に地球を横に切る線の目盛り。0度から90度まである。
14 冬の渡り鳥の一つ。体は肥っていて灰褐色。頚が長く尾は短い。晩秋の季語。芭蕉の句に、『雲とへだつ友かや――のいきわかれ』がある。
16 稲や麦などイネ科植物で、花の外側の穎 (えい) の先端にある針状の突起。
18 江戸中期の地理学者・測量家。上総(かずさ)の人。日本最初の実測地図を作製した。
21 JRの合理化に伴い、利用者置き去りで毎年増えてきているもの。
22 ヨコ9の利用により、筆者はこれの不足を補っている。
23 家に仕える臣下。家来 (けらい) 。家人 (けにん) 。
24 長野県南信地方の――市は、八ヶ岳、白樺湖、蓼科高原、車山など観光資源を多く抱える諏訪地方中部の市である。
25 最近の――なことの一つが、国民に人気のある正論を唱える議員が、自民党内では人気がないということ。自民党総裁選は12日告示、27日投開票だが、さてどうなる?
26 「この寿司にガリが付いてないよ」「――ないねぇ~」。
28 言いすぎ。「――でない」と否定文で使うことが多い。
29 「紫色の花が咲くと秋」と言われるように、秋を代表する花。初秋の季語。芭蕉が越中市振の宿で詠んだ句に、『一家に遊女もねたり――と月』がある。
30 トライアスロンの最終パート。

過去のクロスワードパズルは、このページ左にあるカテゴリー◆クロスワードパズルからご覧いただけます。
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植物クロスワード(51)『晩夏から秋の季語』

2024-09-10 05:30:00 | クロスワードパズル
前回好評をいただいたことより、今回もテーマを『季語』としました。
晩夏から秋にかけての季語をクロスの中に散りばめました。季節を感じながらお楽しみ下さい。
(俳句の旧仮名づかいは、現代仮名づかいにあらためています。)

答えは9月12日にアップします。


タテのカギ
1 表皮がまだ緑色のミカン。三秋の季語。芭蕉の句に、『行く秋のなお頼もしや――』がある。
2 つる性の果実野菜。からみつく性質を利用し、支柱を立てて栽培する。晩夏の季語。大江丸に句に、『――いでて市四五日のみどりかな』がある。大江丸は江戸時代中期の俳人。
3 筆者のポリシーの一つに、『――者は追わず来る者は拒まず』がある。
4 日本三名瀑は、和歌山県の『那智の滝』、茨城県の『袋田の滝』と、栃木県の『――』と言われている。
5 周囲が進化している中では、現状――は衰退に等しい。
6 親方の家に住みこんで商工業の技術を見習う少年。
7 学校行事としては、一般的には秋に行う事が多い。春に行う学校もある。三秋の季語。
10 ――の花は初秋の季語。今年は令和の米騒動のなか、台風による長雨の影響が心配。一茶の句に、『――の花大の男の隠れけり』がある。
15 一つのメロディを、複数のパートが追いかけるように演奏していく演奏様式。パッヘルベルの――が有名。
17 野球で無死か一死の時に、打者がアウトになりながら攻撃に貢献する打撃。犠牲フライと犠牲バントがある。
18 明治時代に日本に来た西洋人が住んだ洋風の住宅や商館。神戸市北野町に建ち並ぶものが有名。
19 東京の北の玄関口とも言われる、東北本線や常磐線などの始発駅がある地名。
20 百人一首でお馴染みの山部赤人の歌。『――ゆうち出でてみれば真白にぞ 富士の高嶺に雪は降りける』。
21 「むしご」「むしこ」とも読む。三秋の季語。原石鼎の句に、『――に朱の二筋や昼の窓』がある。原石鼎は高浜虚子に師事した俳人。
23 機器に定格負荷以上の負荷がかかっている状態で、故障の原因になる。
24 ――は1000年、八千代は8000年。
26 試合の前の予備的な演技。トライアル。同じ発音の鳥がいる。
27 小型の銃や銃砲のこと。同じ発音の鳥がいる。

ヨコのカギ
1 山野に自生する秋の草の総称。三秋の季語。中村汀女の句に、『朝早や誰ぞ――をとりもどる』がある。 中村汀女は高浜虚子に師事した俳人。
4 ヒユ科の一年草で、ニワトリのとさかのような真っ赤な細かい花をつける。三秋の季語。芭蕉の句に、『――や雁の来る時尚あかし』がある。
8 HOT WATER。
9 筆者がブログを書く際にお世話になっている辞典の一つ。筆者はこれで語彙力不足を補っている。
11 マグロの水揚げで有名な三崎漁港は――半島の南端にある。
12 地球が太陽の周囲を1周する時間。
13 赤道と平行に南北に地球を横に切る線の目盛り。0度から90度まである。
14 冬の渡り鳥の一つ。体は肥っていて灰褐色。頚が長く尾は短い。晩秋の季語。芭蕉の句に、『雲とへだつ友かや――のいきわかれ』がある。
16 稲や麦などイネ科植物で、花の外側の穎 (えい) の先端にある針状の突起。
18 江戸中期の地理学者・測量家。上総(かずさ)の人。日本最初の実測地図を作製した。
21 JRの合理化に伴い、利用者置き去りで毎年増えてきているもの。
22 ヨコ9の利用により、筆者はこれの不足を補っている。
23 家に仕える臣下。家来 (けらい) 。家人 (けにん) 。
24 長野県南信地方の――市は、八ヶ岳、白樺湖、蓼科高原、車山など観光資源を多く抱える諏訪地方中部の市である。
25 最近の――なことの一つが、国民に人気のある正論を唱える議員が、自民党内では人気がないということ。自民党総裁選は12日告示、27日投開票だが、さてどうなる?
26 「この寿司にガリが付いてないよ」「――ないねぇ~」。
28 言いすぎ。「――でない」と否定文で使うことが多い。
29 「紫色の花が咲くと秋」と言われるように、秋を代表する花。初秋の季語。芭蕉が越中市振の宿で詠んだ句に、『一家に遊女もねたり――と月』がある。
30 トライアスロンの最終パート。

(参考)秋を1ヶ月ずつに分けると順に初秋、仲秋、晩秋といい、秋の3ヶ月を三秋という。
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白山 初秋の中宮道を歩く(その⑥ 下山 室堂~別当出合)

2024-09-07 06:25:44 | 山行・旅行
この記事は白山 初秋の中宮道を歩く(その⑤ 北弥陀ヶ原~室堂)の続きです。
植物の名前は分かった時点で書き加えています。


(左が全体地図。続いて歩いた順の詳細地図。地図をクリックすると大きくなります。)
          

室堂に宿泊するのは1年ぶりだった。
近づいてくる台風と雨の予報のため、日曜だというのに泊まり客が少なかった。夕食の時間まで濡れた衣類を乾かしたりして過ごした。
夕食でご飯と味噌汁をおかわりした。食欲旺盛だ。食後は特にすることがないので、歯磨きをして消灯時間の前に眠りについた。

翌朝暗いうちに山頂まで登る団体客の喧噪で目覚めた。雨は降っていなかったが天気予報は曇りで、実際曇っていた。お日の出(白山ではご来光のことをそう呼ぶ)は期待できそうになかった。
結局5時過ぎまで横になって過ごした。

食事は6時からなので、その前に室堂周辺を散策した。
曇ってはいたが山頂がよく見えた。今からでも登れるがお日の出には間に合わない。それに山頂に着いた時に晴れているとは限らない。
 

後から聞いたところでは、お日の出は雲に隠れて観られなかったそうだ。また北アルプス方面はずっと観られなかったらしい。
いずれにしても6時に食事を食べて、すぐに下山するつもりだったので、散策を6時前に切り上げることにした。
(写真は白山比咩神社奥宮と室堂ビジターセンター)
 

宿泊棟を出ると目の前にミヤマアキノキリンソウ、ヤマハハコなどが咲いていた。


ミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)。


ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)。


ゴマナ(キク科シオン属)。


ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)の残花。
 

タテヤマアザミ(キク科アザミ属)。


オンタデ(タデ科オンタデ属)の雌株。


ミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属)。
 

ミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草)。
 

ウラジロナナカマド(バラ科ナナカマド属)。


イブキトラノオ(タデ科イブキトラノオ属)。
 



ハクサンイチゴツナギ(イネ科イチゴツナギ属)かもしれないが、よく分からなかった。
 

20分ほど散策して室堂センターに戻ってきた。御前峰にガスがかかり始めていた。


朝食を終え、身支度を調えて6時30分に室堂センターを出た。センターの前にトリカブトの仲間が咲いていた。空はどんより曇っていた。
 

五葉坂を下っていくと眼下に雨雲が漂って見えた。いずれ雨が降りそうだった。


弥陀ヶ原を足速に通り過ぎた。
 

そして黒ボコ岩の所でザックから雨具を出し、ザックにレインカバーを着けた。
 

十二曲りを下り始めると程なくして雨が降ってきた。雨に濡れている石段は滑りやすい。足元に気をつけて下りた。延命水は一口だけ飲んで先を急いだ。

シモツケソウ(バラ科シモツケソウ属)。


ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属)。


ミソガワソウ(シソ科イヌハッカ属)。


ミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属)。


カライトソウ(バラ科バラ亜科ワレモコウ属)。


サラシナショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属)。


7時28分、南竜分岐まで下りてきた。眼下に甚ノ助避難小屋が見えていた。


7時45分、甚ノ助避難小屋に到着。中を覗いたら人がいっぱいだった。


この辺りから山地帯に入っていく。次々と登ってくるハイカーとすれ違った。地元ではマイカー規制のない平日に日帰りで登る人が多い。
8時過ぎに雨が上がった。眼下に虹が見えた。


