(本頁は「マツムシソウを見に以東岳へ。前編。」の続きです。)
三角峰手前の小ピークを越えたら、突然視界が開けた。
以東岳やオツボ峰に連なる山なみが素晴らしかった。
三角峰手前の小ピークから以東岳やオツボ峰の眺め
更に素晴らしかったのは、ヒメサユリがまだ咲き残っていたこと。
この場所は6月26日に来た時はまだ雪に覆われていた。
雪消えが遅かったので、つい最近まで花盛りだったようだ。
今回は見られると思ってなかっただけに感激。
今越えて来た三角峰手前の小ピークと化穴山の重なり ヒメサユリとニッコウキスゲ
ヒメサユリ ヨツバシオガマ
この場所にはヨツバシオガマも咲き残っていた。
他には・・・
ミヤマリンドウ
キンコウカ ナンブタカネアザミ
ナンブタカネアザミは見るからに痛そう。
この花、「ナンブ」と有るので岩手に多い。と思うと必ずしもそうでなく、
岩手では栗駒山くらいでしか見たことが無い。山形や新潟の高山に多いようだ。
今回、以東岳(オツボ峰)に登ったのはタカネマツムシソウが見たかったから。
マツムシソウは北東北では極めて珍しい((T_T) 秋田では絶滅)。
タカネマツムシソウとしてはおそらくこの場所(三角峰やオツボ峰)のものが北限と思われる(隣の月山には無い)。
前回(6月26日)来た時、元気な芽出しがいっぱい有った。
それが咲くのを見たくて、今回のような酷暑時期の登山となった。
しかし今日は暑い。三角峰から先は1500mより高い稜線歩きとなるが、無風で気温は25℃くらいありそうだ。
タカネマツムシソウは三角峰の肩、水場の手前辺りから咲き始めていた。
タカネマツムシソウ
少し歩くとミヤマウスユキソウの古花がギッシリ。
ミヤマウスユキソウの古花
タカネマツムシソウの小群生。バックは以東岳。
稜線を進むに従い、タカネマツムシソウの密度は更に濃くなっていったが、
かわりに靄が立ち込めて来た。
タカネマツムシソウの小群生。バックは化穴山。
三角峰と戸立山(右奥)を振り返る。
さっきから気になっていたが、この山にはオオバギボウシも多かった。
場所によってはこの植物の葉でびっしりと覆われているほど。
オオバギボウシの群生
オオバギボウシ オヤマリンドウだろうか。
丈の低いオミナエシの仲間も多かった。
個人的には今まで登った東北の山では見たことがないので珍しい(信州の高原では何度も見ている)。
ハクサンオミナエシ(コキンレイカ)
ハクサンオミナエシ(コキンレイカ)
ハクサンイチゲは前回、登った時は見落としてしまったのか、見た記憶が無い。
今回は散発的に開花していたがこれは二度咲きなのだろうか。
ハクサンイチゲ ハクサンフウロ
ノギラン
ノギランは低山性のイメージが強いが、ここでは立派な高山植物になっていた。
同じような現象は和賀岳や焼石岳、森吉山でも見ている。
ミヤマコゴメグサ?
コゴメグサの仲間は、この山域には、ミヤマ、ホソバ、マルバ・・・の三種類が有るようだ。
写真ではどれなのか分からなかったので、ひとまずミヤマコゴメグサとしておく。
タカネヨモギ ミヤマコウゾリナ
オツボ峰らしきピークを過ぎたが、靄はさらにひどくなり、
近くの以東岳や朝日連峰の他の稜線もほとんど見えなくなった。
左足は相変わらず痛いし、暑さにもすっかり負けてしまった。
今回のノルマだったタカネマツムシソウは十分見たので、タカネヨモギが現れたピークを最後に引き返すことにした。
この山稜で他に見た花は
ミヤマホツツジ、ノリウツギ、クロヅル、コバイケイソウ、イブキゼリモドキ、タテヤマウツボグサなど。
オツボ峰付近から見たおぼろな大鳥池
オツボ峰から池に下りても、泡滝ダム駐車場まで更に三時間の歩きが有った。
途中で左足がほとんど動かなくなったため、四時間かかったが、騙し騙し歩いて駐車場に到着。
その後は秋田市まで約三時間半の運転。
以東岳は実に遠いお山だと感じた。
以上。