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STAP細胞と医療産業都市

セルポート「永田町より一筆啓上」掲載記事より

 1月30日に、理化学研究所から「体細胞を万能細胞へ初期化する原理」を発見したと発表され、しかもそれが小保方晴子さんという若い女性研究者によって発見されたということで、連日のようにニュースで大きく取り上げられています。京大の山中伸弥教授が発見したiPS細胞と比肩される大発見で、既に今年のノーベル賞候補とも言われています。素晴らしい発見に心より祝意を表したいと思います。

 私は、この研究が神戸ポートアイランドにある理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(CDB)でなされたことに大きな意義がある、と考えています。平成10年から神戸市は、ポートアイランドを医療産業都市とすべく先端医療に関係する研究機関の誘致等に取り組んできました。理研のCDBもその一つですが、長く取り組みを続けてきた成果がこのように花開いたものです。

 ところで、これらの大学や企業の研究機関がポートアイランドに集まってくるようになった背景には様々な要素がありますが、何といってもスーパーコンピュータ「京」の存在が大きいことは言うまでもありません。

 スーパーコンピュータプロジェクトは文部科学省によって平成17年に開始されましたが、平成19年度予算折衝で神戸市と自民党の渡海紀三朗衆議院議員や私達が協力して「京」の建設を神戸に決定し、予算を獲得したものです。平成21年には民主党政権の事業仕分けで「凍結」と判定されましたが、野依良治先生他の科学技術関係者の反対によって再度予算計上され、平成24年から供用が開始されました。

 平成23年に世界第一位と評価された「京」を活用して医薬等の研究開発を進めようと、研究機関が神戸に集まるようになってきているのです。今回の新しい万能細胞「STAP細胞」の大発見の背景には、医療産業都市・スーパーコンピュータへの取り組みがベースとなっていることに、私も我が事のように嬉しく感じている次第です。

 昨秋(平成25年10月)には医薬品医療機器総合機構(PMDA)の関西支部・薬事戦略相談連携センターをポートアイランドに設置することが田村憲久厚生労働相によって決定され、現在国会で審議されている平成26年度予算案には「京」の次の世代の「エクサスケールコンピュータ」を開発する予算が盛り込まれています。世界一の技術を開発し、先端医療の研究と連携・協力して、「世界で一番進んだ研究をするには神戸に行かなくては」といわれるような都市神戸の実現を目指して頑張ります。

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