8時21分、別当覗まで下りてきた。観光新道の尾根がくっきり見えていた。


ハクサンカメバヒキオコシ(シソ科ヤマハッカ属)。


ノコンギク(キク科シオン属)の仲間。


ノリウツギ(アジサイ科アジサイ属)のように思えた。


キツリフネ(キク科キオン属)。


ツルニンジン(キキョウ科ツルニンジン属)のように思えたが、自信がない。
 

ソバナ(キキョウ科ツリガネニンジン属)のように思えたが、自信がない。


キオン(キク科キオン属)。


9時に中飯場に到着し、ザックを下ろして休憩した。ここからは概ね歩きやすい道が続いている。
 

アキギリ(シソ科アキギリ属)の仲間。


この階段で転びそうになった。何でもないところでも油断できない。


再びキツリフネ。
 

吊り橋が見えてきた。最後まで慎重に歩こう。


その吊り橋を渡ってゴールだ。


深く一礼して鳥居をくぐった。


9時47分、別当出合に到着した。
その後、10時発のバスで市ノ瀬まで移動。市ノ瀬では陽射しが出ていて暑かった。市ノ瀬ビジターセンターに立ち寄り、レンジャーの方に中宮道の情報を伝えた。
11時20分、白山温泉永井旅館で3日ぶりにお風呂をいただいた。市ノ瀬休憩所でカップ麺を食べて、再びビジターセンターに入り時間を潰した。
13時30分、金沢駅行きのバスに乗車。東京から来ていた高校の登山部の一行と一緒だった。金沢駅でIRいしかわ鉄道に乗り換え小松で下車。17時前に予約していた駅前のホテルにチェックインした。

(小松空港から観た白山)


翌朝ネットで配信されたニュースを見て驚いた。
下山した同じ日に、白山から下山中の64歳の男性が滑落して死亡したとのこと。場所は平瀬道の標高2200m付近というから、カンクラ雪渓をトラバースする辺りだと思った。今の時期に雪はないが傾斜が急な斜面を渡ることに変わりはない。8人パーティーだったとのこと。
ご冥福をお祈り申し上げる。

白山 初秋の中宮道を歩く(完)
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白山 初秋の中宮道を歩く(その⑤ 北弥陀ヶ原~室堂)

2024-09-04 05:30:00 | 山行・旅行
この記事は白山 初秋の中宮道を歩く(その④ ゴマ平避難小屋~北弥陀ヶ原)の続きです。
植物の名前は分かった時点で書き加えています。


(左が全体地図。続いて歩いた順の詳細地図。地図をクリックすると大きくなります。)
          

北弥陀ヶ原にはお花がたくさん咲いていた。腰を下ろした木道から手が届く範囲でも、3種のお花が観られた。
アオノツガザクラ(ツツジ科ツガザクラ属)。
 

ノギラン(キンコウカ科ノギラン属)。
 

ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)。


さらに数メートル範囲を広げると、花の種類はもっと増える。
アザミの仲間。


花が終わったヨツバシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属)。


別のノギラン。その先に花が終わったコバイケイソウ(シュロソウ科シュロソウ属)。


オヤマリンドウ(リンドウ科リンドウ属)。


ヒトツバヨモギ(キク科ヨモギ属)。


シナノオトギリ(オトギリソウ科オトギリソウ属)。


朝に食べ残したクルミパンと、乾燥したアンズを時間をかけて食べた。
そして少し軽くなったザックを担いだ。

池塘のある風景。
 

ウラジロナナカマド(バラ科ナナカマド属)。
 

ミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)。


ミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属)。
 

イブキゼリモドキ(セリ科シラネニンジン属)。
 

タテヤマアザミ(キク科アザミ属)。


北弥陀ヶ原を抜けるとお花松原までの間は、初めのうち谷間を歩いて行く。両側に多くの樹木や草花が観られた。


タカネナナカマド(バラ科ナナカマド属)
 

ハクサンシャクナゲ(ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属)
 

ゴマナ(キク科シオン属)。


オオヒョウタンボク(スイカズラ科スイカズラ属)。


オオバタケシマラン(ユリ科タケシマラン属)


オンタデ(タデ科オンタデ属)にも果実ができていた。
 

キヌガサソウ(シュロソウ科キヌガサソウ属)の果実のようだ。
 

道は谷筋を抜け、ハイマツの中を通って、そしてお花松原に向けての下りとなった。ガスが晴れて正面に剣ヶ峰が見えてきた。
 

下りの斜面でシラタマノキ(ツツジ科シラタマノキ属)がたくさん観られた。
 

坂を下りたところにはトリカブト(キンポウゲ科トリカブト属)の仲間が群生していた。
 

サンカヨウも群生していた。


どんどん写真を取りながら歩いた。
 

 

少し青空が見えてきたのでパノラマ写真を撮ってみた。剣ヶ峰や御前峰の上の方はずっと雲に隠れていて、待っても晴れることはなかった。


草が生えていない砂礫地があったので、ザックを椅子代わりにして腰を下ろした。地図を見るとこの辺りがお花松原の中心のように思えた。
 

お花松原は、数多ある白山のお花の名所の中でも一二を争う場所だ。ヒルバオ雪渓の雪が解けると、その跡にハクサンコザクラ、チングルマ、ミヤマキンバイ、ミヤマクロユリ、アオノツガザクラなどの大群落が観られる。
残念ながら今の時期は、ミヤマアキノキリンソウとセリ科の花、アザミの仲間、そして僅かばかりのハクサンフウロなどが観られるだけだった。
 

 

ミヤマアキノキリンソウ。


果実をつけたミヤマクロユリ(ユリ科バイモ属)。


綿毛のチングルマ。


ハクサンフウロ。


シナノオトギリ。


光を受けて赤く輝くチングルマ。


サンカヨウ。


大汝峰の肩に向かって登っていき、雪渓跡をトラバースする。この辺りは最後まで雪が残る場所だ。アオノツガザクラ、シナノオトギリ、ミヤマダイコンソウ、オンタデなどの花が観られた。
 

 

シナノオトギリ。


ミヤマダイコンソウ(バラ科ダイコンソウ属)。
 

ハクサンボウフウ(セリ科カワラボウフウ属)の花がここではまだ観られた。
 

 

高度を上げていくとイワギキョウ(キキョウ科ホタルブクロ属)が観られ出した。
 

振り返ってお花松原の方向を見た。


大汝峰の肩に向かって急斜面を登っていく。昨年この辺りまで下見に来たところだ。
トリカブトの仲間、アザミの仲間、セリ科の植物、ミヤマアキノキリンソウなどが咲き乱れていた。
 

この先で急に雨が降ってきた。急いでレインウエアを着用した。
急坂を登り終えるとイワツメグサ(ナデシコ科ハコベ属)が迎えてくれた。雨の中で写真を撮った。
 

雨は10分ほど降って止んだが、ガスが残っていた。
  

このガスの中では景色も見られないので、大汝峰(標高2684m)はパスして先へ進んだ。


御前峰(標高2702m)に行こうか迷ったが、やはりガスで何も見えないため止めることにした。時間的には余裕があったので、少し残念だった。
 

千蛇ヶ池もこの通りで、ガスが晴れる兆しはなかった。


室堂センターに14時55分に到着した。中宮温泉を出発して室堂に到着するまで、誰一人見かけなかった。静かな山行だった。
長い中宮道を無事に歩けたことに満足して、受付へ向かった。


白山 初秋の中宮道を歩く(その⑥ 下山 室堂~別当出合) に続く。
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白山 初秋の中宮道を歩く(その④ ゴマ平避難小屋~北弥陀ヶ原)

2024-09-03 05:30:00 | 山行・旅行
この記事は白山 初秋の中宮道を歩く(その③ シナノキ平避難小屋~ゴマ平避難小屋)の続きです。
植物の名前は分かった時点で書き加えています。


(左が全体地図。続いて歩いた順の詳細地図。地図をクリックすると大きくなります。)
          

山行2日目(8月25日)の朝は4時頃に目が覚めた。どんなふうにして目覚めたかというと、寝返りを打とうとして左脚の太股がつって目が覚めた。
幸いその後の痛みがなかったので、明るくなるのを待ってゆっくり起き上がった。

朝食に石焼き釜で焼いたクルミパンを食べた。喉に少し痛みがあったため葛根湯と、太股の痙攣を防ぐため芍薬甘草湯を飲んだ。ビタミン剤も服用した。情けないことに、最近は山へ出かけるごとに持参する薬が増えている。単独行なのでやむを得ないと納得する。

出かける前に水を汲みにいった。顔もそこで洗った。今度はカメラを持参した。


付近に背丈が1mを越えるセリ科の花や、アザミの仲間が咲いていた。
 

小屋の中を掃除して、戸締まりを確認し、ドアをしっかり閉めて6時12分に小屋を出た。空は曇っていて風はなかった。
 

小屋を出てしばらく、等高線の混み具合通りの急登が続いた。写真を撮りながらゆっくり登った。
アザミが多く観られた。種名は分からない。総苞片が長いのでハクサンアザミではなさそうだった。


