河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

7/27(土)13時30分 NHK文化センター京都 ショパン「マズルカ」Op.59全曲、「バラード第3番」等

ソロモンのショパン

2007-09-09 20:29:31 | ショパン
昨日8日土曜日は
たくさんの買物をしてしまいました。

三条、四条あたりで
CD、楽譜、本(以上3つはすべて複数です)、お財布、ツーピース、シャツブラウス、口紅2本…。

昨日の目玉は
なんといってもこれ↓。

十字屋さんで
「ショパン全作品集」CD30枚が
なんと7000円!!

30枚で7000円ということは、
CD一枚が200円あまり?!

中身もあんまり確かめず買ったのですが、
全作品のほかに
「歴史的演奏」というのが別に何枚も入っていて
フリードマン、プニョ、パハマン、ゴドウスキー、ソロモン、ローゼンタール、ブライロフスキー、コルトー、ラフマニノフ、ホロヴィッツ、リパッティ、その他たくさん。

今日はそのうち4、5人を聞いたのですが、
みんなめっちゃ面白い!

特に、ソロモン、すばらしい!!

ソロモンのベートーヴェンのソナタが素晴らしいと
杉本秀太郎先生が前からおっしゃってたの思い出しました。

このショパンも、
特に、「エチュード」Op.10-9ヘ短調、25-2ヘ短調、25-3ヘ長調の3曲を
組にして演奏しているのと、
それから「子守唄」には
ほんと、まいりました。

昔の録音なので
却って演奏の全体像がつかめるのですが、

ソロモンの音楽を見る視点が
ものすごく高いというか、遠いというか、
神様みたいな所から
音楽を一掴みで捕らえているような。

エチュードOp.10-9のハーモニーの色の推移。
この曲って、こういう曲だったのね。

25-2では、繊細極まりない右手のタッチ。

それをさらに極めたのが「子守唄」で、
もうこの世とは思われない右手の装飾が延々とつづき、

左手は、最初から最後までまったく同じ音型を
寄せては返すおだやかな海辺の波のように
何度もくりかえす。

右手のタッチと左手のタッチが
当たり前ですが
天と地ほど違う。

左手が地上の海辺の波なら

右手は
空中の、
風に乗って運ばれてくるかぐわしい匂い、
光にきらめくこまかな粒子の雨、
次々と形を変える雲、
天上から降ってくる恩寵のような金色の光。

要するにこの曲は
ハーモニーでいえば
Ⅰ(主和音)とⅤ(属和音)の交代のみでできている
タグイ稀な単純な曲なのです。

元来は、
半音階的なハーモニー推移の陰影が身上のショパン。

それが、この曲では
これ以上考えられない単純なハーモニーを敢えて繰り返し
それで1曲を仕上げてしまうのだから
これはすごい。

ショパンの好みの陰影は、
この曲に限ってはハーモニーでなく、
右手のタッチのみで付ける。

その曲のすごさを本当に伝える演奏、
というのが、この
ソロモンの演奏だと思います。
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1 コメント

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Unknown (マルコ)
2007-09-12 20:16:17
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