モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

東北の山を眺める6/津軽の名峰・岩木山

2024年09月01日 | 青森の山

(本頁は「全国山の日協議会」への投稿文「東北の山を眺める(#6)/ 津軽の名峰・岩木山」の原本です。)

鳥海山、岩手山の次はどの山にしようか迷いました。

高さの順から行くと吾妻山か月山でしょうか。
しかし前者は下界(福島市や米沢市)から眺めた姿はつかみどころがない感じです。
月山は山形盆地や新庄盆地から見た茫漠とした姿が個人的には好きなのですが、
いかんせん手持ち写真がほとんどありません。
三座目はグンと標高を落としますが、青森の岩木山にしようと思います。
岩木山はどこから眺めた姿が一番良いのでしょうか。
かつて勤め人時代、私は出張で秋田市から青森市に行くことが何度もありましたが、
岩木山と言えば、途中の弘前市付近から見た姿ばかりでした。
その標高は1625mと低いのですが、
麓の弘前市中心部付近の標高は30m前後と低いので、
ほぼ1600mの標高差で眺めることになります。
これは2000m級の鳥海山や岩手山には及ばないものの、
平野から眺める山としてはけっこう標高差がある方だと思います。
津軽平野からそびえる姿はとても秀麗な富士山型です(津軽富士とも呼ばれます)。

2015年6月11日。弘前市南東郊外(参考マップのA)から。




この山を眺めるには雪のある冬場や春先が好いように思います。

昔一度だけですが、冬姿を見たくて一月に秋田市からドライブしたことがありました。
弘前に着いた時は雲を被っていましたが、一時間ほど待っていたら雲が取れました。

2020年1月18日、弘前市南郊外(参考マップのB)から。




同じ場所からアップで。




山頂部は大まかにはみっつに分かれ、漢字の『山』のようにも見えます。

参考マップ




北側、例えば五所川原市やつがる市、鯵ヶ沢町などから見た姿も好いと思うのですが、
残念なことに私は見たことがありません。
三度ほど訪ねましたが、いずれも雨か霞でその御姿は拝謁できなかったのです。
より北に近い角度から見たものとしては、
五所川原市と青森市の境にある梵珠山(468m)の中腹から見た写真が有りました。

2017年5月9日、梵珠山の中腹(参考マップのC)から。




県庁所在地の青森市から見える姿もこの形に近いと思います。

岩木山は青森県、それも西側の津軽地方限定のお山かと思っていました。
ところが最近、秋田県からも見えることがわかりました。
ただし青森と秋田の県境には白神山地が連なっているので、秋田の平地から見ることは無理です。
私が見つけたのは男鹿半島の寒風山の山上からでした。
しかし遠すぎる上に見えるのは山頂部の限られた部分だけなので、
わざわざここで拡大写真を披露するつもりはありません。
白神山地の幾つかの山の上からは比較的近いので見ごたえがあります。
写真は青森秋田県境の二ッ森(1086m)(参考マップのD)から眺めたものです。
岩木山からの方角としては南西にあたります。




初めてこの姿を見た時、
私はこの尖ったピークが岩木山だとは信じられませんでした。

利尻山かはたまたフィリピンのマヨン山かと思ったほどでした。

次は白神山地の一峰・藤里駒ヶ岳(1158m)から眺めたものです。
先ほどよりは少しマイルドですが、やはり尖っております。




最後は秋田県の中央部、太平山(1170m)から見たものですが、

左の凸は先ほどの藤里駒ヶ岳、右側のピラミッドが岩木山です。




以上。


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雨の八甲田・花紀行2(2016年6月14日)

2023年06月23日 | 青森の山

(本頁は「雨の八甲田・花紀行1」の続きです。)

今回、八甲田で見た花で一番みごとだったのは、 コメバツガザクラだった。




コメバツガザクラは他の高山でも岩場などでよく見かけるが、
開花時期が早く、花に間に合わないことが多い。
仮に間に合っても、地味な花なのであまり印象には残っていない。
しかし八甲田山の今回のコメバツガザクラは凄かった。
こんなにびっしりと花がついたものは今まで見たことが無かった。




井戸岳の斜面を下り、大岳避難小屋にたどり着く。

 


本来ならば最高峰の大岳を目指すところだが、雨で何も見えない。

山頂に行っても何も見えんだろう
と大岳は諦め、
毛無岱を目指し、針葉樹林帯を降下することにした。




途中、咲いてた花はいずれも春の山を思わせるような面々ばかり。

ショウジョウバカマ
 

                                                イワナシ


ムラサキヤシオが咲き残っていた。
今年これらの花を観るのはおそらく今回が最後だろう。

 


上毛無岱から下毛無岱を望む。紅葉時は絶景とのこと。







毛無岱に降りたらいっとき、雨が小やみになった。でも山は見えない。

上毛無岱から大岳方面を望む。
 









池塘の縁にはミズバショウがまだ咲いてる。

   