カニコウモリ(キク科コウモリソウ属)が観られた。先に観たオオカニコウモリとは葉の形が違う。


こちらはコミヤマカタバミ(カタバミ科カタバミ属)だ。白い花が咲くのは6~7月なので、今は葉が茂っているだけだった。


こちらはサラシナショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属)だ。この後も何度か観られた。
 

ウメバチソウ(ニシキギ科ウメバチソウ属)が咲いていた。この花は初秋に咲き始める。これから数が増えていくだろう。
 

トリカブト(キンポウゲ科トリカブト属)の仲間も観られた。この花も秋の花だ。
 

ゴマナ(キク科シオン属)も咲いていた。やはり秋に観られる。白山では主に山地帯の花だ。


アキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)は広い範囲で咲いていた。


この小さな花はヤマムグラ(アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属)に似ているが、花期が違う。名前が分からなかった。
⇒山歩きさんからエゾノヨツバムグラではないかと示唆いただきました。調べたところそのように思われました。山歩きさんありがとうございました。
 

30分ほどかけて急登を登り終えた。するとアキノキリンソウに虫こぶが付いていた。この付近で観られたアキノキリンソウのうち、およそ3割に虫こぶが観られた。


前方の山に雲がかかってきていた。雨になりそうな気配がしたので、ザックにカバーを掛けた。朝露で濡れるのを防ぐため、レインパンツは小屋を出る前に履いてきた。後はレインジャケットを着ればオーケーだ。ジャケットはザックカバーに挟んでいつでも取り出せるようにしておいた。


道は傾斜が緩やかで歩きやすい。斜面に生えたダケカンバが傾いていて、積雪が多いことが分かる。
 

その後空が明るくなってきた。雨に打たれずに済んだ。正面に見える山は剣ヶ峰(2677m)のようだ。


ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)がたくさん咲いていた。
 

綿毛になっているのは、ミヤマコウゾリナ(キク科コウゾリナ属)のように思えた。
 

オヤマリンドウもたくさん咲いていた。
 

このセリ科の花はミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属)のように思ったが、未だセリ科は自信がない。
⇒モウズイカさんからイブキゼリモドキだと教えていただきました。モウズイカさんありがとうございました。
 

目の前の山は巻いていく2077mのピークのようだ。稜線の西側に高い樹が見られるが、東側は笹原になっている。亜高山帯に入ったと言ってよさそうだ。


右(西)の方に仙人谷を挟んで火の御子峰(標高2004m)から続く峰が見えたきた。白山の中でもっとも荒々しいところだ。手前の樹はアオモリトドマツのように見えた。
 

刈り払いされている登山道の脇には陽が当たるので、様々な植物だ観られた。
シラタマノキ(ツツジ科シラタマノキ属)が実をつけていた。


オヤマリンドウがたくさん咲いていた。写真もたくさん撮ってしまった。
 

こちらはオンタデ(タデ科オンタデ属)の雌株。雄株の写真はここでは撮り忘れた。
 

ヨツバヒヨドリ(キク科ヒヨドリバナ属)。


ムシカリの赤い実。


草が伸びているが平坦な道が続いた。東側には幻想的な景色が広がっていた。
 

目の前に間名古の頭(標高2134m)が見えてきた。山頂は通らず西側を巻いていく。


この先三俣峠までの間に、たくさんの種類の花が咲いていた。
ヒトツバヨモギ(キク科ヨモギ属)は、晩夏から初秋に咲く。


このアザミの仲間は今が盛期のようだ。


シモツケソウ(バラ科シモツケソウ属)は盛夏の花だ。そろそろ花期が終わる。。


カライトソウ(バラ科バラ亜科ワレモコウ属)も盛夏の花だ。


イワショウブ(チシマゼキショウ科イワショウブ属)は晩夏に咲く花だ。これまで白山であまり観ていなかったので嬉しかった。
 

7時56分に三俣峠を通過した。室堂まで残り8kmだ。この様子なら時間に余裕が持てそうだった。


間名古の頭は巻いていくのでたいした登りはない。その先うぐいす平までが登りとなる。
 

途中でゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属)がきれいな実をつけていた。


こちらはサラシナショウマとヒトツバヨモギ。


ゼンテイカ(別名ニッコウキスゲ、ススキノキ科キスゲ亜科ワスレグサ属)の果実のようだ。たくさん観られた。


オヤマリンドウとヤマハハコ。
 

巻き道は時々足場が悪いところがあった。


下ばかり気をつけていると、頭を打つ(実際にぶつけた)。


先ほどはオンタデの雌株をご覧いただいたが、こちらは雄株。


うぐいす平への登りはずっと草に被われていた。しかしそれほど苦にならなかった。
 

ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)の残花を観た。


途中この辺りがうぐいす平かと思うところでザックを下ろし休憩した。その後すぐにこの標柱が現れた。室堂まで6.3kmとなった。


うぐいす平で休憩したので、次の休憩は北弥陀ヶ原になる。
さて、クイズのようで恐縮だが、この赤い実は何だろう?


次の2つの写真をご覧になると、お分かりの方も多いのではないだろうか。
 

オオバタケシマラン(ユリ科タケシマラン属)のように思ったが、実のところ写真でしか見ていないので自信はない。葉が茎を抱くのが特徴だ。
白山に自生しているのは確かだが、まだ花を観ていない。今度はぜひ花を観たいものだ。

続いてはマイヅルソウの果実で、ここでもまだ赤くなっていなかった。


地獄覗は間近に荒々しい火の御子峰が観られる場所だが、ガスで何も見えなかった。うぐいす平から100m進んだので、室堂まで6.2kmになっていた。


このイチゴはノウゴウイチゴ(バラ科オランダイチゴ属)かもしれない。


ずっと陽当りのよい斜面で、お花畑の跡が続いていた。


葉縁に黒点があるので、シナノオトギリ(オトギリソウ科オトギリソウ属)のようだった。


花が頭頂にまとめてついているので、ミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)と言えそうだ。
 

アザミの仲間。


目の前の稜線にガスがかかり始めた。今度こそ雨になるかもしれない。


ハクサンフウロの残花。


クロマメノキ(ツツジ科スノキ属)の果実。葉も色付き始めていた。


シラタマノキの果実。


アカモノ(ツツジ科シラタマノキ属)の果実。
 

ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属)。


この辺りでは他に、ヤマハハコ、ミヤマセンキュウ?、ミヤマキンポウゲ、ヒトツバヨモギの花がたくさん観られた。また花が終わったノギラン、コバイケイソウなどの群落も観られた。
花の最盛期に来たら、さぞかし素晴しいお花畑が観られることだろう。7月にぜひとも歩いてみたいと思った。
 

 

そろそろ弥陀ヶ原にさしかかる所で、サンカヨウ(メギ科サンカヨウ属)の果実が観られた。


ウラジロナナカマド(バラ科ナナカマド属)が赤い実をたくさんつけていた。


10時35分に北弥陀ヶ原に到着した。誰もいないので木道の上にザックを下ろした。ここまで雨に打たれずに来られてラッキーだった。
 

白山 初秋の中宮道を歩く(その⑤ 北弥陀ヶ原~室堂) に続く。
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白山 初秋の中宮道を歩く(その③ シナノキ平避難小屋~ゴマ平避難小屋)

2024-09-01 08:34:10 | 山行・旅行
この記事は白山 初秋の中宮道を歩く(その② 中宮温泉~シナノキ平避難小屋)の続きです。
植物の名前は分かった時点で書き加えています。


(左が全体地図。続いて歩いた順の詳細地図。地図をクリックすると大きくなります。)
          

食事を終え、シナノキ平避難小屋を11時32分に出発した。予報では15時30分ごろから雨になるようだった。それまでにゴマ平避難小屋に着きたいと思った。
シナノキ平避難小屋は今日の行程の中間にある。残りは半分だ。計画ではこの後3時間で着くつもりだった。

小屋を出るとすぐにハクサンカメバヒキオコシ(シソ科ヤマハッカ属)が群生していた。
 

アキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)はこれまでも観てきたが、写真を撮っていなかった。この辺りでは、ミヤマアキノキリンソウの特徴である花が頂部に固まってつくものは観られなかった。


ムシカリ(ガマズミ科ガマズミ属)にたくさんの赤い実が生っていた。さらに熟すと黒くなり、そうすると鳥が食べに来るようだ。この時期あまり鳥の気配がなかったが、時々藪の中から何かの鳥の地鳴きが聞こえていた。


こちらはサラシナショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属)。白山では夏から初秋にかけてよく見られる。
 

所々で草が道を被っているところもあったが、長く続かなかった。


こちらもハクサンカメバヒキオコシだ。カメバヒキオコシの変種で北陸に分布する。カメバヒキオコシ同様葉先が3裂するが、中央の裂片が太く鋸歯がある。
なおカメバヒキオコシは「亀葉引起」で、亀葉は葉の形から来ている。引起は倒れた人をも引き起こすほどの、強い薬効があるという意味である。
 

所々で大きな樹に出会った。積雪が多く風も強い中よく育ったものだ。


マイヅルソウ(キジカクシ科スズラン亜科マイヅルソウ属)がウズラ色の果実を付けていた。この果実は熟すと赤くなる。


壊れた道標があった。「MT.TAKIGATAKE」と読めた。地理院地図に滝ヶ岳の名前はないが、1774.3mのピークがそれらしい。ここからゴマ平避難小屋まで2.8kmだ。


