森吉山には初夏の6月に行くことが多かった。
何故ならこの時期、この山ではシラネアオイやチングルマ、イワカガミがみごとに咲く。
7,8月の盛夏には他の山ばかり登っているせいか、この山に行くことは少なかった。
特に晩夏には何が咲くのか情報が無かったので、
今回、それを確かめるべく登ってみた。
石森の分岐手前から見た森吉山
実は今日、8月20日は夏季のゴンドラ運行が一区切りとなる日(これ以降の平日は運航休止)だ。
天気は昼頃から雨が降る予報だったが、強行した。
いざ行ってみると、曇り日にも関わらず、登山者は多かった。
9時ちょうど頃、ゴンドラに乗る。
前回(2022年6月8日、こちら)同様、ゴンドラに乗車中、下の方の藪にクマの姿を見た。
ゴンドラを下りたら、ガスで周りの景色はよく見えなかったが、
文句は言わず、登山開始。
最初に目にした花、ハクサンシャジンはもう終わり頃だった。
そのかげのシラネアオイの葉は黄色っぽくなっていた。これがシラネアオイの草紅葉なのだろうか。
秋の花、エゾオヤマリンドウは今、咲き出したばかりだった。
エゾオヤマリンドウ
ウゴアザミ
イブキゼリモドキ
ヒトツバヨモギ
今回、花はとても少なかった。
夏の花を見るならば、もう十日は早く来るべきだと思った。
稜線に到着。
石森の休憩場から、森吉山を望む。
この日、まともに森吉山が見えたのはこの前後、五分間くらいだった。
湿原
イワイチョウ
コバギボウシ
モウセンゴケ
稜線も花は少なかったが、かわりに赤くなった草木の実が奇麗だった。
ゴゼンタチバナ
アカモノ
そろそろ草紅葉の気配が。
チングルマの草紅葉
キンコウカ
キンコウカが多い斜面
この奇麗な草紅葉はネバリノギランだろうか。
近縁種のノギランも見かけた。
ハクサンフウロ
ハクサンフウロは夏の名残り、ミヤマアキノキリンソウは初秋の主役。
ミヤマアキノキリンソウ
山頂標
山頂から山人平を望む。
今回は天気もイマイチなので、山人平まで足を延ばさなかった。
山頂で早い昼飯とし、下山を開始した。すると10分くらいして雨に降られた。
雨ガッパを着たのは今年は初めてだ。
八甲田に登って以来だから、三年ぶりくらいだろうか。
雨は10分間くらいで止んだが、今度は雷鳴が近くなって来た。
足早に下山し、ゴンドラに乗ったら、また雨が叩きつけて来た。
下界は晴れていた。
ゴンドラ駅でマスコット犬、北斗君に逢う。
今までは檻の中で寝ている姿しか見たことがなかった。
これから巡回(お散歩)に行くのだろうか。
なお今回は珍しく咆え声を聞いた。それはなかなか凄みが有った。
クマをも威嚇するような感じだった。
以上。
(本頁は「シラネアオイ咲く森吉山へ。前編」の続きである。)
石森から森吉山山頂(向岳)を望む。
ここから望む森吉山は丸々と太ったゴマフアザラシのようだ。
石森から森吉山山頂までの間に見た花たちを列記してみる。
まずは木の花。
ミネザクラ。バックは太平山方面。
ミネザクラ
マルバマンサク
山頂では鮮やかなピンクのツツジが咲いていた。
ムラサキヤシオ
イワナシ
この紅葉はハナヒリノキだろうか。
稚児平は名前からも推測されるようにチングルマの群生地だが、まだほとんど咲いてなかった。
今年は例年に較べると、今年は花の進度が遅れている。
咲き出したばかりのチングルマ
ヒナザクラは開花が早く、あちこちで可愛い花を咲かせていた。
ヒナザクラ
イワカガミ。下の赤い蕾はアカモノ。
ショウジョウバカマ
ヒメイチゲ
ミツバオウレン。丸い葉はイワカガミ、元気な芽出しはニッコウキスゲとエゾオヤマリンドウ。
スミレ類二種。
オオバキスミレ
ウスバスミレ
森吉山は花の百名山に入ってるようだが、
秋田駒や焼石、鳥海山に較べると高山植物の種類は少ない。
それでも1454mという標高にしては、花の量はかなり多いと思う。
1500m超の栗駒山や岩木山に較べても明らかに多い。
森吉山山頂付近からの眺め。
今日は南の方の高山が軒並み雲に包まれており、鳥海山は見えなかった。
男鹿半島を望む。
八幡平方面を望む。右奥の岩手山は雲をかぶっていた。
山人平方面を望む。そこへ行くには雪の斜面を下らなければならない。
山頂には20名前後の登山者が居たが、山人平まで降りたのは自分だけだった。
山人平にはヒナザクラの多い湿原とチングルマ、イワカガミが混生するお花畑が有るが、
まだ雪が融けたばかりで花は何も咲いてなかった(厳密にはミズバショウが数本だけ咲いていた)。
