COP10
10月18日から30日午前3時過ぎまで生物多様性条約締約国会合(COP10)が名古屋国際会議場で開催されました。 179の締約国、国際機関、NGO等から13,000人以上が参加するというマンモス会議でした。また、隣接する会場で開催された生物多様性交流フェアには11万8,000人を超える方が訪れ、賑わいました。 会議の成果は大きく三つに分けられます。 一つ目は2020年までに地球上の生物多様性の損失を止めるために行動する、2050年までに生態系を回復して健全な地球を維持するという中期的、長期的目標である「新戦略計画・愛知目標」が合意されたことです。これまで具体的な指標がないといわれてきましたが、陸域の17%、海域の10%を保護区域にして環境破壊を食い止め、毎年4万種が絶滅しているといわれる生物種の絶滅を防ぐという2020年までの中期目標をはっきりとさせました。 二つ目はABS(遺伝資源へのアクセスと利益配分)についてルールを定めた「名古屋議定書」をまとめたことです。植物、動物や微生物などの遺伝資源を豊富に産する途上国と遺伝資源を医薬品等に利用する先進国の間で、その利用から得られた利益を公正かつ衡平に配分すること、但し本議定書前に遡及適用をしないことで合意しました。 三つ目は生態系の保全を図るための資金動員戦略についてですが、COP11までに検討を行うこととなりました。日本は途上国支援として「いのちの共生イニシアティブ」で20億ドルの資金提供を表明しました。 会議は27日から閣僚級のハイレベル交渉が行われましたが、会期末の29日になってもなかなか先進国と途上国の間で利害が対立し合意案をまとめることができませんでした。しかしながら、地球温暖化問題もそうですが、生物多様性は一国だけで対処することのできないグローバルな(地球規模の)課題であり、この機を逃せばどんどんと自然の恵みは失われてしまうという危機感から、会期末(29日)の最終段階で日本が提出した議長案を会期を延長してでも採択しようと、各国がギリギリの決断を行い、合意がなされたものです。 生態系保全が必要であるという先進国、発展のために開発が必要である・生態系を保全するためには資金と技術が必要であるという途上国、植民地時代にさかのぼって遺伝資源利用の利益配分を求めた途上国、それでは新薬等の開発を行うことができなくなると反対する先進国、というように先進国と途上国の利害が対立しましたが、最終的には新戦略計画、愛知議定書をまとめることができたということは大きな成果といえます。 今後は、具体的なルール作りや条約に入っていないアメリカの参加などの課題に取り組んで、生態系の保全、回復、利用を図り、健全な地球を維持し、全ての人々に不可欠な生物多様性の恩恵を生かしていくようにする行動をとることが私たち一人ひとりに求められています。
岩屋交差点
「岩屋交差点(国道2号線と43号線が分かれるところ)の2号線と南側から北行きの道の合流の優先道路がはっきりせず、事故が起こりそうで危ない。何らかの改善ができないのか。」という灘区在住の方からのご要望を受けて、灘警察署、国土交通省兵庫国道事務所に対処策を講じるよう申し入れを行いました。
その後、兵庫国道工事事務所と灘警察署とで協議をして頂きました。
合流地点の南西部分の三角形の分離帯については、分離帯の樹木が高く茂って双方の車両のドライバーの視界を遮り、危険であることから、早速膝の高さにまで伐採してくれました。
また、南側から北行きの道については2号線の方が優先道路であることをはっきりさせる道路表示を早急に整備してくれることになりました。
さらに、交通管理者(警察)の検討を待って、三宮側から大阪方面への2号線を1車線に絞ってから合流させ、スムーズな道路交通の実現を図ることになりました。
パールシティー神戸
~ソトコト11月号より~
明治26年に御木本幸吉(みきもとこうきち)はアコヤ貝に核を挿入して半円真珠を作り出し、「世界中の女性の首を真珠で飾る」ことを夢見たという逸話は広く知られています。その後、真円真珠の養殖技術が進歩し、大正に入ると欧米に輸出され、王侯貴族でなければ入手できない程高価であった天然真珠に代わって養殖真珠が取引の中心となり、真珠は日本の輸出の主力商品になりました。
その結果、真珠というと日本産のアコヤ真珠をさすこととなり、真珠取引の単位は「匁(もんめ)」(3,75グラム)になりました。ダイアモンドが豆の重さを表すカラット(0,2グラム)で量られるように、今でも世界中で「匁」が使われています。
鳥羽から始まった真珠養殖は四国、九州に広がっていきましたが、その加工流通の中心となったのは神戸です。生産地から近く、当時日本最大の貿易港であった神戸港から海外に船積みできることから、各社が神戸に拠点を置いたのです。
神戸がパールシティーとなったもうひとつの大きな理由は神戸の地形・風土です。真珠の照りの具合や真珠層の巻き等を選別するには直射日光では明暗の差が強すぎます。六甲山に反射した柔らかな北光線を得ることのできる神戸に加工業者が集まり、北窓のある作業場を設けたと言われています。
また、真珠は見て美しいだけではなく、真珠をつくる貝類は大量の海水をろ過するという環境に優しい効果を有しています。真珠の街神戸における水質浄化のシンボルとして、アコヤ貝を使った環境保全活動の兵庫運河真珠貝プロジェクトが行われ、子どもたちにも参加してもらっています。
日本真珠輸出組合は真珠取引の中心である神戸に昭和29年に設立され、同組合が所在する日本真珠会館は平成17年に有形文化財に登録されています。1階には神戸パールミュージアムが開設されて、一般の方々にわかりやすく真珠についての展示がなされています。
是非パールシティー神戸で、素晴らしい真珠の輝きを皆様の目で確かめて下さい。