ムシカリの葉が紅葉し始めていた。


ナナカマドはまだ紅葉していなかった。


ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)が現れた。この先でたくさん観られた。
低地で観られるハハコグサ(キク科ハハコグサ属)は春に黄色い花を咲かせる越年草だが、ヤマハハコは夏の終わり頃に白い花をつける多年草で、属も異なる。


こちらは近くに咲いていたアキノキリンソウ。


アオモリトドマツが観られるようになってきた。風雪が強い白山でアオモリトドマツは高く育たないことが多いが、この樹は高く育っていた。


こちらは再びノリウツギ。そしてムシカリとのツーショット。
 

倒木の下をくぐって進むところもあった。


似たような写真をたくさん撮ってしまった。手前は平地で真っ直ぐに育ったダケカンバ。
この頃から空に黒い雲が現れた。遠くで雷鳴も聞こえてきた。雨はまだ降っていないが、ザックにレインカバーをつけ、雨具をすぐに出せるようにした。5分も経たぬうちにやはり雨が降ってきた。樹下で雨具をつけしばらく待ったが、止む様子がなかったので雨中を歩いた。
 

しかし雨は10分ほど降って止んだ。暑いので雨具を脱いで歩いた。樹々も草花も濡れていて、靴も濡れてしまった。
ヨツバヒヨドリ(キク科ヒヨドリバナ属)が現れた。この花によくアサギマダラが集まるが、今回の山行でアサギマダラは見なかった。


続いてオヤマリンドウ(リンドウ科リンドウ属)が現れた。オヤマリンドウはこの先でたくさん観られた。
 

ゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属)が赤い実をつけていた。手前にはマイヅルソウが見えていた。


大きなキク科の花はマルバダケブキ(キク科メタカラコウ属)の残花のようだ。夏の終わりに稜線でたくさん観られるこの花も、そろそろ終わりだ。
 

15時45分にゴマ平避難小屋に着いた。雨宿りをしていたりしたので、計画より15分遅れた。


小屋に人はいなかった。マットを敷いて場所を確保した後、水場へ向かった。カメラを持たずに出かけたので写真はない。
はたして水は取れるのだろうか。100mほど下ると水が流れる音が聞こえていた。水はとうとうと流れていた。しかも冷たい。カップにすくって飲み、その後2Lの容器いっぱいに汲んで小屋に戻った。

夕食はアルファ米とレトルトのカレーでカレーライスを作った。それとカレーヌードルで、この日はカレーづくしだった。疲れているときに、カレーは食欲を沸き立ててくれる。

雨がまた降ってきたが、しばらくで止んだ。濡れていた衣服を小屋いっぱいを使って干した。幸いこの夜は小屋を独占できそうだった。
18時40分頃に窓から夕焼けが見えた。出発する前に聞いた予報では、明日の降水確率が90%となっていたが、この分だと晴れるかもしれない。そんなことを考えながら眠りについた。

白山 初秋の中宮道を歩く(その④ ゴマ平避難小屋~北弥陀ヶ原) に続く。
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白山 初秋の中宮道を歩く(その② 中宮温泉~シナノキ平避難小屋)

2024-08-31 05:30:00 | 山行・旅行
この記事は白山 初秋の中宮道を歩く(その① プロローグ)の続きです。
植物の名前は分かった時点で書き加えています。


登山の様子をご覧いただく前に、コースの地図とYAMAPのスタッツをご覧いただきたい。
今回の白山行で歩いた距離は23.7km(登山地図では26km)、累計標高差は登りが2672m、下りが2089m、時間は21時間40分で、それを3日間かけて歩いた。
このルートを歩くことについて、昨年から実行計画を持っていた。一方で距離が長いので、足に不安がある自分としては歩き通せる自信が持てなかった。しかし先月表大雪をソロテント泊で4日間歩いたことでその不安が幾分解消し、実行することにした。
(左が全体地図。続いて歩いた順の詳細地図。地図をクリックすると大きくなります。)
          

初日(8月24日)は、中宮温泉から中宮道の中間地点にあるゴマ平避難小屋までを歩いた。
距離は9.2km(登山地図では10km)、累計標高差は登りが1548m、下りが363m、時間は9時間42分(うち休憩が52分)だった。途中にもう一つ避難小屋がある。それがシナノキ平避難小屋だ。今回の「その②」では、中宮温泉を出発してからシナノキ平避難小屋に着くまでを扱う。

さて、にしやま旅館を出て、目の前を流れる湯ノ谷沿いに少し下り橋を渡ったら、すぐに中宮道の登山口に着いた。標高が660mほどの所だ。
 

ここから今度は湯ノ谷沿いに登っていくと、やがて小さな橋を渡り山道に入っていく。標高が750mほどになっていた。


橋を渡る前にいくつか花が咲いていた。
こちらはクサボタン(キンポウゲ科センニンソウ属)のようだった。


こちらはお馴染みのハギ(マメ科ハギ属)の仲間だが、詳細は分からない。


こちらもお馴染みのクズ(マメ科クズ属)の仲間で、所々で登山道に覆い被さってきていて、歩くのを妨げていた。


橋を渡った後には、キンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属)やホツツジ(ツツジ科ホツツジ属)のような花がたくさん観られた。
 

湯ノ谷に設けられた砂防堰堤と対岸の道が見えていた。傾斜が急なことがお分かりいただけると思う。


名前が分からないが、登山道脇に大きな樹木がたくさん観られた。
 

30分ほど急坂を登ると、少し傾斜が緩やかなところに出た。定期的に道の刈払いが行われているものの、夏草の茂る速度は速く、あまり歩かれていないこの道ではご覧の通りの、腰から胸の高さまで蔓草が被っているところが続いた。恐らく写真では道だと思われないだろう。踏み跡はあるものの、実際目で見ただけではどこが道なのか分からない。
相田みつをの書に「歩くから道になる 歩かなければ草が生える」とあるのを思いだし苦笑した。
 

そんな藪の中でも、いくつか花が観られた。左はオトギリソウ(オトギリソウ科オトギリソウ属)、右はオトコエシ(オミナエシ科オミナエシ属)のように見えた。ズダヤクシュ(ユキノシタ科ズダヤクシュ属)も観られた。
 

草藪の中で特にやっかいなのが、ママコノシリヌグイ(タデ科イヌタデ属)のような棘のある植物だ。ストックを持っている右手はまだマシだが、左腕が傷だらけになった。
 

藪の中でミズヒキ(タデ科イヌタデ属)がよく目立っていた。こんな花を見つけると嬉しくなる。ハギも嬉しいが顔の高さまで繁茂して道を防いでいるのでやっかいだった。
 

正直なところ、まだ歩き出したばかりでこんな藪と格闘していたら、この先どうなるのだろうと不安になった。ストックの代わりに刈り払い鎌が欲しかった。暑さも応えた。宿を出たときはまだ涼しかったが、時折差す夏の陽射しが厳しくシャツは汗で濡れていた。何しろまだ標高が900mほどしかない。
唯一の慰みが、藪の中で小さな花や果実を見つけることだった。この白い花はゲンノショウコ(フウロソウ科フウロソウ属)のように見えた。
 

イチゴの種類は分からない。クマが通っていたら食べただろうから、ここは通っていないのだろうと思った。そうそうこの辺りはクマの生息地なので、普段付けない熊鈴をザックに一つと、ストックの柄にも付けていた。
 

1時間ほど藪と格闘した後、傾斜が急になって、ようやく藪地獄を抜け出せた。
 

登山道で大きなマイタケを見つけた。8kgほどあると思った。これもクマが見つけていたら食べただろうと思った。


8時17分に清浄坂と記された標柱(標高948m)にたどり着いた。何と計画より1時間遅れだった。このペースだとゴマ平避難小屋に着くのが夜になってしまう。ペースを上げた。
写真にある「次三角点」だが、明治時代に国が国有林の確認と森林施業のために設置した三角点だとのこと。北アルプスや東北、新潟などに現存しているらしいが、初めて見たように思う。
 

登山道は先ほどの藪がウソのように歩きやすくなっていた。花が咲いている植物がけっこう見られ、写真を撮るために歩みを止めるのがほどよい休憩になった。
たくさん観られたこの花だが、ノリウツギ(アジサイ科アジサイ属)かと思ったが自信がない。


所々でイタドリ(タデ科ソバカズラ属)が群生していた。


ホツツジの仲間の群生もたくさん観られた。


前方にこれから向かう山が見えてきた。ただし今日の宿泊地はこの山のまだ向こうのはずだ。アップダウンはあるものの、概ね歩きやすい道が続いたので、この区間では時間短縮が図れた。
 

ブナに混じって針葉樹の大木もかなり観られた。
 

このたくさん観られた花は、カニコウモリ(キク科コウモリソウ属)の仲間で、オオカニコウモリのように思えた。なお白山にはハクサンカニコウモリというオオバコウモリとオオカニコウモリの雑種もある。


