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少子化対策

 我が家は1男3女に恵まれました。私の上司と、妻の父親が相談して見合いし、運輸省に入省してちょうど2年目、25歳という若さで結婚ということにいささか不服を感じないでもありませんでしたが、すんなりと結婚生活にはいりました。

 当時、官僚は帰りが遅く深夜12時頃に帰宅、土曜日も一日中仕事という生活でした。新婚生活を楽しむとか、子育てを手助けするとかといったこととは、無縁の生活でした。妻は政治家の家に育った娘で官僚の生活も知っていましたから、そんな生活に特に疑問も持たずに新婚生活を始めました。私は一人っ子で育ちましたので、子供が大勢いる明るくにぎやかな家庭にあこがれを持っていました。

 妻の実家に歩いて通える距離のマンションに暮らしていましたので、実家の母や姉妹の手助けを受けながら4人の子供を育てることができました。特に、第一子の出産、子育ては慣れないことばかりですから、精神的にも肉体的にも頼れるところがあるというのは、有り難いものでした。なにしろ私は朝から晩まで役所にいて全く家にいませんから、第二子以降は子育てに慣れてくるとはいうものの上の子供との関係で「てんてこまい」になりますので、妻の実家の手助けは非常に有り難かったと感謝しています。

 少子化対策についての議論が開始されてから、もう十年以上になりますでしょうか。少しずつですが託児所、保育所、幼稚園等の整備が進み始めました。児童手当の拡充等も行われてきました。このような施設整備や経済的支援等を手厚くしていくことは勿論重要でありますが、もっと大切なことは社会全体の意識を変えていくことではないかと感じています。

 もう四半世紀前になりますが、私はパリのOECDに勤務しておりました。当時はまだ、日本では寿退職、土曜日は半日就業という時代でしたので、フランスとの国情の違いには本当に驚きました。まず、女性が男性と対等に働いていましたし、保育所やベビーシッター等のサービスが充実していて、子供を預けて安心して女性が働ける環境になっていました。また、6時になると全員が帰宅し、完全週休二日制であったばかりか、年休も完全に消化するのが原則となっており、日本との違いに唖然とした覚えがあります。

 しかし、なんといっても一番大きな違いを感じましたのは、男女が共同して育児、家事を分担するという考えが浸透していたことです。日本では、男は仕事で、平日は残業、土日も仕事の延長のお付き合いと、家庭をかえりみない社会となっておりました。ところが、フランスでは夕刻定時になると男女共に帰宅して、自宅で家族と一緒に食事をとり、休日は行動を共にしていました。男女が一緒に子供を育て、家庭を、そして地域社会を支えていくという意識をもつことが重要であると感じました。

 少子化対策については、少子化社会対策会議を始め、政府の各方面から提言がなされています。ありとあらゆるメニューが提出されていますので、あとは、これらの提言を実行に移すことと、そして、社会の意識を変えていくことが求められているのではないかと考えます。

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航空の安全・安心

3月13日に全日本空輸グループ運航のカナダのボンバルディア社DHC-8-400機の車輪が機体から降りなかったため、高知空港に胴体着陸しましたが、機長の冷静な判断により幸い死傷者ゼロですみました。
 翌週20日には天草航空運航のボンバルディア社のDHC機の車輪が降りなかったが、手動で降ろすことができたため、事故に到らずにすみました。
 連日の事故を受けて、国土交通委員会では4人の航空専門家から意見を聴取し、質疑を行いました。私はそのトップバッターとして4人の参考人と意見交換を行いました。

国土交通委員会:平成十九年三月二十八日(水曜日)
国土交通行政の基本施策に関する件(航空の安全・安心)

政府参考人(国土交通省航空局技術部長) 谷  寧久君
参考人 (東京大学大学院工学系研究科教授) 河内 啓二君
参考人 (社団法人日本航空技術協会会長)  久保 哲也君
参考人 (定期航空協会理事長)  辻村 邦康君
参考人 (航空アナリスト)    杉浦 一機君
国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

詳しい質疑内容は、議事録をご覧ください。

Pdf_1「国土交通委員会議事録」をダウンロード

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地球温暖化

 最近、新聞やTVで地球温暖化について取り上げられる機会が急に増えてきました。昨今の集中豪雨や暖冬等の異常気象が地球温暖化の表われであると、多くの国民が肌で感じるようになってきたからなのでしょう。

 ちょうどそういうタイミングに、ゴア前米副大統領をえがいた映画「不都合な真実」が上映され、アカデミー賞を受賞しました。この映画をご覧になると、地球温暖化のメカニズムとその深刻さが良く理解できます。