山人平の湿原から森吉山を望む。
山人平のお花畑予定地から森吉山を望む。
ここで昼飯とした。ほぼ貸し切りだった(二人の登山者が過ぎて行った)。
帰りは雪の斜面を森吉山山頂に登り返さなければならない。これはけっこうしんどかった。
ミズバショウ
雪の斜面を登り返してる最中。
最後に下山途中で見かけたシラネアオイ。
花色がとても濃いように感じた。
以上。
六月に森吉山へ行くのは六年ぶりだろうか。
石森山頂近くでシラネアオイと森吉山の両方を撮ってみる。
この日は変なお天気。
秋田市を境に北は快晴、南は曇天(横手では雨だったとか)。
可能なら鳥海山や焼石など南側の山に行きたかったのだが、この日は雲の無い県北の山、森吉山に向かうことにした。
秋田市から向かうと、森吉山はずっと山の陰になっているので見えない。
その姿が見えるのは、阿仁前田付近。この姿を見て、今日はやはり晴れてるとひと安心。
阿仁前田付近から森吉山を望む。
森吉山の登山はいつも楽して阿仁スキー場のゴンドラを使用している。
ゴンドラ駅には7時半に着いたが、ゴンドラのスタートはナント8時45分とのこと。
周辺を散歩したり、ゴンドラ駅のマスコット犬、北斗君を眺めたりして時間つぶしした。
ゴンドラ駅周辺で時間つぶしに見た花や木。
花盛りのタニウツギ
ホオノキの若木
北斗君のベロ姿。
ゴンドラからの眺め。
この後、カメラをしまったら、クマが下に居た。
ゴンドラからの眺め。ホオノキの大木。
ゴンドラに乗ってる最中、下の方にクマを見た。
さすがマタギ発祥の地、阿仁・森吉山だ!と感心。
しかし残念ながらクマの写真は無い。
撮影しようとカメラを準備しているうちに逃げられた。
クマの動きはとても素早かった。
こちらはゴンドラの中でよかった。登山道で出会ったらたまったもんではない。
今回のマップ
標高約1170mのゴンドラ上駅から登山が始まる。
森吉山山頂は1454mなのでここからの標高差は300mもない。
速い人なら一時間もかからず登れるが、デジ一眼で花を何百枚も撮影しながらの私はその倍かかる。
このルート、歩き出してすぐシラネアオイ街道が始まる。
ここのシラネアオイは大株が多く、みごとだ。
2013年初めてこのルートを歩いた時は、確か白花も有ったが、今回は見えなかった。
濃淡いろいろ有って、この山のシラネアオイは見飽きることが無い。
やや薄い系統。
やや濃い系統。
やや濃い系統。
花のアップ。
少し歩くと、アオモリトドマツの樹林になる。
アオモリトドマツの樹林
この木は冬場みごとな樹氷を身にまとう。林の下はまだ雪原だった。
その前後で見かけた地味な花たちを。
ザゼンソウ
タケシマラン
オクエゾサイシン
ザゼンソウは低山の湿地に咲くイメージがあるが、この山では亜高山帯の笹薮の中に生えていた。
次はノギランの芽出し。
さぞかし奇麗な花が咲くと思いきや、真夏に咲く花は至って地味な穂花だ。
石森(1309m)の山頂が近づくと、展望が開けて来る。
石森山頂手前から森吉山山頂(向岳)を望む。
今日は秋田駒と岩木山はここから見たのがよかった
(森吉山山頂に着いたら雲をかぶったり、霞んでよく見えなかった)。
岩木山
秋田駒には滝雲がかかっていた。
以上。
「後編」へ続く。
(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)
森吉山は標高の割りには高山植物の豊富な山だ。
昨年は初夏から真夏にかけて三回ほど訪ねた(昨年の記録 ⇒ 初夏 真夏)が、
秋にはまだ行ったことがなかった。
今年は9月6日に訪ねる機会があったので、簡単にその報告をしてみる。
この日の天気は明るい曇り。
石森から見た森吉山
手前の原っぱの黄色いのは何だろう。
イワイチョウの黄葉 エゾオヤマリンドウとミヤマアキノキリンソウ
こちらの黄色は主にミヤマアキノキリンソウだった。
ミヤマアキノキリンソウとエゾオヤマリンドウ
今の時期の森吉山はリンドウ(エゾオヤマリンドウ)がやたらと多いと感じた。
登山道の両脇には上写真のように常にリンドウが、場所によってはミヤマアキノキリンソウが混じって咲いているのだ。
このような花風景は阿仁ゴンドラ終点駅から山頂まで延々と切れ目なく続いていた。
森吉山では初夏~真夏にはシラネアオイ(こちら)やハクサンシャジン、クルマユリなどが、
八幡平ならばハクサンチドリやクルマユリなどが同じような咲き方をする。何故だろうか。