こちらはオオアキギリ(シソ科アキギリ属)のように思えた。


再び道が膝上まで草に被われるところもあり、慎重に歩かざるを得なかった。また小さな沢を越えるところもあったが、水は流れていなかった。


こちらはヤマホタルブクロ(キキョウ科ホタルブクロ属)の残花のように思えた。


こちらはハクサンカメバヒキオコシ(シソ科ヤマハッカ属)だ。この後何度も見かけた。
 

こちらはソバナ(キキョウ科ツリガネニンジン属)のように思えた。


そしてこちらはジャコウソウ(シソ科ジャコウソウ属)のように思えたが、白山でこの花を観るのは初めてだった。


9時34分にとちのき坂の標識を通過した。


そしてそこから40分ほど歩いたところで、透明な水が流れている細流に出会った。今夜の分まで水を持っていたので、流れている水をコップですくって2杯飲むだけにした。それほど冷たくなかったが、持っていた水よりは冷たくて美味しかった。水場はこの後ゴマ平避難小屋に着くまでなかった。
 

さらに歩いて行ってこの花を見つけた。ギンリョウソウモドキ(ツツジ科シャクジョウソウ属)だと思う。白山でこの花に出会うのも初めてだった。


標高が1400mを越える辺りから、ブナに混じってダケカンバ(写真:中央奥)も見られるようになってきた。


またゴヨウマツやヒノキの仲間のクロベらしい巨木も見られるようになってきた。樹木のいくつかが倒れて登山道を塞いでいた。
 

こちらはムシカリ(スイカズラ科ガマズミ属)の果実と、ノリウツギの花のように思うが、自信はない。
 

イノシシの落とし物のように思えた。最近は標高1700m付近までイノシシが来ているようだ。


トモエシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク)に出会った。白山では鳩ヶ湯新道の三ノ峰付近で観て以来のように思う。


11時4分にシナノキ平避難小屋に到着した。計画より26分早く着いた。計画作成の段階で、時間を間違えたのだろう。1時間遅れていたのを、こんなに挽回できるわけがない。小屋の前に1本の大樹が立っていた。この樹がシナノキなのかは分からなかった。
 

小屋に入って昼食を食べた。メニューはレーズンやクランベリーなどが入った石窯で焼いたパンと、カフェオレである。準備を含めて昼食に30分ほどをかけたが、食後すぐに動いたのでしばらく胃が痛かった。
 

白山 初秋の中宮道を歩く(その③ シナノキ平避難小屋~ゴマ平避難小屋)に続く。
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白山 初秋の中宮道を歩く(その① プロローグ)

2024-08-29 05:30:00 | 山行・旅行
中学2年の時に最初に登って以来、今回が20回目の白山登山となった。
今回は二つの目的を持って入山した。一つは中宮道を歩くこと。もう一つは初秋の草花を観ることだ。山頂を目指す登山ではない。しかし余力があれば御前峰か大汝峰のどちらかを登ろうとも思っていた。

中宮道は白山山頂に至る登山道の中でもっとも距離が長く、中宮温泉から室堂までの距離は20kmある。途中に水場が少ないこともあり、真夏を避けて秋に歩くのが良いと言われている。途中に2つの避難小屋がある。そのうちゴマ平避難小屋は中間地点にあるので、そこに泊まる計画とした。

草花は、『白山花紀行』が7~8月に白山の登山道で観られる花をまとめているので、ぎりぎりの8月下旬に出かけることとした。中宮道の中でも北弥陀ヶ原やお花松原は花の名所として知られていて、そこで咲いている草花が楽しみだった。

今回は東京(羽田)から小松まで空路を使った。空路の場合いつも機窓から見る山々が楽しみだが、今回はずっと雲が多く、その中で富士山だけが頭を出してくれていた。


小松空港が近づき高度を下げていくと、雲間から懐かしい街並みが見えてきた。母の生誕地でもある白山市鶴来の街並みだ。母の生家もこの街のどこかに見えるのかもしれない。
右に蛇行して流れているのが手取川で、中央を真っ直ぐ流れるのは七ヶ用水(しちかようすい)だ。手前にグラウンドが見えるのは鶴来高校で、その上に白山郷公園や武道場が見える。白山比咩神社は、左のこんもりとした丘(舟岡山)の向こうにあり見えていない。
余談になるが、白山比咩神社はかつて舟岡山にあった。鶴来の街中から白山を望むことはできず、舟岡山から白山を遙拝していたとされる。また現在の白山比咩神社の境内には奥宮遙拝所があるが、そこからも白山は見えず、大汝峰、御前峰、別山の白山三山の形をした大岩が祀られている。


この日は中宮道の起点となる中宮温泉の、にしやま旅館に泊まった。夕食にイワナの塩焼き、ゼンマイの煮付け、山菜の天ぷらなどが供され、いずれも美味であった。地酒の菊姫の純米冷酒も絶品で、登山前だというのに少し飲み過ぎてしまった。

源泉掛け流しのお湯はほどよい温度で、しかも柔らかく、長く浸かっていても湯疲れすることはなかった。なるほど胃腸に良いと言われるのも納得できた。
中宮温泉は一説には1300年の歴史があると言われている。詳しくは『白山の自然誌 白山の秘湯・中宮温泉の歴史』に詳しいので、リンクをご覧いただきたい。現在はにしやま旅館を初め3軒が営業している。


にしやま旅館の会長から登山道のこと等を教わって、翌朝6時に宿を出発した。

白山 初秋の中宮道を歩く(その② 中宮温泉~シナノキ平避難小屋) に続く。
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ウリ科三種(ヘチマ、ゴーヤー、トウガン)

2024-08-22 05:30:10 | みんなの花図鑑
夏の強い陽射しを避けるグリーンカーテンを兼ねて、ヘチマを植えている。今年は苗が次々にダンゴムシに食べられて、育つのがずいぶん遅れた。例年なら大きな果実がいくつもぶら下がっている時期だが、ようやく雌花がでてきて、果実もいくつか見られるようになってきた。


ヘチマ(糸瓜、天糸瓜、 Luffa aegyptiaca)は、インド原産のウリ科の一年草で、雌雄同株で、雌雄異花である。生育の初期は雄花ばかりが咲いて、その後雄花と雌花がでてくる。自家受粉が可能で、人が受粉を手伝わずとも虫が花粉を運んでくれるので、よく結実する。
(ヘチマの雌花)


(結実した雌花)


(クロウリハムシ)この虫はヘチマの花や葉を食べる害虫のようだが、受粉も手伝ってくれているのかもしれない。我が家では特に駆除していない。


(2022年のヘチマの様子)


(ヘチマの蔓とヒゲ)
 

近くの小学校では4年生がゴーヤーを育てている。ゴーヤーは野菜の名前で、植物としての標準和名はツルレイシという。
ツルレイシ(蔓茘枝、Momordica charantia var. pavel)は、ウリ科の一年草で、原産地は、インドやボルネオなどの熱帯アジアである。


花の径はヘチマが8cmほどあるのに対し、ゴーヤーは3cmほどしかない。しかし形はとてもよく似ている。


もう一つ小学校で育っている野菜にトウガンがある。実は夏に収穫されるが、冬まで貯蔵することができるため冬瓜とよばれる。
トウガン(冬瓜、Benincasa pruriens f. hispida)も、ウリ科の一年草で、原産地はインドや東南アジアである。
残念ながら花の写真は撮り損ねたが、ヘチマに似た大きな花だった。今はヘチマより大きな果実が生っている(重さを量ったら4kgもあった)。


きれいな花が咲く植物はもちろん素敵だが、実が生る植物にはまた違った楽しみがある。

撮影:2024/08/14~20
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植物クロスワード(50)『季語』の答え