30年以上も前、彼がまだ大学生の時に、地球温暖化問題の重要性を認識したゴア前米副大統領の先見性と、業界からの強い反対に負けず、揺らぐことなく一貫して環境問題に取り組んできた政治姿勢に、強い感銘を受けました。そして私自身の政治活動においても「信念をもって突き進み、取り組まなければならない。」と思いを新たに致しました。

昨年暮れには、イギリスで「将来対策をとるよりも、今行動を起こすほうが、ずっと効果的である。」というスターンレポートが公表されました。また、今年1月のダボス会議では、サミット議長国の独メルケル首相が「地球温暖化に対して行動すべきである。」と主張しました。そしていよいよ来年から温室効果ガス削減の義務を負う京都議定書の第1約束期間(2008年~2012年)が始まります。

 来年は日本でサミットが開催されます。2005年7月の英グレンイーグルズサミットで設けられた主要先進国、途上国20ヶ国による会議(G20 )の報告を受けるサミットとなります。そこで国際的な合意を得られるよう、来年に向けて日本がリーダーシップを発揮することが期待されています。

(自民党メールマガジンコラム)

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安全の責任は全員で

 先日、乗客25名が重軽傷を負い、添乗員が死亡し、運転手が重傷というスキーバスの事故がありました。過労勤務による居眠り運転と言われており、運転手は21才、添乗員は16才で両名ともに事業者の子息というものでした。
 安全、安心のサービスを提供するはずであるプロの青ナンバー車が、絶対に起こしてはならない事故であります。被害を受けた乗客の皆様に心からお見舞い申し上げます。
 運転手を2名確保せず、無理な運転を重ねた行為はあるまじきことで、事業者に弁解の余地はありません。しかしながら、現在の運輸業界をとりまく環境は大変厳しく、旅行会社と交渉する貸切バス事業者、荷主と交渉するトラック事業者等、いずれも人件費、燃料費等を十分に反映させる交渉をすることは、なかなか難しいことではないかと推察いたします。
 甘利経済産業大臣が御手洗日本経済団体連合会会長に「大企業がその優越的地位を濫用することがないように。」と下請けとの取引きについて申し入れをしたばかりですが、運輸業界にあっては、最もピッタリとあてはまるのではないかと感じました。
 この事故の重大性を踏まえ、二度とくりかえすことがないよう運輸業界のおかれている状況についてあらためて調査し、厳しく検討する必要があります。
利用者の安全性が損なわれたり、事故が発生することがないよう、さらに乗務員の労働環境にそのしわ寄せが出ないよう、関係者の良識を新たにして頂きたいと切に願います。
(東京交通新聞H19.3.26掲載)

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神戸空港開港一年

2 月 16 日で神戸空港開港から一年が経過しました。

この一年間で約 270 万人の方と約 2 万 4000 トンの貨物が利用しました。幹線である路線、札幌線は 1 日あたり 4 便、羽田線は 11 便、那覇線は 4 便運行し、 6 割の高い搭乗率で推移しています。

空港ターミナルビルは「明るくコンパクトで、使い易い。神戸の街と六甲の眺望が素晴らしい。」と好評です。ポートライナーも三宮と空港間を 10 分間隔で運行し、 18 分で結んでおり大変便利です。開港前の予想を上回る順調な滑り出しをしているといっても良いのではないでしょうか。

とはいうものの、神戸空港を国際線も発着する国際空港にしていくためには、まだまだ課題が山積しています。これ迄以上に利用者数を増加させるためにはまず神戸空港の知名度をもっと高めて行かなければなりません。徳島や岡山から神戸空港を利用されている方もあるのですが、神戸空港が便利で利用し易い空港であることを神戸周辺の地域の方にもっともっと PR して利用客を増加する努力、また、全国各地から神戸に飛んできてもらえるように周知する努力が必要です。

昨年暮れに観光立国推進基本法が成立しました。神戸は観光に力を入れ、神戸の魅力を全国キャンペーンして、大勢の方に神戸へ飛行機に乗って来てもらいたいものです。そして、何といっても神戸の街の活性化を図り、ビジネス需要を増加していくことが、神戸空港の利用者数、位置づけを高めていくものだと思います。

この様な努力を払って、利用者数が増えてゆけば、飛行機の発着枠数も 30 便から増加し、朝の 7 時から夜の 10 時迄という運用時間も拡大し、国際線の就航につながっていくと考えます。

(セルポート誌掲載)

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