鳥海山には複数の登山ルートがある。
本カテゴリーでは秋田県側、にかほ市の鉾立を起点に登った記録(時期は五月~八月)を扱っている。
(記事の配列は訪ねた年に関係なく、月日の順に並べ、降順とした。)
久しぶりに鳥の海探訪。(2014年8月24日)
晩夏の鳥海山・鳥の海編(2022年8月22日)
晩夏の鳥海山には何が咲く。(2020年8月18日)
New 猛暑日の鳥海山5(2023年8月9日)
New 猛暑日の鳥海山4(2023年8月9日)
New 猛暑日の鳥海山3(2023年8月9日)
New 猛暑日の鳥海山2(2023年8月9日)
New 猛暑日の鳥海山1(2023年8月9日)
真夏の鳥海山は花だらけ3(2022年7月30日)
真夏の鳥海山は花だらけ2(2022年7月30日)
真夏の鳥海山は花だらけ1(2022年7月30日)
真夏の鳥海山、天空の花園へ。後編。(2020年7月30日)
真夏の鳥海山、天空の花園へ。前編。(2020年7月30日)
鳥海山は百花繚乱だった。2(2018年7月20日)
鳥海山は百花繚乱だった。1(2018年7月20日)
ニッコウキスゲを尋ねて鳥海山へ。2(2020年7月17日)
ニッコウキスゲを尋ねて鳥海山へ。1(2020年7月17日)
鳥海山・お花見トレッキング。後編(2021年7月15日)
鳥海山・お花見トレッキング。前編(2021年7月15日)
鳥海山でニッコウキスゲを満喫。後編。(2022年7月8日)
鳥海山でニッコウキスゲを満喫。前編。(2022年7月8日)
New 2023年7月4日、鳥海山・笙ヶ岳(3)怪我編
New 2023年7月4日、鳥海山・笙ヶ岳(2)ムカゴトラノオ編
New 2023年7月4日、鳥海山・笙ヶ岳(1)
7月初め、鳥海山で雨を見た。後編(2016年7月2日)とその後。
7月初め、鳥海山で雨を見た。前編(2016年7月2日)
鳥海山・初夏のお花畑。後編。(2020年6月24日)
鳥海山・初夏のお花畑。前編。(2020年6月24日)
初夏の鳥海山お花畑・後編(2022年6月22日)
初夏の鳥海山お花畑・中編(2022年6月22日)
初夏の鳥海山お花畑・前編(2022年6月22日)
ハクサンイチゲを見に鳥海山(笙ヶ岳)へ。(2018年6月10日)
晩春の鳥海山、まずは御浜まで。(2015年5月30日)
2020/06/24 長坂道から鳥海山を望む。
2022/07/08 長坂道稜線のニッコウキスゲ群生。
2018/07/20 長坂道稜線のお花畑。
以上。
(本頁は「猛暑日の鳥海山4」の続きである。)
11時ちょっと前に、七五三掛に到着した。
今朝は5時15分頃から歩いているので、
ここまで5時間以上かかっていることになる。
もはや山頂は諦めている。ここで握り飯を食べ、引き返すこととした。
なお今日の撮影枚数は800枚近くなった。
この調子では、1000枚を超えそうだ。
ここまで来たら、鳥海山本体に雲がかかるようになった。
七五三掛から望む鳥海山新山と右に外輪山の文珠岳
七五三掛から望む稲倉岳
握り飯を食べる間に見ていた花風景。
ハクサンシャジンとシロバナトウウチソウ
紅味の強いシロバナトウウチソウにトンボが。
今回のマップ
七五三掛から御田ヶ原の分岐点までは来た道を戻った。
分岐から先、今度は鳥の海分岐に向かって緩やかに降下して行く。
鳥の海分岐に向かって緩やかに降下して行く道。行く手に聳えるのは笙ヶ岳と鍋森の重なり。
途中、鳥海山本体を振り返る。左側の丸い山が今上り下りした八丁坂。
この後、雲が出て鳥海山は隠れてしまった。
これが今日見た最後の鳥海山本体になった。
千畳ヶ原を見下ろす。
鳥の海分岐が近づいてきた。目の前の丸いピークは鍋森。
御田ヶ原分岐と鳥の海分岐の間で見た花。
ミヤマホツツジ
謎のニガナ
このニガナは雪渓跡地など高所の湿った場所限定のようだ
(御田ヶ原分岐から鳥の海分岐までの間の湿った草地に多かった)。
中腹の登山道沿いに生えるシロバナハナニガナ?と較べると、
開花時期が約一ヶ月遅く、花はやや大型で肉厚な印象だった。
ミヤマコウゾリナ
ニッコウキスゲの小群生
ウサギギク
鳥の海に到着した。
日照り続きのせいか、水は例年よりも少ないように思った。
鳥海湖。右奥、稜線上が御浜。
鳥海湖から扇子森方面を望む。