2024-08-12 05:30:00 | クロスワードパズル


タテのカギ
1 夏に生い茂る草。夏の季語。芭蕉が奥州平泉で詠んだ句に、『――や兵どもが夢の跡』がある。
2 田畑に出てする仕事。
3 草などが生えた、平らで広い土地。
4 食用とする海藻類。初春の季語。蕪村の句に、『――汁の手ぎわ見せけり浅黄椀』がある。
5 群れを成して川を遡るアユ。晩春の季語。蕪村の句に、『――や谷の小笹も一葉行く』がある。
6 野生の動物が通ることによって自然にできる山中の道。
8 6月ころの長雨の時節。仲夏の季語。正岡子規の句に、『――晴れや蜩鳴くと書く日記』がある。
9 40歳。
10 まさに過ぎ去ろうとする春。晩春の季語。芭蕉のぼう句に、『――や鳥啼うおの目は泪』がある。
12 六花。晩冬の季語。芭蕉の句に、『とうとさや――降らぬ日も蓑と笠』がある。
15 乗り物を使わないで歩くこと。
17 アウトの反対語。
20 年が明けてはじめて風呂に入ること。新年の季語。
21 競馬・競輪などで、当たった場合の配当を賭け金に対する倍率で表したもの。
22 スズキ目――科の海水魚。全長約2メートルに達する。夏の季語。
23 東京とサマータイム中のパリでは7時間。
25 牛肉の肩甲骨の裏あたりに位置した「ウデ肉」にあたる部位。焼肉店などでは「特上カルビ」などの名称で使われることもある。
28 ――言語、――認知、――メッセージ。
29 カエルの別称。春の季語。芭蕉の有名な句に、『古池や――飛び込む水の音』がある。
31 カラスの集まり。
32 甲虫目――科の昆虫。季語の「鼓虫、まいまい」はこれのことで、夏の季語。
34 ――列島はかつて日本の領土だったので、その名がつく和名の植物は多い。
36 晩秋の季語。『山暮れて――の朱(あけ)を奪いけり』は、蕪村の句。
38 誕生日が7月24日から8月23日までの人の星座。右下に、三つ並んで見える星を「酒星」と言い、仲春の季語となっている。 
42 もともとは山口県の発祥だが、愛媛県で盛んに栽培されるようになったのでこの名が付いた。蜜柑は冬の季語で、夏蜜柑は夏の季語。
44 子供のくせにおとなびていること。
45 沸いた鉄瓶の湯に徳利をつけるというのが定番。冬の季語。
46 男子の体操競技種目の一種。パリ五輪でのこの種目の種目別金メダルは、中国の劉洋が取得。
47 漢字では瓜。瓜の花は初夏の季語。西瓜(すいか)は初秋の季語。南瓜(かぼちゃ)は仲秋の季語。冬瓜(とうがん)は初秋の季語。糸瓜(へちま)は秋の季語。
51 夏の季語。『――や昨日の誠今日の嘘』は正岡子規の句。――に例えて人の心の移ろいやすさを詠んでいる。
53 坂本――は幕末の土佐藩士。慶応3年11月15日に京都河原町通蛸薬師下ルの近江屋において暗殺された。
56 日本では多くが冬鳥。――鍋、じぶ煮などとして食べられてきた。冬の季語。芭蕉の句に、『海暮れて――の声ほのかに白し』がある。
57  軒先などから滴り落ちる雨水。室生犀星の句に、『鮓の石――の穴あきにけり』があるが、季語は「酢(すし)」で酢は夏の季語。
59 現在の世。
61 手術的な方法によって病気やけがなどを治療する医学の分野。
62 パリ五輪の予選リーグで男子サッカーチームは――の3連勝だったが、決勝トーナメントでスペインに完敗した。
63 関西でははまちと言う。夏の季語。
65 商業――、学園――、――伝説、――対抗野球。
66 「鳴く昆虫」の一つ。晩秋の季語。芭蕉の句に、『やがて死ぬけしきは見えず――の声』がある。
67 国家や社会を構成する人々。

ヨコのカギ
1 晩春の季語。『――や月は東に日は西に』は、蕪村が六甲山地の摩耶山(まやさん)を訪れたときの句。
4 台風のこと。秋の季語。蕪村の句に、『鳥羽殿へ五六騎急ぐ――かな』がある。
7 二十四節気で、立冬から大雪の前日までのこと。冬の季語。夏目漱石の句に、『――や竹伐る山の鉈(なた)の音』がある。
11 漢字で氷柱と書く。晩冬の季語。高浜虚子の句に、『世の中を遊びごゝろや――折る』がある。
12 別名を都鳥と言う。都鳥は冬の季語。
13 金沢の奥座敷として知られる――温泉は、竹久夢二ゆかりの温泉地としても知られている。
14 三十六。
15 晩秋の季語。『――くえば鐘が鳴るなり法隆寺』は、正岡子規の句。
16 2013年から2019年までアイドルグループ・ゆるめるモ!に在籍。「ちゅ、多様性。」で日本レコード大賞2023特別賞を受賞した歌手。
18 七十二。
19 「塩3:糀5:蒸し米8」の配合をそのまま名前にした、こうじ漬けの漬け床。
21 広島県福山市にある沼名前神社で行われる、矢を放って一年の悪鬼を祓い、民の無病息災を祈る年頭行事。初春の季語。
24 凹の反対語。
25 2020年の「今年の漢字」第1位。
26 社会や組織などの中での、その人の置かれている位置。
27 別名ふか、わに。冬の季語。
30 夏の夕方屋外や縁側などに出て涼むこと。晩夏の季語。芭蕉の句に、『あつみ山や吹浦かけて――』がある。
33 北朝鮮により横田めぐみさんが――されてから、47年が経過している。
35 竹や針金の枠に袋状の網を張り、柄をつけ、魚をすくうのに使う小形の網。
37 日本には、オオ――、イヌ――、オジロ――の3種類が生息している。冬の季語。
39 東京で正午なら、サマータイム中のパリでは午前――。
40 ――工作は、小学校の教科の一つ。
41 ――の実は晩秋の季語。正岡子規の句に、『――の実を拾ひに来るや隣りの子』がある。
43 日本の童話『安寿と――』で、――は安寿の弟にあたる。
45 昨日の明日は今日。では今日の明日は?
46 「家内は所用で出かけています。」
48 第二次大戦後に米軍基地が置かれた神奈川県中北部の市。
49 夏季に行われる神社の祭り。祭だけで夏の季語。
50 冬の渡り鳥、ガンの別名。晩秋の季語。芭蕉の句に、『雲とへだつ友かや――のいきわかれ』がある。
52 水辺や湿地に生える春の七草の一つ。春の季語。芭蕉の句に、『我がためか鶴はみのこす――の飯』がある。
54 ――の実は晩秋の季語。村上鬼城の句に、『――の実の落ちて駆け寄る鶏三羽』がある。
55 輪かんじきを略した言葉。かんじきは冬の季語。一茶の句に、『かじき佩いて出でても用はなかりけり』がある。
58 かつらなどでなく、本来生えている髪の毛。
60 未来の物事を予測して言うこと。
63 4LDKのL。
64 自由律俳句の俳人。種田――の代表作に、「うしろすがたのしぐれてゆくか」「分け入つても分け入つても青い山」等がある。
66 伝染病の一つ。下痢、高熱などの症状を呈す。晩夏の季語。日野草城の句に、『おもかげのなおうるわしき――かな』がある。
67 急な傾斜地に、階段状に作った田。
68 伊勢神宮や鳥羽水族館がある観光地。
69 地面や岩の間などからわき出る、きれいに澄んだ水。夏の季語。芭蕉の句に、『城跡や古井の――まず問わん』がある。
70 仲夏の季語。芭蕉の句に、『――を集めて早し最上川』が、蕪村の句に、『――や大河を前に家二軒』がある。

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植物クロスワード(50)『季語』

2024-08-10 05:30:00 | クロスワードパズル
shuの花日記の『植物クロスワード』が、お陰さまで今回50回目となりました。これまで支えてくださった皆さまにお礼申し上げます。
shuの花日記では、花や山を初めとする季節の花鳥風月をテーマに、記事をお届けしています。
季節というと、俳句には季節を表す『季語』があります。季語の数は、全部で一万八千にものぼるそうです。
今月はそんな『季語』をクロスに散りばめてみました。季節を思いながら、お楽しみ下さいませ。解答は8月12日にアップします。
(俳句の旧仮名づかいは、現代仮名づかいにあらためています。)


タテのカギ
1 夏に生い茂る草。夏の季語。芭蕉が奥州平泉で詠んだ句に、『――や兵どもが夢の跡』がある。
2 田畑に出てする仕事。
3 草などが生えた、平らで広い土地。
4 食用とする海藻類。初春の季語。蕪村の句に、『――汁の手ぎわ見せけり浅黄椀』がある。
5 群れを成して川を遡るアユ。晩春の季語。蕪村の句に、『――や谷の小笹も一葉行く』がある。
6 野生の動物が通ることによって自然にできる山中の道。
8 6月ころの長雨の時節。仲夏の季語。正岡子規の句に、『――晴れや蜩鳴くと書く日記』がある。
9 40歳。
10 まさに過ぎ去ろうとする春。晩春の季語。芭蕉のぼう句に、『――や鳥啼うおの目は泪』がある。
12 六花。晩冬の季語。芭蕉の句に、『とうとさや――降らぬ日も蓑と笠』がある。
15 乗り物を使わないで歩くこと。
17 アウトの反対語。
20 年が明けてはじめて風呂に入ること。新年の季語。
21 競馬・競輪などで、当たった場合の配当を賭け金に対する倍率で表したもの。
22 スズキ目――科の海水魚。全長約2メートルに達する。夏の季語。
23 東京とサマータイム中のパリでは7時間。
25 牛肉の肩甲骨の裏あたりに位置した「ウデ肉」にあたる部位。焼肉店などでは「特上カルビ」などの名称で使われることもある。
28 ――言語、――認知、――メッセージ。
29 カエルの別称。春の季語。芭蕉の有名な句に、『古池や――飛び込む水の音』がある。
31 カラスの集まり。
32 甲虫目――科の昆虫。季語の「鼓虫、まいまい」はこれのことで、夏の季語。
34 ――列島はかつて日本の領土だったので、その名がつく和名の植物は多い。
36 晩秋の季語。『山暮れて――の朱(あけ)を奪いけり』は、蕪村の句。
38 誕生日が7月24日から8月23日までの人の星座。右下に、三つ並んで見える星を「酒星」と言い、仲春の季語となっている。 
42 もともとは山口県の発祥だが、愛媛県で盛んに栽培されるようになったのでこの名が付いた。蜜柑は冬の季語で、夏蜜柑は夏の季語。
44 子供のくせにおとなびていること。
45 沸いた鉄瓶の湯に徳利をつけるというのが定番。冬の季語。
46 男子の体操競技種目の一種。パリ五輪でのこの種目の種目別金メダルは、中国の劉洋が取得。
47 漢字では瓜。瓜の花は初夏の季語。西瓜(すいか)は初秋の季語。南瓜(かぼちゃ)は仲秋の季語。冬瓜(とうがん)は初秋の季語。糸瓜(へちま)は秋の季語。
51 夏の季語。『――や昨日の誠今日の嘘』は正岡子規の句。――に例えて人の心の移ろいやすさを詠んでいる。
53 坂本――は幕末の土佐藩士。慶応3年11月15日に京都河原町通蛸薬師下ルの近江屋において暗殺された。
56 日本では多くが冬鳥。――鍋、じぶ煮などとして食べられてきた。冬の季語。芭蕉の句に、『海暮れて――の声ほのかに白し』がある。
57  軒先などから滴り落ちる雨水。室生犀星の句に、『鮓の石――の穴あきにけり』があるが、季語は「酢(すし)」で酢は夏の季語。
59 現在の世。
61 手術的な方法によって病気やけがなどを治療する医学の分野。
62 パリ五輪の予選リーグで男子サッカーチームは――の3連勝だったが、決勝トーナメントでスペインに完敗した。
63 関西でははまちと言う。夏の季語。
65 商業――、学園――、――伝説、――対抗野球。
66 「鳴く昆虫」の一つ。晩秋の季語。芭蕉の句に、『やがて死ぬけしきは見えず――の声』がある。
67 国家や社会を構成する人々。

