消された伝統の復権

京都大学 名誉教授 本山美彦のブログ

野崎日記(215) 新しい世界秩序(32)アジアにおけるゴールドマン・サックス(4)

2009-09-07 22:11:33 | 野崎日記(新しい世界秩序)

 翌年は、9.11テロによる金融界の動揺で業績不振であったが、それでも、2001年を通してゴールドマン・サックスはM&A仲介者としてこの業界を独走していた。

 
M&A仲介額の8割はゴールドマン・サックスの手によるものであった。日本のM&Aの46%を占有し、ドイツでは第二位であった。この年、IPO関連では全米第一位であった。しかし、M&AとIPOへの過度の傾斜によって、収益構造は非常に脆弱なものになってしまった。こうした業務は浮き沈みが激しいからである。事実、2002年になると、両者ともに沈滞してしまった。M&Aは42%も縮小し、IPOは、2001年12月から2002年3月までに4件しか米国ではなかった。

 加えて、ゴールドマン・サックスの規模は、ライバルに比べて小さかった。シティバンクの規模はゴールドマン・サックスの3倍であり、JPモルガン・チェースは2倍であった。そのこともあって、ゴールドマン・サックス自体がM&Aの対象になるのではないかとの噂も飛び交った。

 そうした噂をポールソンはきっぱりと切り捨てて、『ビジネス・ウィーク』に語った。

「われわれは優秀なグローバル投資銀行、証券会社であり続けたい。もっとも重要なマーケットでもっとも重要な顧客との取引をとてつもなく大きくしたい」、これを達成するためには、「米国、ドイツ、英国、日本、中国」との政府関係者と密接にならなければならない」と。ゴールドマン・サックスの歴史はまさにそれを地でいくものであった。

 ゴールドマン・サックスの関連子会社を以下に列挙しておこう。ゴールドマン・サックス&カンパニー(Goldman, Sachs & Co.)、ゴールドマンサックス・アジア・ファイナンス・ホ-ルディングズ(Goldman Sachs (Asia) Finance Holdings L.L.C.)、ゴールドマン・サックス・アジア・ファイナンス(モーリシャス)(Goldman Sachs (Asia) Finance (Mauritius)、ゴールドマン・サックス(英国)(Goldman Sachs,United Kingdom L.L.C.)、ゴールドマン・サックス・グループ・ホールディングズ(英国)(Goldman Sachs Group Holdings (United Kingdom)、ゴールドマン・サックス・ホールディングズ(英国)(Goldman Sachs Holdings (United Kingdom); Goldman Sachs International (United Kingdom)、GSフィナンシャル・サービス(GS Financial Services L.P.)、ゴールドマン・サックス・キャピタル・マーケット(Goldman Sachs Capital Markets, L.P.)、ゴールドマン・サックス(日本)(Goldman Sachs (Japan) Ltd.)、Jアローン・ホールディングズ(J. Aron Holdings, L.P.)、Jアローン&カンパニー(J. Aron & Company)、ゴールドマン・サックス・モーゲジ・カンパニー(Goldman Sachs Mortgage Company)、ゴールドマン・サックス・クレジット・パートナーズ(Goldman Sachs Credit Partners L.P.)、ゴールドマン・サックス・ホールディングズ(オランダ)(Goldman Sachs Holdings (Netherlands) B.V.)、ゴールドマン・サックス・ミツイ・マリーン・デリバティブ・プロダクツ(Goldman Sachs Mitsui Marine Derivative Products, L.P.)、ゴールドマン・サックス(ケイマン)ホールディング・カンパニー(Goldman Sachs (Cayman) Holding Company)、ゴールドマン・サックス&カンパニー(ドイツ)(Goldman, Sachs & Co. oHG (Germany))、ゴールドマン・サックス・フィナンシャル・マーケット(Goldman Sachs Financial Markets, L.P.)、GSハル・ホールディング(GS Hull Holding, Inc.)、ハル・グループ(The Hull Group, L.L.C.)、SLK LLC)、スピーア・リード&ケロッグ(Spear, Leeds & Kellogg, L.P.)、.SLKホールディングズ(SLK Holdings Inc.)、ファースト・オプション・オブ・シカゴ(First Options of Chicago, Inc.)である。

 主要なライバルは、クレディ・スイス・ファースト・ボストンン・コープ(Credit Suisse First Boston Corp.)、メリル・リンチ(Merrill Lynch & Co. Inc.)、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)などである。