御浜近くの最後の雪渓。
今日、鳥海湖から鳥海山は見えなかった。
午後になると、必ずと言っていいほど雲が出て見えにくくなるが、これはしょうがない。
鳥海湖とおさらば。次は笙ヶ岳方面を望む。
長坂道T字分岐まで戻り、鍋森を望む。
下山時に見た花と景色。
チョウカイアザミとハクサンシャジン
ミヤマアキノキリンソウ
マルバシモツケ
右上、賽の河原の下から鉾立方面を望む。
ラストは鉾立から見た稲倉岳。
今日の鳥海山、稜線上はそよ風が吹き、あまり暑いとは感じなかった。
ところが下山時、賽の河原を過ぎ、鉾立が近づいた途端、ドッと汗が噴き出した。
車に戻って、車外温度を確かめたら、外気温は28℃になっていた。
ちなみに鉾立の標高は約1150m。
夕方のニュースを見たら、この日の下界、秋田市は38.2℃だったとか。
これは今のところ、今年の秋田市の最高気温のようだ
(秋田市はこの後、8月23日に38.5℃に達した)。
以上。
(本頁は「猛暑日の鳥海山3」の続きである。)
鳥海山はセリ科の多い山だ。
この科の花はどれも皆同じに見え、識別には難儀する。
だからといって嫌がらず、ときには親しんでみよう。
八丁坂を登って行くとハクサンシャジンやセリ科が多く生えている。
これも謎のシシウド属のある花風景。
謎のシシウド属は当初、エゾノヨロイグサと思っていたが、
高山文夫氏の著作「鳥海山・月山の植物」によるとミチノクヨロイグサ(ケナシミヤマシシウド)と同定されていた。
手持ち図鑑には載っていない植物名だった。
シシウド属はもう一種有った。
ミヤマトウキの草丈は低いが、花は華やかな印象だ。
ミヤマトウキは鳥海山では比較的低所、鉾立付近の登山道沿いにも生えているが、
長坂道稜線や扇子森、八丁坂の群生はみごとだった。
次の写真は昨年7月30日、長坂道稜線で見たお花畑。
ミヤマトウキがこんなにいっぱい咲くとはそれまで知らなかった。
ミヤマトウキの花は七月のうちが華で、八月になると終盤にさしかかるようだ。
かわって秋が近くなると咲き出すのが、ミヤマセンキュウ。
小型のセリ科を三種。
鳥海山で最も多いセリ科は、イブキゼリモドキではないかと思う。
このセリ科は、鉾立で歩き出して以降、登山道沿いで切れ目なく見かけていた。
疎らな花で遠目にもわかるが、他との識別には葉の確認が必要だ。
イブキゼリモドキ。鉾立の近くで。
イブキゼリモドキ。八丁坂で見た株。
イブキゼリモドキの茎葉
シラネニンジンとハクサンボウフウはよく似ているが、葉を見れば一目瞭然だ。。
上半分はシラネニンジン、下半分はハクサンボウフウ。
ハクサンボウフウ
八丁坂から急に多くなる花を幾つか。
キク科はアザミ類以外にヒトツバヨモギやヤマハハコ、他の科ではエゾシオガマ、オンタデなど。
いずれも地味な花ばかりだが、鳥海山ではお花畑を形成していた。
ヒトツバヨモギ
ヤマハハコ。左にイワオトギリ。
エゾシオガマとヤマハハコ。
エゾシオガマはここへ来る途中、賽の河原の雪渓跡の湿地にも生えていたが、
八丁坂では乾燥したガレ場のようなところで群生していた。
半寄生植物なのに生育環境の幅が広い植物だ。
エゾシオガマの花穂は上から見ると、巴形に見える。
オンタデ
ネバリノギラン。既に草紅葉が始まっている。
ヤマハハコとクロヅル
クロヅルは本来、低山に多いつる低木だが、
鳥海山や月山などではけっこう高所にも生えている。
従来の高山植物図鑑等には掲載されないことが多く、
鳥海山の高所で見た方からこの花は何ですかとよく質問を受ける。
八丁坂を登り詰めると、狭い谷のような地形になる。
八丁坂上の狭い谷から笙ヶ岳を望む。
ここは後で月光(がっこう)川と名を変える蛇石(じゃいし)流れが始まる場所だ。
遅くまで雪が残っているせいか、
湿性の花が多く、しかも最後に花が見られる場所になっている。
ニッコウキスゲの残花
ハクサンイチゲの残花
コバイケイソウ
モミジカラマツ
ミヤマリンドウ
ここは花の種類の多い処だ。
「猛暑日の鳥海山5」へ続く。
(本頁は「猛暑日の鳥海山2」の続きである。)
扇子森(1759m)の山頂部は平坦で花に溢れていた。
扇子森山頂手前から鳥海山を望む。
扇子森山頂手前のお花畑
扇子森山頂から、笙ヶ岳と鍋森を望む。
山頂にある岩のベッド。