ヨコのカギ
1 晩春の季語。『――や月は東に日は西に』は、蕪村が六甲山地の摩耶山(まやさん)を訪れたときの句。
4 台風のこと。秋の季語。蕪村の句に、『鳥羽殿へ五六騎急ぐ――かな』がある。
7 二十四節気で、立冬から大雪の前日までのこと。冬の季語。夏目漱石の句に、『――や竹伐る山の鉈(なた)の音』がある。
11 漢字で氷柱と書く。晩冬の季語。高浜虚子の句に、『世の中を遊びごゝろや――折る』がある。
12 別名を都鳥と言う。都鳥は冬の季語。
13 金沢の奥座敷として知られる――温泉は、竹久夢二ゆかりの温泉地としても知られている。
14 三十六。
15 晩秋の季語。『――くえば鐘が鳴るなり法隆寺』は、正岡子規の句。
16 2013年から2019年までアイドルグループ・ゆるめるモ!に在籍。「ちゅ、多様性。」で日本レコード大賞2023特別賞を受賞した歌手。
18 七十二。
19 「塩3:糀5:蒸し米8」の配合をそのまま名前にした、こうじ漬けの漬け床。
21 広島県福山市にある沼名前神社で行われる、矢を放って一年の悪鬼を祓い、民の無病息災を祈る年頭行事。初春の季語。
24 凹の反対語。
25 2020年の「今年の漢字」第1位。
26 社会や組織などの中での、その人の置かれている位置。
27 別名ふか、わに。冬の季語。
30 夏の夕方屋外や縁側などに出て涼むこと。晩夏の季語。芭蕉の句に、『あつみ山や吹浦かけて――』がある。
33 北朝鮮により横田めぐみさんが――されてから、47年が経過している。
35 竹や針金の枠に袋状の網を張り、柄をつけ、魚をすくうのに使う小形の網。
37 日本には、オオ――、イヌ――、オジロ――の3種類が生息している。冬の季語。
39 東京で正午なら、サマータイム中のパリでは午前――。
40 ――工作は、小学校の教科の一つ。
41 ――の実は晩秋の季語。正岡子規の句に、『――の実を拾ひに来るや隣りの子』がある。
43 日本の童話『安寿と――』で、――は安寿の弟にあたる。
45 昨日の明日は今日。では今日の明日は?
46 「家内は所用で出かけています。」
48 第二次大戦後に米軍基地が置かれた神奈川県中北部の市。
49 夏季に行われる神社の祭り。祭だけで夏の季語。
50 冬の渡り鳥、ガンの別名。晩秋の季語。芭蕉の句に、『雲とへだつ友かや――のいきわかれ』がある。
52 水辺や湿地に生える春の七草の一つ。春の季語。芭蕉の句に、『我がためか鶴はみのこす――の飯』がある。
54 ――の実は晩秋の季語。村上鬼城の句に、『――の実の落ちて駆け寄る鶏三羽』がある。
55 輪かんじきを略した言葉。かんじきは冬の季語。一茶の句に、『かじき佩いて出でても用はなかりけり』がある。
58 かつらなどでなく、本来生えている髪の毛。
60 未来の物事を予測して言うこと。
63 4LDKのL。
64 自由律俳句の俳人。種田――の代表作に、「うしろすがたのしぐれてゆくか」「分け入つても分け入つても青い山」等がある。
66 伝染病の一つ。下痢、高熱などの症状を呈す。晩夏の季語。日野草城の句に、『おもかげのなおうるわしき――かな』がある。
67 急な傾斜地に、階段状に作った田。
68 伊勢神宮や鳥羽水族館がある観光地。
69 地面や岩の間などからわき出る、きれいに澄んだ水。夏の季語。芭蕉の句に、『城跡や古井の――まず問わん』がある。
70 仲夏の季語。芭蕉の句に、『――を集めて早し最上川』が、蕪村の句に、『――や大河を前に家二軒』がある。

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アポイ岳

2024-08-03 05:30:00 | 山行・旅行
アポイ岳(標高810m)は言わずと知れた花の名山である。田中澄江氏も「花の百名山」と「新・花の百名山」の両方に選んでいるが、それ以前からこの山は固有植物が多いことで有名だった。
もう一つアポイ岳を有名にしているのが、世界でも珍しい橄欖岩(かんらんがん)地質である。ご存じの方も多いと思うが、両者は大いに関係している。

日高山脈は約1,300万年前に、2つの大陸プレートが衝突して生じた。アポイ岳はその南端に位置している。大陸衝突の際、地殻の下にあるマントルの一部が突き上げられ現れたのがアポイ岳である(火山以外のたいていの山は地殻の隆起によって生じている)。そのためこの山は橄欖岩(かんらんがん)という、極めて珍しい地質でできている。
橄欖岩には一部の植物の生育を阻害する成分が含まれており、そのためアポイ岳の植生は極めてユニークになっているのである。

さて、トムラウシ山から下山して、次に向かったのがアポイ岳である。夕刻に登山口近くのキャンプ地に着いて、テントを張った。

ハイキングの様子をご覧いただく前に、田中澄江氏の「花の百名山」の一節をご覧いただきたい。
『南にのびた日高山脈が、襟裳岬で太平洋に沈み込もうとする直前に、辛うじて一息入れてふみとどまった形で、東にも西にも海をしたがえてそびえたったのがアポイ岳である』
アポイ岳の地理的条件を説明するのに、これほど分かりやすい文章を他に知らない。併せて地図をご覧になるとその地理がよくお分かりになると思う。

■ 小さな縮尺の地図(地図をクリックすると大きくなります。)


■ 軌跡を記した地図(地図をクリックすると大きくなります。)


それでは出発しよう。
翌朝、5時55分にキャンプ場を出発した。アポイ岳ジオパークビジターセンターの脇が登山口となっている。キャンプ場の受付もビジターセンターだった。
 

登山道には一合目から九合目まで標柱が立っており、五合目までは遊歩道のように整備された道が続いていた。
 

また、ヒグマが出没するため、クマ除けの大きな鐘も複数設けられていた。


最初に観た花はきれいなハクサンシャクナゲだった。まだ標高が100m程度しかない所にハクサンシャクナゲが咲いているのに驚いた。ハクサンシャクナゲは、標高が380m付近にある避難小屋付近まで、たくさん観られた。
・ハクサンシャクナゲ(白山石楠花、Rhododendron brachycarpum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)


写真のようにベンチがある休憩所が五合目までに5ヶ所あった。親切この上ない。


大きな看板に書いてある説明もありがたいが、小学生が作った標語が身に刺さるのではないだろうか。


また登山道脇の樹木に樹名板が取り付けられていて、これも親切なことで嬉しかった。
  

樹名板が取り付けられていた樹木は、この他にミヤマハンノキ、トドマツ、ミズナラ、キタコブシ等があった。
五合目近くで観たハクサンシャクナゲ。


7時15分に五合目にある避難小屋に到着した。
 

五合目か先は背の高い樹木がなくなり、亜高山帯から高山帯の趣となった。標高が810mしかない山でこれだけ亜高山帯から高山帯の趣があるのは、高緯度であることに加え、過酷な気象条件が関与しているのだろう。
登山道には岩が露出していて、その隙間や草地にイブキジャコウソウが咲いていた。
これまでこの花を見た山は、谷川岳や尾瀬の笠ヶ岳といった主に蛇紋岩質の山だった。橄欖岩や蛇紋岩はマグネシウムを多く含んでいるが、イブキジャコウソウはそういった地質を好むようだ。
・イブキジャコウソウ(伊吹麝香草、Thymus quinquecostatus 、シソ科イブキジャコウソウ属の小低木)
日本では、北海道、本州、九州の、温帯から寒帯の石灰岩、蛇紋岩、安山岩地帯に広く分布する。








 

続いて観たのは黄色い花だった。葉を観るとキンロバイのように思えた。この植物も蛇紋岩質や石灰岩質の山に生育するようだ。
・キンロバイ(金露梅、Dasiphora fruticosa、バラ科キンロバイ属の落葉小低木)
日本では、北海道(夕張山地の崕山(きりぎしやま)・芦別岳・アポイ岳)、本州(早池峰山・焼石岳・船形山・谷川山系・至仏山・八ヶ岳・南アルプス)、四国に分布し、亜高山帯から高山帯の蛇紋岩地や石灰岩地の岩礫地に生育する。