これはもしかしたら『登山道効果』かもしれない。
本来ならば明るい草原を好む草花が笹や灌木に負け、息も絶え絶えになっていたのが、
登山道を整備するため、笹藪が刈り取られたので、日光を浴びて息を吹き返したのか。
だとしたらこれら登山道脇の綺麗なお花畑は人手によって維持されているお花畑ということになる。
エゾオヤマリンドウ エゾオヤマリンドウの白花品種
真夏の名残り
ハクサンシャジンの残り花 花の終わったトウゲブキ
山頂に行く途中の池塘
この山ではあちこちで草叢が斜面を駆け上がる様子が見られた。
今の時期は綺麗な草紅葉になっているが、その正体は・・・
キンコウカ
一応、山頂まで行ったと言う証に・・・
山頂標 マルバマンサクの部分紅葉
この日、八幡平や秋田駒など遠くの山は雲に包まれ、さっぱり見えなかった。
山人平を見下ろす。
山頂付近では一部の草木で紅葉が始まっていた。
チングルマもそろそろ。
ごく一部だが、真っ赤になったのにまだ咲いてる株もあった。
他の草木はどうだろう。
オレンジがかっているのはネバリノギラン。
緑の丸い葉と赤い穂はイワカガミ。 黒光りする葉はイワカガミ。
ノギラン。葉はオレンジに紅葉。
そろそろ草木の実も目に付くようになった。
ゴゼンタチバナの実 アカモノ(実)とモウセンゴケ
下山時に見た森吉山
ゴンドラを降り、帰りの道路脇に咲いていた花たち。
ツリフネソウ
このエリアのツリフネソウは白花品種が多い。
黄色は別種。
キツリフネ
以上。
(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしてアップしたものである。)
今年(2013年)は森吉山に行くことの多い年だ。
6月16日、30日(記録はこちら)に続き、8月3日にも行ってみた。
ただし今回は足弱の家人と一緒なので、山頂には行ってない。
途中の石森まで行くので精いっぱいだった。
石森山頂手前から森吉山を望む。
今回の非合法マップ(ご注意:今回は山頂駅から石森までしか歩いていない)
石森の山頂近くには休憩場があり、ニッコウキスゲが盛りだった。
足が痛いと弱音を吐く家人もこのニッコウキスゲを眺めながらの昼餉(おにぎり)には満足していた。
ニッコウキスゲ コバギボウシ
園芸品種のギボウシは白く初夏に咲くものが多いが、山のコバギボウシは紫味が強い。
この花が咲くと、秋近しと感じてしまう。
ニッコウキスゲの草原の下では、まだチングルマやイワカガミが咲き残っていた。
どちらの花も森吉山では6月に咲く花だが、今頃咲いてるということは、つい最近までここには雪が残っていたんだろう。
チングルマ
チングルマと森吉山 イワカガミとチングルマ
同じ場所には地味な花だが、ハクサンオオバコも生えていた。
ハクサンオオバコ イワイチョウ
イワイチョウはアップで見ると綺麗な花だが、花つきは良くない。丸っこい葉ばかり茂っていることが多い。
いずれも雪田に特有な花たち。
白と黄色、二色のニガナは低地のニガナとたぶん同じだろう。
高山で見てもあまり有り難味は感じないが、たまには採り上げてみよう。
6月に咲いてなかった花たち。いろいろ。
クルマユリ ハクサンシャジン
ウゴアザミやハクサンシャジンなど。
この山のガイドブック等ではこのキキョウ科をハクサンシャジンとしているが、丈が高いので、低地のツリガネニンジンのように見える
(最近の図鑑ではハクサンシャジンを認めない、要するにツリガネニンジンと区別しないとの見解になっている)。
トウゲブキ キンコウカ
ノギラン
ノギランは低山にも生えている。かつてユリ科だったが、最近はキンコウカ科として分離した。
地味な花が続く。
ヒトツバヨモギ タカネアオヤギソウ
ミヤマホツツジ(奥の方にノギランの穂花)
花をアップで見ると、イチヤクソウの仲間に似ている(最近、イチヤクソウ科はツツジに併合された)。
秋が近くなると、草木の実にも多く遭遇するようになる。
アカモノ(ツツジ科)の実
オオバタケシマランの実姿。白いセリ科はたぶんハクサンボウフウ。
シラネアオイの実姿 これはギンリョウソウの実姿
ゴンドラ山頂駅
ゴンドラ山頂駅付近では丈の高い黄色のキク科がいっぱい咲いていた。
ハンゴンソウかなと思い、近づいてみたら、キオンだった。秋田ではそれほど多くない。
キオン
キオン
キオンとヨツバヒヨドリ
キオン、ヨツバヒヨドリに高原の女王ヤナギランを加え、『ゲレンデ・フロラ』と名づけたい。
以上。