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総理大臣の進退と日本の国益

124日から開催されている第177回通常国会が本来の会期末である今日(622日)、831日まで70日間延長されました。

通常国会は1月中に召集され、会期は150日間、会期の延長は通常国会は1回と国会法で定まっています。国会の会期の延長と総理の退陣はリンクしないと民主党は主張しており、総理退陣の時期が明確でないまま、延長が決定されました。

歴史的な政権交代により民主党政権が発足して以来、異例の決定が当たり前のようになっていますが、退陣を表明した総理が自らの進退時期を明確にしないまま居座り続けることは、如何なものでしょうか。どうも政権与党である民主党には内向きの考えしかないように思われます。

なぜ、菅政権がうまく機能していないのか、その原因はどこにあるのかを考える必要があります。

菅総理は政府と与党民主党をうまくまとめることができていません。特に東日本大震災発生後のこの非常時において、全員が一丸となって動かなければならない時期に関係者がバラバラになっていることは大きな問題であり、その原因は菅総理にあるのです。

政府の中で菅首相に対する信頼感が失われているのみならず、民主党の中でも信頼を失っています。涙ながらに「総理大臣を辞めるから不信任案を否決して欲しい」と言っても、内閣不信任案が否決されると言を左右にして自らの進退時期を明らかにしないようでは、誰も菅総理の言葉を信じられなくなっています。

残念ながら、菅総理の口から出た言葉は国民の心に響くものではありません。小泉政権に対する評価は別として、小泉元総理が郵政解散をした直後の会見で「郵政民営化は私の信念である。殺されてもいい。」と訴えかけたその言葉に国民は感動し、支持をしたのです。心の底から訴えかける言葉があれば、この人のために何とか協力しようと国民が思うのではないでしょうか。

総理は自らの立場を犠牲にしてでも被災地の皆様のために、政府部内や関係者をまとめていかなくてはなりません。それができないのなら潔く辞任すべきです。

政治は待ったなしです。民主党内では菅総理の判断を了としているのでしょうが、外交はそうはいきません。潘基文国連事務総長の8月訪日は延期され、9月の日米首脳会談も流れそうです。辞めると言っている総理と会談をする外国の首脳はいません。腰の定まらない日本の政治の状況を見て、中国は先週再び海軍の艦船を沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋で演習を行い、韓国は大臣が竹島へ上陸し、ロシアの首脳は北方領土を訪問して日露間に領土問題は存在しないと発言しています。

菅総理が居座り続けることは日本の国益を損なっているのです。菅総理と民主党は現在の状況をしっかりと冷静に把握する必要があります。

辞任表明した以上、一日も早く新総理を選出し、しっかりとした体制を築くべきであると考えます。

(平成23622日記す。)

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