                                            イワイチョウ


イワカガミ



イワカガミとチングルマ実
 

                                            チングルマ花


チングルマ実



イソツツジ  
 

                                        花が終わったばかりのワタスゲ


実が成熟中のワタスゲ



ロープウェイ駅近くでサンカヨウの咲き残りがあった。

 


雨なのにこのサンカヨウは透明になってなかった。




ロープウェイ駅を降りたら土砂降りになってきた。

この日、八甲田山の姿は一度も見られなかった。

翌15日は一日じゅう青森市の社屋でカンヅメ会議。
不毛の会議だったが、私の会社勤めもあと半年しかない。

昼過ぎになり、北八甲田の峰々が姿をあらわして来た。

会社会議室から望んだ八甲田山



ほぼ同時期、晴れた日の八甲田山の記録は ⇒ 「初夏の八甲田山登山(2019年6月19日)」。


雨の深浦海岸・花紀行(2016年6月16日)」へ続く。

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雨の八甲田・花紀行1(2016年6月14日)

2023年06月22日 | 青森の山

(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)

6月14日は有給休暇をとって、八甲田山に登ってみた。
この山には過去二回アタックしているが、いずれも天気が良くなかった。
最初は約30年前の秋、酸ヶ湯から登り、大岳山頂に立ったものの濃霧で視界ゼロ。
昨年八月は雨がひどくて登山口付近で撤退(その後は竜飛崎に向かう。 ⇒ こちら )。

今回は山麓から前衛の田茂やち岳が見えたので何とかなるだろうと念じ、
ロープウェイに乗った。
しかし駅から先は終始、小雨の中を歩くことになった。

それでも花はいっぱい咲いてたし、
カメラにアクシデントがなかったのはさいわいだった。

田茂やち岳から見た赤倉岳方面



アオモリトドマツ(オオシラビソ)
 

                                                                                                                                                                マイヅルソウ

ミヤマスミレ
 

                                            コヨウラクツツジ

ミツバオウレン



ツマトリソウ
   

                                    赤倉岳の山頂付近にて。手前の黄色い花はオオバキスミレ 。


赤倉岳、井戸岳の稜線上はガスで視界はさっぱりだった。




稜線上に咲く花たち

イワカガミ
    

                                           特に赤みの強い株


イワカガミ とミヤマキンバイ 



ミヤマキンバイ  
 

                                            ホソバイワベンケイ


今回の八甲田山で楽しみにしていたのはミヤマオダマキの花だ。

この花は秋田や山形の高山では見られない(とされている)。
もしかしたら有るのかもしれないが、一般的な登山道を歩く限り、出会うことはない。
東北地方では早池峰山に豊富だが、もう二箇所、八甲田と蔵王にも有ると聞く。

ここしばらく野生のものは見てなかったので、今回は是非にと思っていたが、
それは赤倉岳の山頂付近にポツリと咲いていた。

ミヤマオダマキ。特別に早く咲いたひと株。






周りの緑葉はイワブクロだ。

ミヤマオダマキの蕾。井戸岳の南斜面には群生していた。
 

                                            イワブクロの蕾


稜線の彼方此方にイワウメのマットが有った。










 
                                               コメバツガザクラ



雨の八甲田・花紀行2」に続く。

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(`◇´)八甲田は葉っ紅だ!後編(2008年10月9日)

2023年01月23日 | 青森の山

(本頁は「(`◇´)八甲田は葉っ紅だ!前編(2008年10月8日)」の続きです。)

翌日(10月9日)の青森地方は朝から雨との予報だったが、いざ起きてみたら、燦々と日が照っているではないか。
八甲田の山並みもしっかり見えている。
これは勿体無い。秋田への帰り途は昨日午後と同様、八甲田迂回ルートを選択した。

10月9日の八甲田大岳。酸ヶ湯温泉大駐車場より。



今回のマップ



まずは青森市から観光道路(国道103号線)を酸ヶ湯に向かう。

10月9日の酸ヶ湯温泉



昨日は満杯だった駐車場も朝は空いていた。
温泉の後方に聳えるのは八甲田大岳(1585m)。

地獄沼を過ぎる。




傘松峠から睡蓮沼にかけての紅葉はどうだろう。
背景は石倉岳(1202m)。



睡蓮沼に到着。

ここからは北八甲田の山並みがよく見える。

石倉岳(1202m)と硫黄岳(1360m)。



左から硫黄岳(1360m)、真ん中奥に八甲田大岳(1585m)、右は小岳(1476m)。



左は八甲田大岳(1585m)、右は小岳(1476m)。

八甲田大岳は奥まった場所に聳えているのでここでは控えめな印象だった。




小岳(1476m)と高田大岳(1552m)。




高田大岳(1552m)単体。




高田大岳は高さこそ八甲田大岳に一歩譲るものの、山の姿は八甲田の峰々の中で一番整っている。

しかもちょっと外れて聳えているので、場所によっては孤高を保っているように見える。

南八甲田(猿倉岳?)は山と言うよりも平らな森林だ。
今日は南八甲田が山頂までしっかり見えた。
なおここは春に来た時(こちら)、連れ合い(上司)が携帯電話を紛失した場所でもある。










