2024年7月掲載分より
朝日歌壇の入選歌(選者は永田和宏さん、馬場あき子さん、佐佐木幸綱さん、高野公彦さん、)より、戦争を詠んだ歌を、わんちゃんが独断で選り抜きを。
☆⇒共選作
馬場あき子選
☆ウクライナの平和を願ふメッセージカード受けたり無言館出口(鹿嶋市)大熊佳世子
古い古い日本の織機がガザで織ったラストカフィーヤ我が胸に抱く(東京都)岩下 章
【評】ラストカフィーヤは中東のヘッドスカーフ。太陽や砂から頭や顔を守る布。ガザにあった日本の古い織機で織りあげたところが凄い。
戦争を知らない世代という我ら核兵器なき世界も知らず(さいたま市)鈴木 俊恵
【評】戦争を知らない世代からの言い分。下句に衝撃。
出征の父に向ひて挙手の礼二歳の吾は涎掛けして(蒲郡市)古田 明夫
米軍の上陸翌日叔父戦死読谷村の喜名という地で(船橋市)佐々木美彌子
慰霊の日九十二歳が礎(いしじ)にて強く発する「戦争はやだ」(長野市)祢津 信子
二週間生き延びられたら偉業だとロシアの突撃兵は言いたり(観音寺市)篠原 俊則
【評】現実を体験した言葉として真摯(しんし)に受け止めたい。戦争はこういうものだ。
沖縄忌は義勇兵役法公布の日少年兵の動員決めた日(石川県)瀧上 裕幸
沖縄戦慰霊の詩をばそらんずる仲間さんに向き思わず礼する(飯田市)草田 礼子
高野公彦選
☆ウクライナの平和を願ふメッセージカード受けたり無言館出口(鹿嶋市)大熊佳世子
【評】戦没画学生の絵を展示する無言館(長野県上田市)の、平和への願いの強さに感じ入る作者。
さんぽ中「九条守れ」のデモありて犬といっしょに列に加わる(川西市)市森 晴絵
九条を守り守られ八十年戦争知らずに生きてきた日々(高崎市)野口 啓子
被曝牛を飼い続ける人の五千日、野太き声が今日も地を這う(福島市)美原 凍子
☆辺野古にも南西シフトにもふれず首相は追悼すませ帰京す(宇都宮市)手塚 清
【評】沖縄慰霊の日(6月23日)の首相の行動
永田和宏選
礎(いしじ)には百八十と一名を新たに刻みし今日慰霊の日(神奈川県)高橋 静一
二階級特進しても“上等兵”伯父の墓標を蟻這いのぼる(神戸市)松本 淳一
【評】命と引き換えの二階級特進。二等兵としての伯父の死を思う。
☆辺野古にも南西シフトにもふれず首相は追悼すませ帰京す(宇都宮市)手塚 清
島よ帰れ島を還せと鐘鳴らす海霧ふかき納沙布岬(仙台市)沼沢 修
京都短歌:朝日新聞朝刊 永田 淳選
三歳時舞鶴攻める米軍機山の彼方に見た記憶あり(綾部)斎藤 靖行
【評】幼児の微かな記憶。後から考えたら、あれは舞鶴を攻撃していたのだと気付く。戦争をリアルに知る最後の世代。
忽然と脳裏かすめし軍服の匂い手触り父の日の夕 (山科)馬場 俊明
【評】父の記憶と分かちがたく結びついている戦争の影。父と聞くと反射的に思い出してしまうのだろう。
朝日歌壇の入選歌(選者は永田和宏さん、馬場あき子さん、佐佐木幸綱さん、高野公彦さん、)より、戦争を詠んだ歌を、わんちゃんが独断で選り抜きを。
☆⇒共選作
馬場あき子選
☆ウクライナの平和を願ふメッセージカード受けたり無言館出口(鹿嶋市)大熊佳世子
古い古い日本の織機がガザで織ったラストカフィーヤ我が胸に抱く(東京都)岩下 章
【評】ラストカフィーヤは中東のヘッドスカーフ。太陽や砂から頭や顔を守る布。ガザにあった日本の古い織機で織りあげたところが凄い。
戦争を知らない世代という我ら核兵器なき世界も知らず(さいたま市)鈴木 俊恵
【評】戦争を知らない世代からの言い分。下句に衝撃。
出征の父に向ひて挙手の礼二歳の吾は涎掛けして(蒲郡市)古田 明夫
米軍の上陸翌日叔父戦死読谷村の喜名という地で(船橋市)佐々木美彌子
慰霊の日九十二歳が礎(いしじ)にて強く発する「戦争はやだ」(長野市)祢津 信子
二週間生き延びられたら偉業だとロシアの突撃兵は言いたり(観音寺市)篠原 俊則
【評】現実を体験した言葉として真摯(しんし)に受け止めたい。戦争はこういうものだ。
