(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしてアップ。その後、内容を少し改め、再アップしたものである。)
毎日が日曜の特権を行使し、7月20日は今年になって三回目の早池峰山(二回目は6月29日)。
おそらく一年で一番、花の多い時期のようで、平日にもかかわらず登山者は多かった。
まずは低いところから。
森林限界付近で最初に目についたのは、キンロバイ。
続いてウスユキソウとタカネナデシコ。
ウスユキソウ タカネナデシコ
どちらも咲き出したばかりだった。
此処のウスユキソウはけっこう綺麗なので、有名なハヤチネウスユキソウと勘違いされる方も多いようだ。
岩だらけの道、と言うよりも岩の上を跳ねながら歩いていると、
岩の隙間にやたらと多いツメクサみたいなのは
ホソバツメクサ
今頃の時期、登山道付近で一番個体数が多いのはこの花かもしれない。
地味な花が続く。
ハヤチネカラマツ(コカラマツ?) ミヤマアケボノソウ
ハヤチネカラマツの隣にミヤマアケボノソウを見つけた時は吃驚した。
何故ならこの花は山頂稜線にあるもの、しかも8月以降でないと見られないものと勝手に思い込んでいたので、
森林限界を抜けてすぐの道端にあっけらかんと咲いていたのには吃驚した。
なおこの花は山頂稜線にも多く、そちらにはでかい株も有ったが、いずれも蕾だった。
斯様にこの山の植物の種類は森林限界より上、山頂稜線に辿り着くまでの斜面は低いところも高いところも、ほぼ共通。
ただし低いところは季節の進行が早いのか、早く咲く傾向があった。
今頃の時期、早池峰山に登る人の目あてはやはりハヤチネウスユキソウだろう。
高嶺の花のイメージがあるが、山頂まで行かなくても森林限界を超えるとすぐ見られる。
ただし下の方ではだいぶ古くなっていた。
月山や鳥海山で見られるミヤマウスユキソウ(ヒナウスユキソウ)に較べると、草丈も花(頭花とすぐ下の花弁状の苞葉)もでかくて立派だ。
この個体は特に大きく、丈(長さ)は30センチ以上あった。
ハヤチネウスユキソウ
ハヤチネウスユキソウ ミヤマオダマキの残り花と。
他の花たち
イブキジャコウソウ タカネサギソウ
竜ヶ馬場付近ではサマニヨモギやチシマフウロが咲き出していた。
サマニヨモギ
チシマフウロの群生
チシマフウロ
チシマフウロ ミヤマアズマギク
ミヤマアズマギク
ミヤマアズマギクは南側斜面ではほとんど終わっていたが、
山頂付近ではまだ咲き残りが有った。
同時期の他の高山とは咲く花の種類がだいぶ違う。異世界のお花畑に迷い込んだような気分だ。
ナンブトラノオ(早池峰山固有種)
ナンブトラノオ(早池峰山固有種)
根元にはミヤマアケボノソウの蕾。 ミヤマシオガマの残り花。山頂にて。
ミヤマヤマブキショウマ(早池峰山固有種)
御田植場から山頂にかけての湿った場所ではヨツバシオガマやハクサンチドリが咲いていた。
他の山では割と下の方で見られる花たちだが、早池峰では高所で初めて見られるのでちょっと意外だった。
ヨツバシオガマ ハクサンチドリ
ミヤマオダマキ咲き残り
ムシトリスミレ チシマゼキショウ
早池峰山頂から薬師岳を望む。
小田越からの帰りに見た早池峰山