野崎日記(215) 新しい世界秩序(32)アジアにおけるゴールドマン・サックス(4)

2009-09-07 22:11:33 | 野崎日記(新しい世界秩序)

 翌年は、9.11テロによる金融界の動揺で業績不振であったが、それでも、2001年を通してゴールドマン・サックスはM&A仲介者としてこの業界を独走していた。

 
M&A仲介額の8割はゴールドマン・サックスの手によるものであった。日本のM&Aの46%を占有し、ドイツでは第二位であった。この年、IPO関連では全米第一位であった。しかし、M&AとIPOへの過度の傾斜によって、収益構造は非常に脆弱なものになってしまった。こうした業務は浮き沈みが激しいからである。事実、2002年になると、両者ともに沈滞してしまった。M&Aは42%も縮小し、IPOは、2001年12月から2002年3月までに4件しか米国ではなかった。

 加えて、ゴールドマン・サックスの規模は、ライバルに比べて小さかった。シティバンクの規模はゴールドマン・サックスの3倍であり、JPモルガン・チェースは2倍であった。そのこともあって、ゴールドマン・サックス自体がM&Aの対象になるのではないかとの噂も飛び交った。

 そうした噂をポールソンはきっぱりと切り捨てて、『ビジネス・ウィーク』に語った。

「われわれは優秀なグローバル投資銀行、証券会社であり続けたい。もっとも重要なマーケットでもっとも重要な顧客との取引をとてつもなく大きくしたい」、これを達成するためには、「米国、ドイツ、英国、日本、中国」との政府関係者と密接にならなければならない」と。ゴールドマン・サックスの歴史はまさにそれを地でいくものであった。

 ゴールドマン・サックスの関連子会社を以下に列挙しておこう。ゴールドマン・サックス&カンパニー(Goldman, Sachs & Co.)、ゴールドマンサックス・アジア・ファイナンス・ホ-ルディングズ(Goldman Sachs (Asia) Finance Holdings L.L.C.)、ゴールドマン・サックス・アジア・ファイナンス(モーリシャス)(Goldman Sachs (Asia) Finance (Mauritius)、ゴールドマン・サックス(英国)(Goldman Sachs,United Kingdom L.L.C.)、ゴールドマン・サックス・グループ・ホールディングズ(英国)(Goldman Sachs Group Holdings (United Kingdom)、ゴールドマン・サックス・ホールディングズ(英国)(Goldman Sachs Holdings (United Kingdom); Goldman Sachs International (United Kingdom)、GSフィナンシャル・サービス(GS Financial Services L.P.)、ゴールドマン・サックス・キャピタル・マーケット(Goldman Sachs Capital Markets, L.P.)、ゴールドマン・サックス(日本)(Goldman Sachs (Japan) Ltd.)、Jアローン・ホールディングズ(J. Aron Holdings, L.P.)、Jアローン&カンパニー(J. Aron & Company)、ゴールドマン・サックス・モーゲジ・カンパニー(Goldman Sachs Mortgage Company)、ゴールドマン・サックス・クレジット・パートナーズ(Goldman Sachs Credit Partners L.P.)、ゴールドマン・サックス・ホールディングズ(オランダ)(Goldman Sachs Holdings (Netherlands) B.V.)、ゴールドマン・サックス・ミツイ・マリーン・デリバティブ・プロダクツ(Goldman Sachs Mitsui Marine Derivative Products, L.P.)、ゴールドマン・サックス(ケイマン)ホールディング・カンパニー(Goldman Sachs (Cayman) Holding Company)、ゴールドマン・サックス&カンパニー(ドイツ)(Goldman, Sachs & Co. oHG (Germany))、ゴールドマン・サックス・フィナンシャル・マーケット(Goldman Sachs Financial Markets, L.P.)、GSハル・ホールディング(GS Hull Holding, Inc.)、ハル・グループ(The Hull Group, L.L.C.)、SLK LLC)、スピーア・リード&ケロッグ(Spear, Leeds & Kellogg, L.P.)、.SLKホールディングズ(SLK Holdings Inc.)、ファースト・オプション・オブ・シカゴ(First Options of Chicago, Inc.)である。

 主要なライバルは、クレディ・スイス・ファースト・ボストンン・コープ(Credit Suisse First Boston Corp.)、メリル・リンチ(Merrill Lynch & Co. Inc.)、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)などである。