沖縄忌は義勇兵役法公布の日少年兵の動員決めた日(石川県)瀧上 裕幸
沖縄戦慰霊の詩をばそらんずる仲間さんに向き思わず礼する(飯田市)草田 礼子
高野公彦選
☆ウクライナの平和を願ふメッセージカード受けたり無言館出口(鹿嶋市)大熊佳世子
【評】戦没画学生の絵を展示する無言館(長野県上田市)の、平和への願いの強さに感じ入る作者。
さんぽ中「九条守れ」のデモありて犬といっしょに列に加わる(川西市)市森 晴絵
九条を守り守られ八十年戦争知らずに生きてきた日々(高崎市)野口 啓子
被曝牛を飼い続ける人の五千日、野太き声が今日も地を這う(福島市)美原 凍子
☆辺野古にも南西シフトにもふれず首相は追悼すませ帰京す(宇都宮市)手塚 清
【評】沖縄慰霊の日(6月23日)の首相の行動
永田和宏選
礎(いしじ)には百八十と一名を新たに刻みし今日慰霊の日(神奈川県)高橋 静一
二階級特進しても“上等兵”伯父の墓標を蟻這いのぼる(神戸市)松本 淳一
【評】命と引き換えの二階級特進。二等兵としての伯父の死を思う。
☆辺野古にも南西シフトにもふれず首相は追悼すませ帰京す(宇都宮市)手塚 清
島よ帰れ島を還せと鐘鳴らす海霧ふかき納沙布岬(仙台市)沼沢 修
京都短歌:朝日新聞朝刊 永田 淳選
三歳時舞鶴攻める米軍機山の彼方に見た記憶あり(綾部)斎藤 靖行
【評】幼児の微かな記憶。後から考えたら、あれは舞鶴を攻撃していたのだと気付く。戦争をリアルに知る最後の世代。
忽然と脳裏かすめし軍服の匂い手触り父の日の夕 (山科)馬場 俊明
【評】父の記憶と分かちがたく結びついている戦争の影。父と聞くと反射的に思い出してしまうのだろう。
以前はPC熱心でしたが最近はどうもマンネリ化し頑張りがなくダメ!!
ワンちゃんさんの絵手紙楽しみに見せて頂きますね。
時々おじゃま虫させていただいてます。
ステキなお写真に飽かず眺めてます。
そのなかでも今回紹介の朝日歌壇の歌の字句から「ラストカフイーヤ」と「無言館」が気になりました。
ラストカフイーヤとは、調べますとパレスチナ製の織物(肩掛けや頭にまとう服)の意味で黒と白の市松模様のストール「ケフイエ」(アラビヤ語)から由来するコトバです。
この服装(模様など)はアラファト議長(故人)やパレスチナのリーダーなどが良く着ていた市松模様のもので、「団結」を意味しパレスチナ人の大義を示す象徴とされているようです。・・・従って歌のなかでラストカフイーヤ我が胸に抱く・・・とあるのは、強い団結と連帯を示した歌だと個人的には思いました。
次に無言館ですが長野県上田市にある私設(窪島誠一郎さんが1997年設立)の戦没画学生慰霊美術館で日中戦争・太平洋戦争で動員され亡くなった130余名の画学生の絵画などを展示されているという・・・平和への強い願いが込められた作品が多いと評されています。
この歌の詠み人は茨城県の鹿嶋市の女性ですが、この「鹿嶋市」は佐賀県にも同じ「鹿島市」があり、町(市)名が、「島」から「嶋」に変更したそうです。・・・なにごとも「こだわり」があるようです。
それと「三歳時舞鶴攻める米軍機・・・」(綾部市の男性)が紹介されていますが、私の知人(当時10歳の小学生)がグラマン戦闘機で舞鶴の軍港を何度も機銃掃射などで攻撃していた様子を目撃したと語っていましたので、その時の体験は想像を絶します。
話は替りますが、このブログに「ショット」さんがコメントされていますが、「昔の名前で出ています」(小林旭さんの歌)ではありませんが、ブログのバックナーバーでは今から16年前以前にコメントされていたハンドルネームの方と分かりました。多数の方がコメントするほうが賑やかになると思いました。
一枚一枚がホンマにステキなしょっとです。
https://ksadako.exblog.jp/
もう一人、写真blogつながりのmiuちゃんと共にhttps://blog.goo.ne.jp/miu2865お二人の写真にいつも魅せられています。