猿倉温泉入口に到着。
今日は奥に猿倉岳(1354m)が屋根のような形で見える。




今日も紅葉は紅かった。




少し進むと、昨日、紅葉が一番激しかったポイントに差し掛かる。

(`◇´)八甲田は真っ紅だ! 葉っ紅だ!




誰かが居るような気がしてふと振り返ったら




道の向こうに高田大岳が立っていた。




高田大岳(1552m)



更に下って、谷地温泉付近から高田大岳を望む。




谷地温泉の湿原。向こうの山は黒森(1023m)。




谷地温泉から田代平の方に向かってみる。
谷地温泉から田代平方面に向かう道の両側にはみごとなブナの大木が立ち並ぶ。




田代平・駒込川の畔(標高約600m)から雛岳(1240m)を望む。




雛岳の左にちょろっと見えるのは高田大岳。右は井戸岳や赤倉岳の連なり。

田代平もゆっくり愉しみたかったが、本業時間の兼ね合いでそうも言ってられない。
同じ道を谷地温泉に戻り、蔦温泉への道を下る。
途中のブナ二次林も素晴らしかったが、路駐困難なので撮影出来ず。
蔦温泉や奥入瀬渓流にも寄らず、ひたすら「奥入瀬バイパス」という新道を駆け上がってみる。




すると今巡ってきた八甲田の山並みが見えた。
左から乗鞍岳、高田大岳、黒森など。

その後は十和田カルデラ北外輪山のヘリを西に走り、秋田へと向かう。
最後に北外輪山から望む十和田湖を。




北外輪山の標高は1000m前後だが、こちらはほとんど紅葉してなかった。
今年はこの後、秋田県南部の紅葉を観に行っている。⇒ こちら

以上。

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(`◇´)八甲田は葉っ紅だ!前編(2008年10月8日)

2023年01月21日 | 青森の山

(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)

今年はシゴトの関係で青森に出かけることが多かった(春はこちら)。
いつもなら高速・秋田道から国道7号線、そして高速・東北自動車道と
最短ルートで行き来するだけなのだが、

たまには少し回り道をして、八甲田を掠めてみようと思った。
10月8日は昼過ぎ、東北道を黒石インターで降り、国道394号線を走り、八甲田山の方角に向かった。
下界はよく晴れていたのに、八甲田の核心部は、う~(-_-;)残念、ご覧の通り、曇っていた。

傘松峠と睡蓮沼の中間辺りから南八甲田方面を望む。



しかし紅葉はゾクッとするほど紅く感じた。

今回は登山ではない。仕事中、ドライブしながらの紅葉狩りだが、
こんなによく焼けた紅葉は久しぶりだったので敢えて報告させて頂く。







睡蓮沼から石倉岳(左)と硫黄岳を望む。




睡蓮沼から小岳(左)と高田大岳を望んだつもりだが・・・。残念、山は見えなかった。





傘松峠から睡蓮沼にかけての標高は、丁度1000mくらい。

この時期、この高さにしては、紅葉が早すぎるように感じたが、ここ八甲田は特別なのかもしれない。
津軽海峡を越えて北海道からやって来た「紅葉の神様」が本州で最初に降り立つ場所なのだ。
今日は雲が有って八甲田の山並みは望めなかった。
なので、近くにある秘湯を訪ねてみる(が仕事中なので入浴はしていない)。

猿倉温泉の案内板



猿倉温泉の入口(標高872m)



そのあたりの紅葉がこれまた素晴らしかった。
道路が少し広くなったところにクルマを停め、温泉の方にテクテク歩いてみる。




こちらの紅葉も素晴らしい。立ち止まって眺め、また進むの繰り返し。




適度に混じるアオモリトドマツの暗いグリーンが更に紅味を引き立てている。




 


(`◇´)八甲田は真っ紅だ! 葉っ紅だ!








 





 





オオカメノキ
 
                                                トウゲブキ



トウゲブキの葉がこんな素敵なワイン色になるとは知らなかった。







時計を見たら、夕方の本業イベント(会場:青森市)の刻限が迫っていた。
そろそろ移動を開始する。

地獄沼



酸ヶ湯温泉近くの地獄沼まで下りたら、
青空の領域が多くなり、八甲田の山並みから雲が剥がれ出した。

ゆっくり眺めていたいところだが、シゴトなので今日はここまで。


後編(2008年10月9日)」に続く。

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