初夏にはこの岩の上で昼寝している人を見かける
(私も若い頃、昼寝した(´π`;)☆\バキ)。
ミヤマウスユキソウの古花
扇子森からお花畑越しに鳥海山。
このお花畑には、トウゲブキ、ハクサンシャジンが多かった。
今回のマップ
扇子森の山頂で今日の撮影枚数を確認したところ、既に600枚になっていた。
また時計を見たら、10時になっていた。
長坂道稜線に上がったのは確か7時半頃だったと記憶しているので、
自分はこの稜線に二時間以上も居たことになる。
凄いスローペースだ。
いつものことだが、山頂まで行くことは諦め、
今日はのんびり中腹を廻って、花や景色を撮影しながら戻ることにした。
それでも外輪山コースと千蛇谷コースの分岐にあたる七五三掛までは行ってみよう。
そこで昼飯にすることにした。
写真は御田ヶ原の降り口から見た鳥海山本体。
鳥海山本体をアップで。
本体の全容が見えるのは、ここがラストだ。
今日は月山もよく見えた。
月山
上写真、月山の方角に見える鳥海山支峰の名前は月山森とややこしい。
その手前の草原状の地形か千畳ヶ原だ。
御田ヶ原の緩斜面は雪が遅くまで残っているせいか、
七月にはハクサンイチゲやチングルマ、コバイケイソウ、ニッコウキスゲなどの花が咲いているところだが、
さすがに八月になったら、もう終わっていた。
御田ヶ原の下り坂から八丁坂方面を望む。
鳥海湖や千畳ヶ原への分岐点を過ぎると、上り坂となる。
この坂道は八丁坂と呼ぶようだ。
こちらは遠目には花は無いように見えるが、近寄るとそうではなかった。
今の季節はアザミやトウゲブキ、シャジンが多く、
場所によってはけっこう賑やかなお花畑になっていた。
八丁坂、右側のお花畑
右側、奥には千畳ヶ原と庄内平野
少し後ろを振り返ると、笙ヶ岳と鍋森の重なりが。
八丁坂の上の方は、シャジン・ロードと呼びたくなるほどハンサンシャジンが多い。
シャジンの多いあたりを過ぎて振り返ると・・・
八丁坂は意外と花の多い場所だ。ここで見かけた花を個々に取り上げてみる。
まずはアザミ類。
鳥海山で多く見かけるアザミは、チョウカイアザミとウゴアザミの二種だ。
チョウカイアザミは鳥海山の固有種。
けっして美しくはないが、大型で存在感が有る。
鳥海山ではあちこちで見かけるが、群生することは少ない。
雪渓が後退した何も無い裸地に最初に侵入するパイオニア植物のひとつだ。
チョウカイアザミの頭花アップ。
チョウカイアザミにとまったオニヤンマ。
ウゴアザミは大規模な群生を作り、鳥海山では最も多いアザミ、いや植物のように思われる。
棘が多いタイプとそうでないもの、花色も濃淡いろいろ有った。
ウゴアザミの群生
ウゴアザミ、花色がやや濃いタイプ
オクキタアザミ
あともう一種、地味だが、オクキタアザミ。
オクキタアザミはアザミ属ではなく、トウヒレン属。
生育する山は限られ、今のところ、鳥海山と焼石岳、羽後朝日岳の三ヶ所と聞く。
「猛暑日の鳥海山4」へ続く。
(本頁は「猛暑日の鳥海山1」の続きである。)
長坂道T字分岐に到着した。
此処に来ると鳥海山本体がドバっと見える。
長坂道T字分岐から鳥海山本体を仰ぐ。
此処は月山や庄内平野の眺めも好い。
この場所は六月にハクサンイチゲ、七月にニッコウキスゲが群生する場所だが、
今年はニッコウキスゲが裏年なので、7月4日に来た時は花がさっぱりだった。
今回も花はあまり咲いてなかったが、
稜線を進むと、上の方にはけっこう咲いていた。
鳥海湖との分岐付近から。
更に登ると、鳥海山本体と鳥海湖の両方が望めるようになる。
両方を望む欲張り構図でもう一枚。
稜線上のお花畑から笙ヶ岳方面を望む。
稜線上のお花畑。
稜線の上の方のお花畑の構成種は現在はトウゲブキやミヤマアキノキリンソウ、ハクサンシャジンなどが多いものの、
既に終盤モードに差し掛かっていた。
お花畑の構成種
トウゲブキ
ミヤマアキノキリンソウ
ハクサンシャジン
ハクサンフウロ
オオバギボウシ
チョウカイフスマ
場所は内緒だが、ここでチョウカイフスマの群生を。
山岳風景に戻る。
御浜手前から鳥海山本体を望む。
御浜付近から稲倉岳を望む。
扇子森への上り。
扇子森に登る途中からは鳥海湖がよく見える。
今日はその奥に遠く月山や庄内平野もよく見えた。
鳥海湖と鍋森
「猛暑日の鳥海山3」へ続く。