七合目付近で観たのは、オトギリソウの仲間のようだった。図鑑で調べるとこの山の固有種の一つであるサマニオトギリと分かった。「サマニ」はこの山がある様似町のことだが、名前の由来はアイヌ語の「サンマウニ」(朽ち木のある所の意)とのことだ。
順序が逆になったが、「アポイ」はアイヌ語の「アペ(火)・オイ(多い所)・ヌプリ(山)」が略されたもので、「大火を焚いた山」という意味とのことである。 昔、アイヌの人々がこの山で火を焚き、鹿の豊猟をカムイ(神)に祈ったという伝説に由来している。
・サマニオトギリ(様似弟切、Hyericum samaniense、オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草)




続いて白い花を観たが名前が分からなかった。やはり図鑑で調べたら、この山の固有品種の一つであるアポイハハコの蕾のようだった。
・アポイハハコ(別名タカネヤハズハハコ;あぽい母子、Anaphalis alpicola f. robusta、キク科ヤマハハコ属の多年草)




 



登山道には岩場も多く、雨の日は滑りそうに思えた。
 

北側に日高山脈の山々が連なるのが見えた。標高は高くないものの、険しそうな稜線が続いて見えた。


九合目まで来ると頂上はもうすぐだ。不思議なことに山頂には樹木が林立して見えた。


九合目の先で観たのがこの花だ。田中澄江氏がこの山を代表する花として挙げたアポイマンテマだ。この山の固有変種である。実物を観るのはもちろん初めてだった。
・アポイマンテマ(あぽいまんてま、Silene repens var. apoiensis、ナデシコ科マンテマ属の多年草)




8時45分に山頂に到着した。
 

山頂は樹木に被われていて展望は利かなかった。


山頂に祀られていた祠に手を合わせ、10分ほど休憩して山を下りた。


帰り道で少し離れたハイマツの中にセリ科らしい花を観たが、名前は分からなかった。


三合目辺りまで下った所でエゾシカに遭った。珍しいことではないようだ。


11時13分にテントへ戻った。

アポイ岳 (完)
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表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その⑦(トムラウシ山南沼→トムラウシ温泉)

2024-07-31 05:00:00 | 山行・旅行
この記事は表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その⑥(トムラウシ山登頂と南沼の高山植物)の続きです。

7月中旬に3泊4日の日程で、表大雪の旭岳からトムラウシ山までを縦走した。
(地図をクリックすると大きくなります。)


縦走の最終日はトムラウシ山南沼にあるキャンプ指定地からトムラウシ温泉までの10.8kmである。その間のほとんどが下りで、下りの累積標高差が1500mを越えた。登りより下りが苦手な身にとっては、きつい行程だった。

目覚めたときキャンプ場は一面にガスがかかっていた。晴れていれば暗いうちにご来光を観に山頂へ登ることもできたが、山頂は雲の中だった。
正直疲れていたので、登らなくても良かったのは正解だったかもしれない。

朝食・トイレ・撤収を済ませて、キャンプ場を5時13分に出発した。
 

南沼のキャンプ場からしばらくの間はだらだらとした下りが続いた。お花は既に見慣れたものばかりだった。

・イワイチョウ(岩銀杏、Nephrophyllidium crista-galli 、ミツガシワ科イワイチョウ属の多年草)の葉が鮮やかだった。


・チングルマ(珍車・稚児車、Sieversia pentapetala、バラ科チングルマ属(Sieversia)またはダイコンソウ属(Geum)の落葉小低木)はここでも群落が観られた。


・ウラジロナナカマド(裏白七竃、Sorbus matsumurana、バラ科ナナカマド属の落葉低木)


・イワブクロ(別名タルマイソウ;岩袋、Pennellianthus frutescens、オオバコ科イワブクロ属の多年草)


この縦走で初めて観た綿毛のチングルマ。
 

・キバナシャクナゲ(黄花石楠花、Rhododendron aureum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)とエゾコザクラ


・ミヤマオグルマ(深山小車、Tephroseris kawakamii、キク科オカオグルマ属の多年草)


お花の写真を撮っていたので、後から来た人に先に行ってもらった。この日は皆がザックにレインカバーをつけていた。


・エゾコザクラ(蝦夷小桜、Primula cuneifolia、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)


・エゾノハクサンイチゲ(蝦夷の白山一花、Anemone narcissiflora. var. sachalinensis、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)


・エゾイソツツジ(蝦夷磯躑躅・蝦夷石躑躅、Ledum palustre L. subsp. diversipilosum var. yesoense、ツツジ科イソツツジ属の常緑小低木)


岩と池塘と残雪が入り交じった窪地が現れた。トムラウシ公園にさしかかったようだ。先ほどの黄色いレインカバーがもうあんな先へ行っていた。


・エゾノツガザクラ


・エゾコザクラ




・ウラジロナナカマド


・ミヤマバイケイソウ(深山梅蕙草、Veratrum alpestre、ユリ目シュロソウ科シュロソウ属の多年草)の群落




大きな岩を過ぎたところに「トムラウシ公園」の標柱が立っていた。
 

公園内には奇岩が多い。
 

振り返って見たトムラウシ公園には、日本庭園的面影があった。


トムラウシ公園を過ぎるとかなりの登り返しとなった。そしてガスが晴れてきた。
 

・タカネオミナエシ(別名チシマキンレイカ;高嶺女郎花、Patrinia sibirica、スイカズラ科オミナエシ属の多年草)


・イワブクロ


歩きやすい道ばかりでなく、岩場も多かった。
 

そして岩ゴロゴロの道を下り終えるとトム平に着いた。




トム平付近ではこれまでと違う植物も観られた。

・チシマギキョウ(千島桔梗、Campanula chamissonis、キキョウ科ホタルブクロ属の多年草)




・エゾツツジ(蝦夷躑躅、Therorhodion camtschaticum、ツツジ科エゾツツジ属またはツツジ属の落葉低木)


・イワブクロ(別名タルマイソウ;岩袋、Pennellianthus frutescens、オオバコ科イワブクロ属の多年草)


・ゴゼンタチバナ(御前橘、Cornus canadensis、ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)


標高1600m地点で大きな岩が連なる所をトラバースし、谷筋に出た。
 

そこを少し下った所に標柱があった。ここからは沢沿いに下っていく。雪渓を歩けるかと期待していたが、雪はほぼ解けていて歩ける状態ではなかった。
 

沢沿いに下っていくと、まもなくコマドリ沢分岐に着いた。沢を渡ったところに標柱があった。ここで水を補給した。
 

コマドリ沢分岐の手前で観たエゾコザクラが、今回の山行でのこの花の見納めとなった。


そしてここから先に観られた花は、高山帯で観られる花から亜高山帯そして山地帯で観られる花に、徐々に変わっていったのが寂しかった。

・オオバミゾホオズキ(大葉溝酸漿、Mimulus sessilifolius、ハエドクソウ科ミゾホオズキ属の多年草)
日本では本州の中部以北の日本海側、北海道に分布し、高山で沢沿いや湿地などの水気のある場所に群生する。


・カラマツソウ(落葉松草、唐松草、Thalictrum aquilegiifolium var. intermedium、キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草)


・オガラバナ(麻幹花、Acer ukurunduense、ムクロジ科カエデ属の落葉小高木)


・キタヨツバシオガマ(北四葉塩釜、Pediculais chamissonis var. hokkaidoensis、ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)


・ミヤマリンドウ(深山竜胆、Gentiana nipponica、リンドウ科リンドウ属の多年草)


・ハナニガナ(花苦菜、Ixeris dentata var. albiflora f. amplifolia、キク科ニガナ属の多年草)


・ハイオトギリ (這弟切、Hypericum kamtschaticum、オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草)
北海道、本州(中部地方以北)の亜高山帯から高山帯の岩礫地や草地などに生育する。


・ハクサンシャクナゲ(白山石楠花、Rhododendron brachycarpum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)


心配していた右足親指付け根の痛みが出てきた。カムイ天上に着いたら治療しようと頑張って歩いたが長かった。
9時43分にカムイ天上に着いた。靴を脱ぎ痛む部分に痛み止めのテープ(経皮吸収型鎮痛・抗炎症剤)を貼った。それでも痛むので痛み止めの錠剤を飲んだ。


痛みが何とか治まったので、その後も長い道のりだったが普通に歩けた。10時50分にトムラウシ短縮コース登山口との分岐まで来た。残りは3.9kmで最後に急な傾斜があるが、それまでは緩やかな下りだ。


森の中の道は歩いていて気持ちが良かった。足の痛みもその後は治まってくれていた。


12時33分、無事にトムラウシ温泉登山口に下山した。


4日目に歩いた距離は10.8km、累積標高差は登りが219m・下りが1542mで、歩行時間は途中休憩(32分)を含めて7時間20分だった。
そして4日間を合計すると、歩いた距離は44.7km、累積標高差は登りが2516m・下りが3481mとなった。

憧れていた表大雪の縦走が果たせた。憧れが目標となり、それが果たせた喜びは大きい。今年はまだ行けるが来年は無理だろうと思っていた。しかし実際に歩いてみると、まだ数年は大丈夫なように思う。但し足の痛みはしっかりと治療しなければいけない。専門医に診てもらおうと思った。

表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 (完)
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